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2012年3月26日 (月)

「PK」 伊坂幸太郎

20120326
伊坂さんの本実に2年以上ぶりだと思われる。何とも不義理をした
ものですね。しかし『SOSの猿』くらいからとても読む気分になれ
なくて、どうも歪んだ感想ばかり生まれるので、ならばいっそ読まない
ほうがいいのではないか、時期が。と思い、その時期が今のようだった。

その決断が未来を変える。連鎖して、三つの世界を変動させる。
こだわりとたくらみに満ちた三中篇を貫く、伊坂幸太郎が
見ている未来とは―。未来三部作。(Amazonより)

数年前から色濃く感じ始めたのが、「政治」の色。わたし個人は、
伊坂さんに政治的なことを書いてほしくないのだが、どうにも、
政治がないと物語が組みあがらないような密接な風景を用意されていて、
これでは政治について読めと言われているのか、「伊坂幸太郎」について
読めと言われているのか、良く分からないじゃないか、というのが
第一感想だった。なぜ政治的なことを書いてほしくないのかという
部分については、もちろん「もっと気軽な小説を読みたいから」なんて
意見もないこともないのだけども、そうではなくて、根本的な部分で、
いまの政治が大変つまらないものであるから、という局地に尽きる。
例えば学生運動の盛んだった時代の小説などは、ただそれだけで面白い
のだけれど、いまは「がくせいうんどう?」と首を傾げる学生ばかりの
腑抜けな学生ばかりしか存在しないし、そもそも運動をしようという
気力がないのである。というような分かりきった部分で、なんとなしに
絡められる政治につていの話は、なんだか、「で、だからなんなの?」
というどうしようもないやりきれなさみたいなものがわたしの中に
(勝手に)生まれて、だから、書くならもっともっと政治を攻め立てる
ように書いてくれ、でないと、報道が、政治が、ただ、腐っていく
ばかりであると思うのだった。しかし、この軽快な物語で、少しでも
政治に興味を失っている学生と思しき人たちが、政治というなんらかに
触れて、何かを感じてくれるなら、それに意味があるようにも思う。
それを担っているのだから、頑張ってくれと、こんなに素晴らしい
物語を読んでもまだ、「まだまだいける」と攻め立ててしまうのだろう。

★★★☆☆*86

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