« ■雑談:絶景かな絶景かな | トップページ | ■雑談:売り切れ御免 »

2011年4月10日 (日)

「太陽のパスタ、豆のスープ」 宮下奈都

太陽のパスタ、豆のスープ 太陽のパスタ、豆のスープ

著者:宮下 奈都
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


あー…なんかダメかも知れない。と思う瞬間が本を読んでいると時折ある。
いわゆる相性というヤツだろう。どうもわたしは、この方と相性がとても
悪いようである。なんだか話の最初から好意的に読むことが出来ないのだ。
思い返すのは、誉田さんとか、だが。あの方とも相性がすこぶる悪い。

結婚を目前に控えていたある日、明日羽は婚約者から一方的に破談を
申し立てられた。準備した結婚式に、ドレス、それからハネムーン。
様々なものががらがらと音を立てて崩れ去り、明日羽の前から消えていった。
残ったのは何もない自分ばかりである。どうにかして落ち込んだ自分を
奮い立たせようとするが、気が滅入り上手くいかない。家で燻っていると
叔母のロッカさんが現れて、リストを作ったらいいと言った。その名も
ドリフターズ・リスト。自分のやりたいと思っていることを挙げてみる
リストである。きれいになる。鍋を買う。玉の輿にのる。お神輿。……
挙げてみるとよくわからないものばかりだった。とりあえずきれいになる
ため、幼なじみの京をつてに、高級エステに向かってみるのだが……。

宮下さんてB型ですか?よく存じないのですけれども……。最近血液型って
科学的根拠はないけど、やっぱり系統って当たるよね、とか思っている。
で、わたし的分析のもとその系統を選別すると、この本の主人公はB型である。
なぜなら、限りなく自分が大好きで、自己中心的だからだ。破談され、
落ち込むのは大変よく分かるのだが、「なぜ破断されたのか」を、
なぜここまで考えずにいられるのだろう、とある種の気持ち悪さすら感じた。
だって、ずっと付き合って、さて結婚しましょうとなった時、
「やっぱり合わない気がするんだ」って言われたら「なんで?」と思うのが
普通ではないだろうか。もしくは「どこが?」だ。例えば「君の~なところ
がダメだった」とか、「あのときから」とか、いう相手の言葉があったなら
あぁそうか、わたしはダメなんだ、となるような気がするが、この主人公は、
その疑問からすらも逃げているのだ。傷つきたくないから、もう話さない。
よりを戻さないまでも、なぜ自分は結婚の対象から外れたのか、それを
確かめたく思うのが一般ではないのだろうか。もしくは、わたしのどこが
悪かったのだろうか、と自分を検分するのが普通ではないだろうか。
相手が結婚を取りやめたが、実は自分も取りやめたかったかもしれない、
とかいう真相心理まで考えたりしないのだろうか。そう思うのはわたし
だけか。そんなことをまず第一に考えていたので、続いてゆくリストの話や、
羨ましいほどの人脈を事も無げに無造作に扱う主人公を見て、
(その後改心するなら納得するのだが、その兆しもなく)やっぱりどうも、
この作者と相性が悪いようだ、と思った。主人公は自分が大好きなのである。
わたしは自分が大好きな人が嫌いだ。「自分が好き」にも勿論種類がある。
自分のことがある程度好きではなかったら、人は好きになれないだろう。
この本にも書かれているけれど。「自分が嫌い」だったら、こんな時どう
なるか。自分のどこが悪かったのだろうと落ち込むのである。主人公には
それがまったく微塵もない。同じ「何かを見つける」それまでのもどかしさ
を感じるなら、角田光代の『ぼくとネモ号と彼女たち』を読むのがいいと思う。

★★★☆☆*81

|

« ■雑談:絶景かな絶景かな | トップページ | ■雑談:売り切れ御免 »

コメント

おはようございます(早すぎますか?)。
すみません、私もB型なんです。
読んでいて、むしろもう一度この本を自由な気持ちで(?)読んでみたくなりました。ははは。

投稿: 時折 | 2011年4月12日 (火) 05:08

>時折さん

おはようございます。早すぎますね。
地震でよく眠れませんか、大丈夫ですか?

B型ですか(笑)
わたしのまったく科学的根拠のない感覚に基づいていますので、
そもそもの論拠がなく愚論、且つ暴論に近い常態かと思います。
世の中のB型の老若男女をすべて敵に回した気分です。

そして、さらにそもそも、振り返ってみると、
わたしが付き合ってきた男性はどなたもB型でした(笑)
なんだ、自分の経験談ではないか、というそういうオチ。

是非、自由な気持ちで読んでみて下さいませ(笑)

投稿: るい | 2011年4月12日 (火) 10:30

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/126354/39578120

この記事へのトラックバック一覧です: 「太陽のパスタ、豆のスープ」 宮下奈都:

» 宮下奈都『太陽のパスタ、豆のスープ』 [時折書房]
太陽のパスタ、豆のスープ著者:宮下 奈都集英社(2010-01-26)おすすめ度:販売元:Amazon.co.jpクチコミを見る 正しい所作が正しい毎日を連れてくる。 内容(「BOOK」データベースより) 暗 ... [続きを読む]

受信: 2011年4月12日 (火) 05:06

« ■雑談:絶景かな絶景かな | トップページ | ■雑談:売り切れ御免 »