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2013年1月

2013年1月21日 (月)

「清く! 正しく! 潔く!」 真中みこと

清く! 正しく! 潔く! ? 1 (Ray文庫)

        真中 みこと 主婦の友社 2012-11-29
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こちらもエブリスタより。面白かったので二巻続けて読み終わりましたが、
何ともいえない「デジャヴ」な感じが否めない小説でした。何のデジャヴ
かって? 少女漫画「はぴまり」の。微妙な設定やキャラの性格は違う
ものの、これがウケるってことは、世の中の女性が求めるのはコレかと。

川岸菊乃、28歳。そろそろ結婚を焦りはじめるお年頃。ところが、
結婚を約束していた恋人が浮気、そして破局……。結婚はしたいけれど、
また1から始める恋になかなか積極的になれない。そんな菊乃の元へ、
心配した両親からはお見合い写真が届く日々。「知りもしない人と
結婚なんて、絶っ対、嫌! ! 」。いい加減うんざりしてそう突っぱ
ねる菊乃に、「それじゃあ、私と結婚しましょう。知っている相手
なら文句はありませんよね」と名乗り出たのは、“冷酷メガネ"と
恐れられ、菊乃が苦手とする上司、有沢清吾だった。……って、
そういう事じゃないんですけど! !菊乃の知らないところで、どんどん
進んでいく結婚話。マイナスから始まった出会い、そして、いきなり
の夫婦生活! ?二人の結婚生活はどーなる?

唐突ですか、この本は二巻の方が面白いです。一巻はとってつけたような
恋愛漫画にありがちな、「ありえないと思っていた男と結婚して
実はいい恋愛に発展する」というものでした。「エブリスタ」という
小説投稿サイトの関係上か、素人作家が延ばし延ばし書いている印象
があり、ストーリーを最後まで詳細に考えずに書き始めた感がありました。
その点二巻目は、自分が書いているキャラの個性を引き立てようと、
弟やその他の旧友などが登場し、人物像がようやく浮かび上がってきた
ような気がしました。恋愛漫画にありがちな、二人だけでラブラブ、
というような話は、小説ではぞっとするほどつまらない事が分かります。
(だからこの本は二巻目まで読んだほうがいいです)ところで、
この菊乃さんが結婚することになった「冷酷メガネ」さんですが、
読んでいてもどうも冷酷メガネっぽくありません。彼は冷酷メガネで、
という記述があるだけで、どのような事をするから冷酷メガネとして
恐れられているのか、という深みがあったら、もっと面白かったろうに、
なんて思いました。しかしながら、ベタでありがちな恋愛小説をつい
読んでしまうのは、最後は絶対にハッピーエンドで終わる、という
暗黙の了解があるからだとも思いました。間違っても、夫が途中で
死ぬなんてことは、恋愛小説ではないのです。安心、安心。

★★★★☆*86

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2013年1月 8日 (火)

■雑談:明けています、おめでとうございます

毎年の事ながら、明けております、おめでとうございます。
ご挨拶が遅れまして、いつも来てくださる皆さま、
申し訳ありません。今年もどうか、よろしくお願いいたします。

そういえば、映画もたくさん観ているのですが、
感想をまったく書いておりません。

小説よりもさらに何を観たか思い出せませんけども、
「KAMIKAZE TAX」がやけに印象に残っています。

特に観ようと思って観たわけでもない、
だいぶ残酷な映画なんですけど。
しかも役所広司がペルー人役、という奇妙さ。
でも一見の価値ありです。

***

ところで、このブログの谷川俊太郎の「定義」
感想のページがやたら検索でヒットしているようです。


今年の冬休みの課題図書か何かですかね?
そろそろ休みも終わりか。学生の皆さん宿題頑張って。

ところで、「定義」 はとてもいい本なので、
ぜひ皆さん読んでみてくださいね。
詩集です。

今では柔らかい詩を書く谷川さんですが、
こんなツンツン堅いときもあったんです、的な本です。
他の谷川詩集ももちろんお薦めです。

こちら→ 谷川俊太郎の詩集いろいろ感想ページ

いつも来てくださり、どうもありがとうございます。

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2013年1月 7日 (月)

「残り全部バケーション」 伊坂幸太郎

20130107_1
この本は震災後に書かれたんでしょうか?「PK」の時のあとがきで、
「PK」は震災前に書いたもので、今は書けない。今後書く気になれるか
不安になるくらいの衝撃を受けたため、作家活動どうしよう的な
事が書かれていた気がする。とりあえず再開おめでとうございます。

夫の浮気が原因で離婚する夫婦と、その一人娘。ひょんなことから、
「家族解散前の思い出」として〈岡田〉と名乗る男とドライブする
ことに──(第一章「残り全部バケーション」)他、五章構成の連作集。
(amazonより)

震災があった後初めて本屋に行ったときに、まず思い浮かんだ事は、
伊坂さんは無事だろうか、ということでした。伊坂さんと言えば仙台。
出身は千葉なのに仙台を愛し、仙台を舞台にしか本を書かない、
という何とも奇特な作家として印象的でもあったからです。だから
「PK」が出たときは、震災的な内容を含んだ内容だろうか、と期待した
けれど、あとがきには、「これは震災前に書いたもの」とはっきり
明記されていました。今はこんな話は書けない、と。そうした壮絶な
空白期間を経てのこの本ですが、正直復帰おめでとうと言いつつ、
「伊坂幸太郎」を初めて読もうと思ってこれを手に取ったら、二冊目は
読まない人が多いだろうなと思ったのも一つの感想ではありました。
なんとなく「グラスホッパー」や「マリアビートル」的なイメージを
受けるのですが、グラスホッパーのカマキリ的なキレもなければ、
蜂のような鋭さもない。ゆるゆるな感じは、「ポテチ」のようでもある
けども、ゆるい感じに思いっきり浸れている訳でもない。
「この本を読んでいる間だけは、嫌なことを考えないでいられるような本
を届けたい」というような言葉がどこかに書かれていたが、そこまで
惹きつけられませんでした。この本は、「物事は、一人ひとり役割が
あり、役割以外の事は行わなくていいのだ」ということが強調されてい
ます。また、辛いことがあっても「これが一番のどん底であり
(死んだとでも思って)残りの人生は全部バケーションとでも思い、
のんびり過ごそうぜ」と。死んだと思って、無謀なことに挑戦してみる
事を選ぼうと。しかし、いまひとつそれらの内容が合致したストーリー
になっておらず、「岡田」の存在がふわふわと、何が言いたいのか
分からないものになっていました。悪いことをする人の悪意を、誰にも
悟られないようにもみ消す善人を描きたかったのか。よく分からん。
とりあえず、この本を「伊坂幸太郎」として一番最初に読むのはやめた
方がいいのは確かです。何が言いたかったんだろう、本当に。
それが分からなかった自分にも残念。「残り全部バケーション」という
割りに、「バケーション感」をもっと出してほしかった。もっと晴れやかな
ガッツポーズでまた、「陽気なギャング」書いちゃってくださいよ伊坂さん。
次回も期待しています。ふっきれるその日を復興と共に期待しています。

★★☆☆☆*73

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2013年1月 6日 (日)

「溺れる獣と甘い罠 1」 松崎真帆

20130106_2
スマホで読める電子書籍サイト「エブリスタ」で人気を集めて、
満を持して書籍化された本です。電子書籍から紙媒体に!何だか
それも悪くない気がします。2巻も話が続くようで、まだ話の途中。
内容は恋愛小説というか、女性向け大人の小説というか、そんな所。

広告制作会社で働く羽村澪。彼女の密かな癒しは、取引先の憧れ
のキミ・神谷響への淡い想いだった。しかし、完璧超人の皮を
被った同期のオレサマ・長瀬恭にその秘密を知られ、体の関係まで
持つことに。一方、憧れの神谷からもアプローチを受けた澪。
甘く意地悪な悪魔・長瀬と、クールで優しい王子様・神谷の間で
戸惑い、揺れ、迷う。好きじゃないのに、愛しい。好きなだけ
なのに、苦しい。澪の結論は…。(amazonより)

そもそも、わたしは恋愛小説が嫌いなんです(断言)が、その
理由の一つとして、市川拓司などが挙げられます。市川さんの文章
自体が苦手というよりは、「恋愛小説なんだからこういう気持ちに
なるの分かるでしょ」的なラブストーリーが性に合わないようです。
恋愛小説というのは、恋愛をしたことがない人をさせたい気分に
するように書くか、恋愛に疲れた人に、疲れますよね分かります的
に書くのが親切ではないかと思うのです。恋愛している最中の人は、
自分の恋愛に満足している状況なわけで、問題はその他の方々では
ないか、と思うからです。話がだいぶそれましたが、この本は、
大人の女性が読みたい淫らな描写のある、「少女コミック」を
文章化したような本でした。物語の内容はズバリ恋とセックス。
それ以外の何者でもありません。いつも純文学と呼ばれる本を多数
読んでいる人間としては、恋とセックスのために仕方なく物語が
進んでいる感がどうもいなめない気分になりました。どこか、連続
ドラマのシナリオを読んでいる気分になるのです。恋とセックスの
ために、脚色はない。しかし、文章は読みやすく、とても惹きこまれ、
世の中の女性は、そうまさにこういうありそうでありえない、
非現実的でさっくりとした物語を求めているんだろうな、なんて、
思ったりもしました。小説は読まないけど、少女漫画は読む、
なんていう女性には、活字に触れてもらういい機会のようにも感じます。
続きが気になるので(気になるという時点で面白い証拠ですが)、
もちろん2巻目も読みますが、読み終わった後に「で?」という
感情が浮かばないことを願うばかりです。読みやすくていい文体
なので、この何とも言えない深みのなさにもどかしさを覚えます。
しかし、これが世の中の大半の人が求めているものなのかもしれない。
それにしても、ここでも「オレサマ」キャラ登場。草食男子では
煮え切らない女子が起こした流行でしょうか。

★★★★☆*87

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2013年1月 5日 (土)

「0能者ミナト〈5〉」 葉山透

20130106_1
よっ!待ってました葉山さん。新刊出てると気づいてなくて、
本屋で見かけて手に取ったときは叫びそうになりました。ああ、
こんなにも「待ってました」と思わせてくれる、ただそれだけで
幸せです。ありがとごうございます。6巻も引き続き待ってます。

完璧な降霊術で人を集める『彼岸の会』。天性の法力を持つユウキは
直感し、降霊術がまやかしだと糾弾する。だが、主催者の士道骸に
手玉に取られてしまうのだった。この男、総本山から野に下った
切れ者で、まったく隙がない。かくして、業界ではいかさま師と
揶揄される湊の出番である。0能者対詐欺師の稀に見る攻防は、
騙し合いの熾烈な駆け引きへと発展していく。霊を降ろしている
様子はないのに、霊と完璧に対話してみせる。その矛盾を湊は
どう解体してみせるのか。(amazonより)

そもそも周りに本を読んでいる友人がいないので、さらに電撃文庫
ともなると(今はメディアワークス文庫)さらに読んでいる人の
幅が狭まって、いまだかつてこの「0能者ミナト」の面白さについて
語れた人はおりません。しくしく。声を大にして言いますが、皆さん
とても面白いので、是非読んでくださいませ。5巻目でも衰えない、
6巻目も期待してます感は、いまだかつてないような気がします。
「キノの旅」も結局途中で飽きてしまったし、「ブギーポップ」も
同様。さて、話は本の感想に戻しますが、今回は湊の出番が少なく、
個人的にとても物足りなさを感じました。ユウキたち二人の成長と
とるべきなのかもしれませんが、湊不在の推理劇は何とも後味が
悪く、湊がいたらもっとスマートに終われたのに!毒舌が恋しい。
と思ったのでした。しかし、毒舌が恋しいと思わせるのがそもそも
葉山さんの狙いだったのではないか、と思うとまんまとひっかかった
気分にもなります。続いての『彼岸の会』の話では、すぐに解決
出来そうなのに、出来ないもどかしさと、最終的に「湊が存在する
だけで妖怪が自ら滅する」という無能なのに、最強という圧倒的
存在感を見せ付けられ、ああ、オレサマ、湊様と思いました(笑)
ところで、あとがきを読むと分かりますが、葉山さんはいつも
電撃文庫では珍しく、真面目でまともな事を書かれているのですが、
そんな人の中から、この底意地が悪く毒舌キャラ湊が生まれ動いて
いるのかと思うと、ますます面白くなるのでした。あと、そうそう、
この本置いてない本屋さん多いですけどね、店員さんに言っておきます。
絶対売れますから、置いてください。そのうちアニメ化するんじゃない。

★★★★☆*88

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