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2011年4月13日 (水)

「恋するように旅をして」 角田光代

恋するように旅をして (講談社文庫) 恋するように旅をして (講談社文庫)

著者:角田 光代
販売元:講談社
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あらすじを考える気力も起きない、とかいうとまた非難轟々でしょうか。
大変時間の無駄さを感じた本でした。解説でいしいさんが、ゆっくり読め
的なコメントをしていますが、ゆっくり読むくらいなら、自分が旅に出た
方がいいように思われました。まぁ、勿論わたしの主観なのであしからず。

笑えてちょっと切ない旅のフォトエッセイ。時間ができるとふらっと旅に出る。
タイ、ベトナム、モロッコ、アイルランド。場所を想うことは恋することと同じ。
無頼で自由でストイックな著者の魅力満載。
(Amazonより)

最初からエッセイだということは分かっていたので、薄々嫌な予感はして
いたのだが、今までに読んだ角田旅行エッセイの中でワーストを争う
結果になった。(もちろんわたしの中で)エッセイ……って一体何?
とか、根本的な部分を疑いそうになる本だった。解説のいしいしんじは、
エッセイ以上の本であり、読者も旅をしている気分になれる、などと
書いているのだが、旅をしている気分、以前に愚痴を聞かされている気分
に陥り、得たのは「角田さんが極度の方向音痴である」ことと、
「旅をしていると男に襲われることがある」ことと、「旅は恋に似ている」
という3つだけだった。したがって、エッセイと言うよりも、旅の日記を
見せてもらった、と言った気分でしかなかった。その理由は、この本を
書いている当時の角田さんは、おそらく「旅に恋している」状態だった
からだろう。恋、というよりも、旅行中毒である。わたしもライブ中毒
を経験しているのでわかるが、「何かをしなくてはならない」という
選択肢はなく、これしかないのだ、という気分になる。まさに中毒。
その状態で書かれた本が、面白いわけがない。わたしは中毒なんです。
旅はこんなに素敵だから。と言われても、「何がどうして中毒になり」
「どんなところが中毒になりえるほど素敵だと思える要素なのか」が、
まったく記載されていないのだから、読んでいても「あぁそうですか」
と思うほかないのである。「ここがいいの!」という熱烈な文章なら
ともかくとしても、だらだらとよく自分でもわからないけど、移動して
いなければ気がすまない。理解できない。わたしが年間100本のライブ
(単純に考えて年間100日ライブハウス)に行くということが、
にわかに尋常の人には納得し得ないように、角田さんのこの旅行中毒は
納得できるものではなかった。からにして、一番良かった部分は、
「文庫版にあたりのあとがき」だった。旅行中毒から幾分抜け出し、
冷静に自分を観察している文章。もはや本文よりも最後のその2、3ページ
のみでよかったのではないかとすら思う。わたしはまったく海外の旅に
出ない人間なので。でもライブは100本行けるのだ。その心理を、
ぜひとも今角田さんの文章で読みたいところだ、と思う。日常の
エネルギーを旅行のために溜めている……? 違うと思うんだよな。

★★★☆☆*82

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