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2013年1月 6日 (日)

「溺れる獣と甘い罠 1」 松崎真帆

20130106_2
スマホで読める電子書籍サイト「エブリスタ」で人気を集めて、
満を持して書籍化された本です。電子書籍から紙媒体に!何だか
それも悪くない気がします。2巻も話が続くようで、まだ話の途中。
内容は恋愛小説というか、女性向け大人の小説というか、そんな所。

広告制作会社で働く羽村澪。彼女の密かな癒しは、取引先の憧れ
のキミ・神谷響への淡い想いだった。しかし、完璧超人の皮を
被った同期のオレサマ・長瀬恭にその秘密を知られ、体の関係まで
持つことに。一方、憧れの神谷からもアプローチを受けた澪。
甘く意地悪な悪魔・長瀬と、クールで優しい王子様・神谷の間で
戸惑い、揺れ、迷う。好きじゃないのに、愛しい。好きなだけ
なのに、苦しい。澪の結論は…。(amazonより)

そもそも、わたしは恋愛小説が嫌いなんです(断言)が、その
理由の一つとして、市川拓司などが挙げられます。市川さんの文章
自体が苦手というよりは、「恋愛小説なんだからこういう気持ちに
なるの分かるでしょ」的なラブストーリーが性に合わないようです。
恋愛小説というのは、恋愛をしたことがない人をさせたい気分に
するように書くか、恋愛に疲れた人に、疲れますよね分かります的
に書くのが親切ではないかと思うのです。恋愛している最中の人は、
自分の恋愛に満足している状況なわけで、問題はその他の方々では
ないか、と思うからです。話がだいぶそれましたが、この本は、
大人の女性が読みたい淫らな描写のある、「少女コミック」を
文章化したような本でした。物語の内容はズバリ恋とセックス。
それ以外の何者でもありません。いつも純文学と呼ばれる本を多数
読んでいる人間としては、恋とセックスのために仕方なく物語が
進んでいる感がどうもいなめない気分になりました。どこか、連続
ドラマのシナリオを読んでいる気分になるのです。恋とセックスの
ために、脚色はない。しかし、文章は読みやすく、とても惹きこまれ、
世の中の女性は、そうまさにこういうありそうでありえない、
非現実的でさっくりとした物語を求めているんだろうな、なんて、
思ったりもしました。小説は読まないけど、少女漫画は読む、
なんていう女性には、活字に触れてもらういい機会のようにも感じます。
続きが気になるので(気になるという時点で面白い証拠ですが)、
もちろん2巻目も読みますが、読み終わった後に「で?」という
感情が浮かばないことを願うばかりです。読みやすくていい文体
なので、この何とも言えない深みのなさにもどかしさを覚えます。
しかし、これが世の中の大半の人が求めているものなのかもしれない。
それにしても、ここでも「オレサマ」キャラ登場。草食男子では
煮え切らない女子が起こした流行でしょうか。

★★★★☆*87

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