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2012年10月

2012年10月31日 (水)

「ブラを捨て旅に出よう」 歩りえこ

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あとから知ったことですが、書いている方はグラビアアイドル。
なるほど、写真もだいぶ「キレイ」に撮られていて、自分を美しく
写そうということに力を入れられた本でありました。でもそれって……。
しかしながら、旅行の楽しさを教えてくれる本です。一読の価値有り。

うら若き乙女が2年間をかけほぼ世界一周、5大陸90ヵ国を旅した。
かけた費用はたったの150万円という、想像を絶するチョー貧乏旅行。
襲われたり、盗まれたり、ストーカーされたり、危険だらけの旅のなかで、
著者が出会った人情と笑いとロマンスとは!?読むだけで元気が出る
型破り旅行記。文庫書下ろし。(Amazonより)

世界中の国を旅してみたい!……とまったく思わないわたしであります。
もちろん興味はあるし、行ってみたいという気持ちはあるのですが、
こうしてのんべんだらりと日本で暮らしていると、その一歩を踏み出す
力が衰えているような気分になります。それはどこの国にいても同じ事
を考える物なのだろうか?異国の情緒にふけるというか。なんというか。
この本を書かれている方は、日本を捨てずに、海外の国をつまみ食いして
いる印象が深かった本でした。斜に構えた言い方をすれば、少し海外を
馬鹿にしているような印象もありました。日本人は体臭がなくいい、
というような文章が出てくるのですが、そうした言葉の端々に、疑問を
少しばかり感じたりしました。確かに日本は衛生的で、発展している国
なのかもしれませんが、そしてそこで生まれ育ったわたしたちは、悪臭に
耐えかねるのかもしれませんが、それを卑下するような物言いは、あまり
よろしくないように感じました。なぜか、世界を感じ得ないからです。
日本から離れず、他の国を見て回る、というのはいい面もあれば、
絶対に他の国には染まらないという、微妙な意識の差があるように
感じるのでした。しかしながら、旅をしたくなる本でした。最近の若者の
女子が読んだら、なお一層共感を得られるのではないでしょうか。
まったく海外旅行にいく熱意をもっていなかったわたしが、韓国くらい
なら行ってみようかしら、なんて思いました。あとはいつかまあ
ブータンに行きたい。誰か連れて行ってくださいませ。

★★★★☆*84

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2012年10月20日 (土)

「9S ナインエス <1>」 葉山透

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読書感想文再開します!宣言。長らく書いたり書かなかったりを繰り返して
おりましたが、また再開することをここに誓います。今までよりも
感想が短かったりするかもしれませんが、本を読み感想を記すということを
わたしはやめられないのだ、やりたくて仕方がないと気づいたのです。

かつて「狂気の天才」と呼ばれた一人の科学者がいた。彼が残した
驚異の発明は「遺産」と呼ばれ、それを求める国家や組織は、
今でも後を絶たない―。そして現在。海上に浮かぶ循環環境施設
スフィアラボが、施設内の「遺産」を狙った武装集団により占拠される。
制圧には困難が予想される中、切り札として召集されたのは拘束具に
身を戒められた奇妙な少女だった!「遺産」を熟知する天才的な頭脳に、
誰もが心奪われる美貌。その正体とは一体…。ついに解き放たれた謎の
少女と兇暴なテロリストの壮絶な闘いが今、始まる!
電撃が贈る鮮烈なハードアクション。(Amazonより)

「0能者ミナト」が近年稀に見ぬ面白さだったので、初期作も期待して
読んだのですがわたしにはイマイチでした。アマゾンではかなり高評価
のようなので、単に好みの問題かもしれません。ちなみにこの本は絶版
しておるらしく、手に入れるのがかなり大変でした。本屋を11軒ほど
まわり……苦労して手に入れた割には、それほどでもなく、少し残念
でしたが、むしろ11軒まわってまでも本を手に入れたいという、
本好きならではの好奇心というか、感情の高ぶりを、思い出させてくれた
本でした。ちなみに、秋葉原の書泉に売っていました。あそこの
ライトノベル品揃えは神です。ところで、内容はというと、IT駆使系。
脳内の思考回路をプログラミングしたり、それによってテロを起こす
ような物語。このシリーズは続巻がかなり出ているので、登場人物の
出会いの馴れ初めがメインとなっています。「0能者ミナト」のときも
思ったのですが、葉山さんは、馴れ初め話がクドイです。いい意味でも
悪い意味でも。馴れ初めがしっかりしているから、続巻の2巻以降に
面白みが出ていいのだと思いますが、1巻からがっつり馴れ初め……
というのは、シリーズものの掴みとしては、どうなのか?と思わなくもなく
(というか1巻しか出さないつもりだったら仕方がないのだが)
1巻は楽しく面白く過ぎ、2巻以降に実は彼らの出会いはね……と
続けた方が、ウケがいいような気がしてならないのでした。これも単に
好みの問題かも知れません。文章はとても読みやすく、ファンタジーを
書くために生まれた作家だと痛感します。面白み溢れるよい文体です。

★★★☆☆*83

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2012年10月19日 (金)

「天切り松闇がたり 闇の花道」 浅田次郎

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時間がないので、面白い小説だけ教えてください、と最近心から
思います。しかしながら、面白い本ばかりを読んでいると、
詰まらない本をひいひい言いながら読んでいたころがとても懐かし
く思えてきて、それこそが小説の面白さを生み出している気がする。

夜更けの留置場に現れた、その不思議な老人は六尺四方にしか
聞こえないという夜盗の声音「闇がたり」で、遙かな昔を物語り
始めた―。時は大正ロマン華やかなりし頃、帝都に名を馳せた義賊
「目細の安吉」一家。盗られて困らぬ天下のお宝だけを狙い、
貧しい人々には救いの手をさしのべる。義理と人情に命を賭けた、
粋でいなせな怪盗たちの胸のすく大活躍を描く傑作悪漢小説
シリーズ第一弾。 (Amazonより)

時間がないので面白い小説が読みたい、と友人にリクエストした
ところ、この本を紹介された。今更浅田次郎かい、と思いつつ読了。
なるほど浅田次郎である。物語は明治から大正にかけて、
文明開化の広がる日本が舞台だ。登場人物は、すべて悪人。
金持ちから金をまきあげ、貧乏人に金をめぐらせる。世の必要悪と
呼ばれる人たちの物語だ。この本から感じるのは、ありそうで、
なかった人情。……いや、あるんだけど、とてもよい部分だけを
選りすぐった人情、ともいえるか。そもそも時代物の小説など
ごまんとあり、似たような話をどこかで読んだような気もするのだが、
その粋な感じがとても光る物語だった。かといって記憶に鮮烈に
残るほど斬新か、と聞かれれば、そうでもないのだが。いつしか、
独房で松蔵の声に耳を傾ける囚人達のわくわくした気持ちが分かる
のは、話に見せられている証拠だろう。ところで、一巻の解説でも
書いてあるのだが、昔話を始める松蔵は、その物語の主人公でもある。
俺の昔話を聞かせてやるぜ、とばかりに話し始める松蔵の態度が、
最初とても気に食わない。笑 なんだってそんなに偉そうに話され
なくてはならないんだ、と思うのだけれど、こちらもいつしか
で、先はどうなったんだい?とわくわくした気持ちになっているのは、
松蔵の思う壺である。自分をひけらかすのではなく、自分という
定点カメラから伝える兄兄妹の様子は、話の中でも映える偉人達
なのである。定番物としては外れないが、これぞ、とならないのは
なぜだろう……と思うシリーズ第一弾。タイトルのせいかしら。

★★★★★*90

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「月と雷」 角田光代

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角田さん何冊目かしら、40冊超えたかしら……今回も詰まらない
気がすると思いつつついついハードカバーで購入してしまう角田さん
の魔力をひしひしと感じた本でした。つい買ってしまうのです。つい。
そしてこの本もあまり面白くなかったのですけれども。

不意の出会いはありうべき未来を変えてしまうのか。
ふつうの家庭、すこやかなる恋人、まっとうな母親像…
「かくあるべし」からはみ出した30代の選択は。最新長篇小説。
(Amazonより)

この本がどうも群像じみていて納得できない気分になるのが、
母の存在がとても極端すぎるからだと思う。もし母がもう少し
まともで普通の人間で描かれていたとしたら、もう少しまともな
本になっていような気がするのだが、この母の存在によって、
「こんな人いないと思う……」と否定的な気分になるのだった。
宿無しでもいきていけるような、もしくは誰かに寄生していないと
生きていけないような人物を角田さんはうまく描く。とくに絶妙
なのが、宿無しで生きている人間が、ふと自分自身を振り返り、
「わたしのこんな生き方はいいのだろうか」と思いたつ瞬間の
身のすくむ感じが、なんとも角田さんらしく上手いのだった。
こんな生き方でいいのか、と思う人は、「こんな生き方」をして
しまった人であって、したことがない人は書けないのである。
極端な道の一番端までいったときに気づく、身のすくむ思いは、
だから、ここまで極端に書かなくても、相手に伝える手段がある
はずである。角田さんなら、それを知っているはずなのだが。
この本はなんとも極端すぎる、それに尽きるのだった。最後子供が
生まれるところには、とても希望的な気持ちを抱けるのでいい。
最近角田さんは出産話が多いような気がするが、それだけ幸せなの
だろうか。子供が生まれる転機。離婚話の苛立ちより素敵である。

★★☆☆☆*77

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2012年10月18日 (木)

■雑談:今年もあと3ヶ月を切りまして

読書記録更新しました。
→ *読了本(608)

最近のヒットは「0能者ミナト」と「六つの星星」でした。

いつもお越しくださりどうもありがとうございます。

657 12.09.30 ★★★★☆*83 「脳には妙なクセがある」 池谷裕二
656 12.09.20 ★★★★☆*88 「ヘヴン」 川上未映子
655 12.09.09 ★★★★☆*87 「0能者ミナト〈4〉」 葉山透
654 12.09.08 ★★★★★*96 「六つの星星」 川上未映子
653 12.09.07 ★★★★★*93 「知と愛」 ヘッセ
652 12.09.06 ★★★★★*95 「0能者ミナト〈3〉」 葉山透
651 12.09.05 ★★★★★*95 「0能者ミナト〈2〉」 葉山透
650 12.09.04 ★★★★☆*87 「0能者ミナト」 葉山透
649 12.08.28 ★★★★☆*88 「岸辺の旅」 湯本香樹実
648 12.08.24 ★★☆☆☆*70 「愛がなんだ」 角田光代
647 12.07.01 ★★★★☆*87 「太陽は動かない」 吉田修一
646 12.06.12 ★★☆☆☆*70 「森に眠る魚」 角田光代
645 12.06.11 ★★★★☆*86 「これからはあるくのだ」 角田光代
644 12.06.10 ★★★★☆*88 「聞く力―心をひらく35のヒント」 阿川佐和子
643 12.06.07 ★★★★☆*86 「置かれた場所で咲きなさい」 渡辺和子
642 12.05.12 ★★★☆☆*83 「悲しき熱帯」 村上龍
641 12.05.06 ★★★★☆*89 「文鳥・夢十夜」 夏目漱石
640 12.05.02 ★★★★☆*88 「風の歌を聴け」 村上春樹
639 12.04.28 ★★★☆☆*83 「おめでとう」 川上弘美
638 12.04.27 ★★★★☆*87 「模倣犯1」 宮部みゆき
637 12.04.26 ★★★★☆*87 「しあわせのねだん」 角田光代
636 12.04.20 ★★★★☆*87 「憂鬱でなければ、仕事じゃない」 見城 徹,藤田 晋
635 12.04.13 ★★★☆☆*80 「舟を編む」 三浦しをん
634 12.04.02 ★★★★★*95 「シアター!2」 有川浩
633 12.04.01 ★★★★★*93 「シアター! 」 有川浩
632 12.03.30 ★★★★★*90 「猫弁」 大山淳子
631 12.03.27 ★★★★★*93 「ふじこさん」 大島真寿美
630 12.03.26 ★★★☆☆*87 「PK」 伊坂幸太郎
629 12.03.25 ★★★★☆*90 「桜の森の満開の下」 坂口安吾
628 12.03.24 ★★★★☆*90 「堕落論」 坂口安吾
627 12.03.23 ★★★★☆*90 「新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか」 上杉隆
626 12.03.22 ★★★☆☆*80「虚空の逆マトリクス」 森博嗣
625 12.03.05 ★★★★☆*86 「孤独」 北野武
624 12.03.04 ★★★★★*95 「ダンス・ダンス・ダンス(下)」 村上春樹
623 12.03.03 ★★★★☆*90 「わたくし率 イン 歯ー、または世界」 川上未映子
622 12.02.27 ★★★★☆*90 「すこやかにおだやかにしなやかに」 谷川俊太郎
621 12.02.25 ★★★★★*95 「ダンス・ダンス・ダンス(上)」 村上春樹
620 12.02.08 ★★☆☆☆*72 「タンノイのエジンバラ」長嶋有
619 12.02.07 ★★★★☆*87 「キノの旅 Ⅹ」 時雨沢恵一
618 12.01.30 ★★★☆☆*85 「「おじさん」的思考」 内田樹
617 12.01.23 ★★★★☆*87 「キノの旅 Ⅸ」時雨沢恵一
616 12.01.22 ★★☆☆☆*75 「謎解きはディナーのあとで」 東川篤哉
615 12.01.16 ★★★★☆*86 「真夜中のパン屋さん」大沼紀子
615 12.01.12 ★★★★☆*89 「フリーター、家を買う。」 有川浩
614 12.01.11 ★★★☆☆*83 「彼女がその名を知らない鳥たち」 沼田まほかる
613 12.01.10 ★★★☆☆*83 「夜が運ばれてくるまでに」 時雨沢恵一
612 12.01.09 ★★★☆☆*85 「御手洗潔のダンス」 島田荘司
611 12.01.08 ★★★★☆*88 「猫鳴り」 沼田まほかる
610 12.01.07 ★★★☆☆*85 「ブギーポップ エンブリオ炎生」 上遠野浩平
609 12.01.05 ★★★★★*95 「ジェノサイド」 高野和明

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