2009年4月22日 (水)

「The MANZAI 5」 あさのあつこ

The MANZAI〈5〉 (ピュアフル文庫) The MANZAI〈5〉 (ピュアフル文庫)

著者:あさの あつこ
販売元:ジャイブ
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本当は発売日に買って読んだのだが、いつだったか忘れたので、
今日でいいか……。あさのさん、楽しいんだけどなぁ、楽しいんだけど。
やっぱり『バッテリー』の時が一番わくわくしたな。今回は漫才5巻目、
面白かったか、と聞かれると、うーん、と言ってしまうのが悩みどころ。

来年は高校生。中学生最後の年の正月、歩はみんなと初詣の約束をしていた。
みんなが集まると、そうかもう卒業なのだと言う気持ちが増してくる。
秋本の発案により来年もロミジュリを続ける羽目になった歩は
いつもながらボケにツッコミを返し歩いていると、
ひょんな事から酒樽に蹴躓き、階段から落ちる大惨事になってしまった。
挙句は病院に運ばれる始末。心配した母や友人の顔を見るうち、
歩は自分の置かれている環境のありがたさを実感する。

まず始めに感じた感想が、「まだ終らないのか……」であった。
そう思ってしまうのは結構マイナス要素のような気もする。
あさのさんの長編は、どことなく月刊漫画と似ていて、
「さて、次回どうなる?」みたいな状態で、毎回結末を先延ばしに
されているような感覚になるときがある。この本がまさにそれ。
決して面白くないわけではないし、馴染みのあるキャラクターで、
話も面白くなってきたところなのだが、唯一つ問題なのは、
結末が見えないところにある。あさのさんは日常の些細な事を、
細かく心理描写するのが上手い作家さんなので、
別段ストーリー上に問題がおきなくても、楽しむ事が出来る。
でも裏を返せば、平凡な毎日が描かれているわけで、
山も谷も浅いその物語に、「で、いつ終るの?」と思ってしまうのだった。
今回はその上、筆がこなれてきた感もあり、歩と秋本の描き方が怪しい。
仲がよいにもほどがあり、BL小説ですか?ぐらいの域に達している。
おまけに肝心の漫才はほぼなし。一体何を目指してるんだっけ?
と疑問を持ちつつ読了してしまい、あぁ、また一年お預けかぁ、とため息。
うーん、もしくは全巻で終ってから、一気に読んだ方がいいのかもな。
あさのさんの本は漫画のようにすいすい読めるから。
それは誰にも負けない長所であり、指示される大きな要点だと思う。

★★☆☆☆*75

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2008年2月 2日 (土)

「The MANZAI 4」 あさのあつこ

The MANZAI 4 (4) (ピュアフル文庫 あ 1-7) The MANZAI 4 (4) (ピュアフル文庫 あ 1-7)

著者:あさの あつこ
販売元:ジャイブ
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あーあまた始まった…という印象が。
何がって?あさのさんの長編計画。「NO.6」も「バッテリー」も、
何巻まで続けば終わるのだろう…という不安があった。
悪い言い方をすると、緩急を知らない、という感じでしょうか。

あの夏のおかげで、すっかり町の人気者になった歩と秋本。
町内会や、ママさんバレーにまで呼ばれる人気ぶりだったが、
歩は頑固として出場を拒否していた。
居心地のいい仲間たち、そして応援されるロミジュリ…
ハイテンションで、けれどどこか脆くて切ないこの若さに、
どっぷりはまってしまったとしたら、
きっと抜けられなくなるのではないかと思いがよぎる。
そんな歩の前に、今度は恋の試練が…果たしてメグとの恋の行方は?

例えば、この物語が完結しているのであれば、
最後までいっき読みできるようなライトさと、
面白さを兼ね備えているかもしれない。
けれども、一巻一巻発売される中、一年以上経って出たこの4巻、
果たして面白かったか?と聞かれると、面白くないのである。
なんだよ、ぜんぜん進んでいないじゃないか、と文句の方が強く、
先の興味が失われる…というのが現状だった。
今回のストーリーは色恋ざた。
あれ、いつしか見たような…と思わなくもないが、
その内容についてはとても楽しめる。
思春期の少年少女たちの心がとてもうまく描かれているし、
会話の面白さも拍手ものである。
でも、いつまでも長々と続くという印象が強く、
今回に至っては、漫才が一切ない。
ファンに快く読んでもらうには、楽しみも必要ですねぇ…
とちょっと思ったり。最終巻が出るまで読まないことにしようかな。
と思わなくもない第四巻でした。

★★★☆☆*80

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2007年11月 9日 (金)

「NO.6 #2」 あさのあつこ

NO.6  〔ナンバーシックス〕  ♯2 (講談社文庫 (あ100-2)) NO.6 〔ナンバーシックス〕 ♯2 (講談社文庫 (あ100-2))

著者:あさの あつこ
販売元:講談社
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すごい、今週毎日1冊読んでいる。いつまで続けられる事やら…。
あさのさんのこの本は1時間半で読み終わりました。
読みやすいスピード感のある文章。伝わってくる人物の心。
しかし難点なのは、話が展開しない点で。二巻です。

室内環境、勉学システム、異物探索、環境管理…
全てにおいてコントロールされた都市、NO.6。
その完全なるピラミッド社会の上層部に
エリートとして何不自由なく過ごしていたぼくだったけれど、
ある日を境にそれは瞬く間に崩れ去り、運命を変えた。
失ったものは自分以外の全部、手に入れたものはネズミという不思議な少年。

上にも書いたけれど、一番気に掛かるのは話が展開しない点で。
結局のところ、まだNO.6を脱出してから、主人公は何もしていない。
母親からメモを受け取り、昔母と円のあった男性を探し出しただけだ。
この本で主人公がしたのはただそれだけ。
それってあんまりじゃないか、と半分思いながらも、
NO.6を抜け出し揺れる主人公の心に触れ、読み手も動揺する。
規格があり、全てを画一的に記号で表すような、
機械的な街から抜け出した紫苑の気持ちが、
的確、としか言いようがない美しい言葉で表現されているのだ。
この話で難しいところは、読み手の人間が、主人公の紫苑にも、
ネズミにも共感できないという点であろう。
もしくは、私たちは両方の感情を持っているから、
それぞれの心境の波を敏感に感じ取れるとも言える。
「第三の方法」というのが、紫苑のセリフで出てくる。
それはNO.6と西ブロックの境界のにある塀を壊し、一つの国にする事。
この提案はネズミに馬鹿にされ早々に消えてしまうが、
その一つになった国こそが、読み手のいるこの世界なのだ、
と考えると、何やら滑稽で、最強の皮肉ではないか、と思えてきた。
勿論そうなるとは限らないのだけれど、それはあさのさん次第なので。
次巻も楽しみ。

★★★☆☆*84

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2007年10月23日 (火)

「ラスト・イニング」 あさのあつこ

ラスト・イニング ラスト・イニング

著者:あさの あつこ
販売元:角川グループパブリッシング
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あぁ一週間に一冊しか読めないなんて…!!ようやく読み終わりました。
「バッテリー」を貪るように読んだ貴方、是非読むべきです。
あの6巻の中途半端なラストを解決すると共に、
瑞垣というもう一人の野球に縛られる少年を楽しむことができます。

もう野球なんてやるものか。新田に屈辱的な大敗を期してから、数ヶ月。
俊二は野球を捨てた。理由なんてそんな明白なものはない。
ただ、自分は選ばれた野球に人間ではないと気付いてしまったからだ。
いつからか夢見ていたのは秀吾が大敗する姿だった。
あの、天才バッター門脇秀吾が平伏す様子を思い浮かべるだけで、
背筋がぞくぞくし、わくわくた。でも、どうだ?自分達は新田に惨敗した。
秀吾は涙を流していた。なのに俺はわくわくなんてしなかった。
初めて見た秀吾の弱さにイライラし、そして野球が嫌いになっただけだった。

そうか、あの「バッテリー」の中途半端なラストはこのためにあったのか。
そんなことをまず初めに感じた本だった。
初めに言ってしまえば、あの試合で巧は横手に大勝する。
そんな晴れがましいストーリーが待っているわけであるが、
あさのさんは、そのシーンを描かなかった。その理由。
その深い深い理由を、この本を読んで肌で感じる事が出来た。
巧と豪のためのラスト…それは、あの若さで得てしまった才能の苦しみ、
そしてまだ伸びるであろう若い力、その行方を、
さて幸ととるか不幸ととるか、またその先は明るいのか暗いのか、
若さゆえに不安が残る、自分ではどうする事も出来ない未来を描いたのだ。
正直バッテリー6巻を読んだ時、肩透かしを喰らった気がした。
あんなに葛藤し、成長してきた二人は晴れやかなラストさえ飾れないのか、
そう思ったのだが、それは大きな間違いだった。あさのさんは、
あの「バッテリー」の中であの二人を終わらせたくはなかった。
そんな思いがひしひしと伝わってくるのであった。
脱線したが、本編はと言うと話の軸はほぼ瑞垣のストーリーである。
野球に魅せられ、天才的な才能を持ち合わせた幼馴染を見てきた彼は、
それとは対照に自分は野球に選ばれない人間だと気付いてしまった。
どんなに頑張っても秀吾のようになれるはずもなく、
巧の様な球を投げられるわけでもない。そう考えた時、
「頑張る、頑張らない」の前に瑞垣は野球を捨てた。
その素っ気無いともとれる選択は、とても彼らしいかもしれない。
でもその裏側に隠された思いは計り知れず、
素直に野球を楽しめなくなった少年の大人びた心の傷を見せ付けられた。
自分の行動のために名誉を捨てた親友、いまだ伸びつづける巧の才能、
野球は自分にとって何なのか様々な思いが交錯し、胸を過ぎる。
複雑に悩み、しかし思わず「でもさ、結局お前は野球が好きなんだって」と、
肩を叩きたくなるような、そんな思いがした。
個人的には、何度も同じセリフが回るので、少し冗長な気もしたのだけれど、
そうして何度も何度も悩む思いこそが、瑞垣の、
そして野球を通して何かをやり遂げるという少年の姿なのでは、と感じた。

★★★★☆*89

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2007年10月10日 (水)

「NO.6 #1」 あさのあつこ

NO.6(ナンバーシックス)〈#1〉 (YA!ENTERTAINMENT) NO.6(ナンバーシックス)〈#1〉 (YA!ENTERTAINMENT)

著者:あさの あつこ
販売元:講談社
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近未来SFファンタジー……いやぁ、まさに私が嫌いな分野でして。
しかし、この本は随分前からすきま風さんにお薦め頂いていたので、
ここぞとばかりに借りてみました。人気でいつもないんですよねぇ図書館に。
あさのさん久しぶりでしたが、やっぱり読みやすいです。
あさのさんは只今「ラスト・イニング」も読んでおります。

室内環境、勉学システム、異物探索、環境管理…
全てにおいてコントロールされた都市、NO.6。
その完全なるピラミッド社会の上層部に
エリートとして何不自由なく過ごしていたぼくだったけれど、
ある日を境にそれは瞬く間に崩れ去り、運命を変えた。
失ったものは自分以外の全部、手に入れたものはネズミという不思議な少年。

ただ一つ残念だったのは、そんなにエリートばかり選りすぐっているなら、
主人公以外にも都市に違和感を覚える者がいても可笑しくないだろうという点。
このお話は、法哲学(実は得意分野)で言うところの、
「プロテスタント的信仰共同体」というものである。
新興宗教のように意向にそぐわない物は排除され、NO.6を追われるのだ。
統制された世の中で、まるで主人公だけか覚醒したように、
他人と違う事を考えているのは何だか不自然である。
小さな頃から英才教育を受けていたなら尚更であり、
そう言った意識を持つまでのプロセスが書かれていない。
話は主人公が覚醒した瞬間から始まっているのだから、
むしろ、そうなるために選ばれた人間なのだ、と言えなくもないが、
私は超常現象の奇跡や、偶然の連発続く小説が好きではないため、
ちょっとばかり不満が残る設定なのであった。
その他はあさのさんらしくとても楽しく読める。
SFだけれども、描写は秀逸なので、「これは何?」と思うところもない。
本当ならば高校生位の少年が背負う生と死の重み、
詰め込まれすぎた不必要な情報の虚しさ、
その何とも言えぬ思春期の複雑な内情を、SFという異世界の中にも、
きちんと存在し、血が通っているということを教えてくれた。
登場するニヒルな少年ネズミと、優秀、だけど偏った思考を持つ紫苑の、
不確かな人間模様。果たして彼は仲間なのか…?それすらも分からぬまま、
思わず足が動き出すさまをリアルに描いている。
次巻に期待~でも図書館にはなかったなぁ。予約しなくては。

★★★☆☆*84

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2007年4月 6日 (金)

「バッテリーⅥ」 あさのあつこ

バッテリー 6 (6) バッテリー 6 (6)

著者:あさの あつこ
販売元:角川書店
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すみません・・・文庫本を買ったら、
止まらなくなっちゃって最後まで読み終えてしまいました;
色んな本借りてるのに、すみません・・・次は必ずそちらを。
うーん、映画があっさりしていた分、かなりくどく感じました。
こんなに皆うじうじ悩んでいたのかと。

残すは横手との非公式試合のみ。
高校進学を決め野球を引退する三年生もいる、そんなメンバーが、
最後に一度だけ試合をする事を許された。
巧と豪の新生バッテリーの苦悩、卒業する者の思い、
レギュラーで試合に出れない悔しさ、天才・巧の猛球への恐怖と期待。
それぞれの思いを胸に、今最後の試合が始まる。

え?最後どうなったの?
と言うのが一言目の感想でした。なんだが文章の流れからして、
門脇に打たれたような感じがしたのですが、どうだったのでしょうか。
名前を呼ばれたってことは打たれてないんだよね?
爽やかでスッキリしたラストを考えていたので、
ちょっと肩透かしを食らった感じです。
いや、十分爽やかではあったのですけれどもね。
何となく、こう映画のイメージが強くて、巧のお母さんが、
「ガンバレ、ガンバレ、た、く、み」みたいな声援があるのか?
と期待していただけに、そうゆう思いが強かったように思います。
それにしても、やっぱりあさのさんはこの交差する少年達の思いを、
見事に描いているよなぁと感心しました。
文章を読むだけで、まるで映像を見ているように分かるのです。
そして、そこで動く登場人物たちが、何に悩み、戸惑い、焦っているのか、
とても明確に、それでいて曖昧に淡く滲ませながら伝えてくれます。
「豪がキャッチャーじゃなくてもいい」
他の子たちの思いもよかったですが、
私は一番巧のそんな言葉に心が温まりました。
「豪がキャッチャーじゃなくても、俺は投げる」という意味ではなく、
「豪はキャッチャーじゃなくても、傍にいてくれればいい」
そんな巧には珍しい素直な気持ちを、
伝えようと頑張っている姿がとても好きでした。
バッテリーとしてではなく、友達、親友として・・・。
願わくば、映画のような感動のラストを・・・って感じでしたが、
そんな事を差し引いて、物語りに引き込んでくれるあさのさんの力には、
感服でございます。6巻長かったなぁ、でも同時に読んで良かった、
楽しかったと思える本でした。是非、まとめてお読みになってみて下さい。

★★★★☆*89

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2007年3月21日 (水)

「ありふれた風景画」 あさのあつこ

ありふれた風景画 ありふれた風景画

著者:あさの あつこ
販売元:文藝春秋
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結局のところは同性愛ですか?
とちょっと煮え切らなかったあさのさんでした。
内容は「ガールズブルー」的な感じで、他人から非難される子供が、
それでも頑張って生きようとする、と言う感じです。

男を誘惑するのが趣味なんでしょう?
そんな噂を流される少女・琉璃はようやく本当の恋を見つけた。
その相手は黒髪が美しく、眼鏡の奥に輝く瞳が神秘的な周子だった。
そう、相手は女の子。
お互いに惹かれあう2人の前で他人の目などは関係ない。
同姓を愛してしまう事は何も悪い事ではないのだから。

うーん。微妙でした。いや、でもとても清々しく纏まっていて、
同性愛(女同士)でありながら、さっぱりとした仕上がりでした。
踏み出してはいけない壁だけど、自分の中にある本能が、
それを求めてしまうし、一般的に普通ではない。
しかし、私たちは何も悪いことしていないじゃないか、
そう言う訴えをひしひしと感じ、その若さゆえのパワーがとても良かったです。
が、しかし。何となく女どうしてもいいじゃないか、
と読者に思わせるために、ちょっとこじ付けがましいのでは?と
思う場面が少しあったりしました。
例えば、主人公琉璃の両親が離婚の危機であること。
これには、どうせ異性同士でも上手くいかないじゃん、
結局は気持ちなのよ、と言う見せつける題材の様に感じてしまい、
うーん・・・と悩むところでした。
後は洋祐もどうなんだろう、冤罪に怯えてしまうのは本当の愛ではない?
と言いたかったのだろうか、私の理解力不足かと思いますが、
何とも疑問点が多かったです。
でも、これが例えば純愛で、初々しい感じで、と繋がるのであれば、
真っ直ぐに受け止められたのかも・・・。
と言う事は、私は同性愛を差別しているのか?と言う所に直面しますね。
いや、そんな事は無いです。全くもって。

★★★☆☆*83

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2006年11月24日 (金)

「ガールズ・ブルー」 あさのあつこ

ガールズ・ブルー ガールズ・ブルー

著者:あさの あつこ
販売元:文藝春秋
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ちょっとあさのさんにしては終りが呆気ない。
うーん「バッテリー」や「The MANZAI」が衝撃的だったからか、
今回はある意味、普通の話。ある意味、一般的現代児童小説。
そしてとても個人的なことですが、何だか昔読んだ気がした。
読んだのかな、私・・・読んだのかな・・・;(記憶が無い

自分大好きなあたし・理穂に、生まれながら病弱なくせに超勝気な幼馴染・美咲、
それに兄貴がエリート野球選手の如月、その他もろもろの楽しいメンバー。
私たちの通う高校は県内有数の掃き溜め高校で偏差値もめちゃくちゃ低い。
勉強は大嫌いで、遊ぶの大好きで、おまけに夢もなく、行く先不安定。
そんな高校生は世間からは疎まれ、非難の声を浴びるけど、
でも本当は大人が思っているより、私たちは勉強以外は優秀なのだ。
他人を羨んで文句を垂れるより、今この時を楽しみたい!そんな話。

新聞に載ったおばさんの投書のように、
「学力より豊かな心が必要」だなんて臭い言葉は現代の子供には意味は無い。
今の子供は柄が悪いと言われ続け、ガラが悪いと言うのは、
髪を染めてて、スカートが短くて、コンビニにたむろしてぎゃあぎゃあ騒いで・・
と、こんな行動をするヤツらの事だ、と定義づけられている。
大人が決めるそんな型にはめられて、ガラが悪いんだから、
援助交際してるんじゃない?とか、煙草吸ってるんじゃない?とか、
そんな決め付けは真っ平ごめんだ、と強がる理穂たちの様子が現実味があった。
皆がそれぞれに成長し、問題を抱えていて、でも型に当てはめて
非難しているだけの大人なんて、私たちの中身を見てくれて無いでしょう?
と現代の家庭や学校の教育問題の重要さを暗に指している。
さすがはあさのさんですが、友情関係もしかり。
親友と呼びたくないと言う美咲への親友よりも深い愛情が素敵です。
「美咲が抜け落ちてしまったら、何が残る?」
理穂が自分に問いかけた切ない気持ちと、生物はいつかは死ぬと言う決定事項。
そこを深刻に考えたいけど、考えなくちゃいけないって判ってるけど、
17歳の今だけは、生きると言う事だけを考えてもいいですか?
と言う若々しい訴えが響いている。
でも・・・ちょっと話が平坦かなぁ。猫事件も曖昧だし。
第一睦月はこのまま終わっていいのか?!とちょっと疼いたり。笑
是非若いうちに。

★★★☆☆*84

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2006年10月10日 (火)

「The MANZAI 3」 あさのあつこ

The MANZAI〈3〉 The MANZAI〈3〉

著者:あさの あつこ
販売元:ジャイブ
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あさのワールド炸裂、第三巻目。
なんだか凄い方向になってゆく感・・・思い出すのは
「バッテリー」の「姫さん」・・・!!笑。今回は「あゆむ~」に大ウケ。
可愛いわぁ~とか思っちゃうのは年とったせいかしら?
あさのさんは可愛い男の子を書くのがとっても上手くて、
胸キュンですね(死語)今風?に「キュン死に」とか言っておきましょうか。

夏祭りのステージで漫才をやる事になった歩と秋山。
同時期に何かを我慢すようにメグの様子がおかしくなっていた。
出場が決まってからもそれを拒みつづける歩だったが、
メグの事が気にかかり、ついには皆を笑わせるために(特にメグを)
漫才をやってやろうじゃないの!と気合を入れる。

3巻目だけあってか、ボケ満載のツッコミ満載。
しかもカップル誕生・・・!とか色々盛りだくさん。
一番受けたのは、高原が、
「おれのことを下心の帝王と呼んでくれ」といったところ。
思わず電車内で吹き出しそうになる危険な感じでした。笑
もうねぇ愛は盲目っていいますから、
そう言うところがしっかり過ぎるほど描かれています。
後は「バッテリー」の時もそうだったのですが、
相方・秋山のミステリアス加減倍増。優しいのですけれども、
バッテリーの豪の時みたいに豪の言葉で書かれた文章がないので、どうしてもね。
いい感じです、いい感じ。
再婚話とか、恋話とか盛りだくさんで結構漫才そっちのけですけど。笑
きっと次の巻ではロミジュリデビューを果たすでしょう、期待してます。
楽しみだ。
是非1、2巻の後に。

★★★★☆*96

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2006年10月 5日 (木)

「The MANZAI 2」 あさのあつこ

The MANZAI 2 The MANZAI 2

著者:あさの あつこ
販売元:ジャイブ
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ダメでした・・・あさのさんの誘惑に負けた。笑
「バッテリー」に引き続き、また止められなくなり一気読み。
面白い、面白すぎるよ歩君。
あとがきで知ったのですが、あさのさんの娘さんは20歳らしいです。
え?って事はあさのさんうちの母親ぐらいの年だったのか、と衝撃。
だってこんな生き生きした文章を書けるお母さんなんて素敵ですってば。

学校際での劇、「ロミオとジュリエット~ほんまはあんたがアホやねん」
を無事成功(?)させ、ひと段落ついた頃、
歩むは人を楽しませると言う喜びを知ってしまう。
そんな時、校内一の美女・メグへの嫌がらせやホームレス暴行事件が発生し、
歩むは喜来を疑い始める。疑っちゃいけないのに、疑ってしまう。
そんな歩の葛藤の心理表現がとても素敵です。
歩は今まで殻に閉じ篭っていたから、
秋本の様にずかずかと心に入って来るなんて許せない。
だから漫才なんてやりたくない。そう口で言っているくせに、
あの学校祭で覚えた快感が頭を過ぎり、躊躇する。
何もかもを考え過ぎてしまう歩が少しかわいそうに思う。
多分心の中には嫌世的なところがある反面、
もしも僕があいつだったら、と他人のことばかり考え、
その上自分の出来の悪さに自己嫌悪している。
でもそう言う気持ちは人の心の中にきっとある物ではないだろうか。
人を傷つけてしまった時や何かを失ってしまった時、きっとある物だと思います。
人は何かに傷つき何かに悩んでいる。
だけど、大勢で話をする事は楽しいしかけがいのない物だ。
わいわい騒いでいる時の笑顔の様に、
漫才で本当の笑いを見つけたっていいじゃない。
あさのさんが言いたいのはそんなところかな。(1巻のときにも書いたかも;)
今回はそれプラス「他人を疑ってしまいそうな時」と言う話題。
自分はダメなんだ、って決め付けるけど、
歩に助けられる人だっているんだから、気づきなさいよ。って感じです。
あぁもう本当いい話。
是非読め!の一冊です。1巻の後にどうぞ。

★★★★☆*96

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