« ■雑談:とりあえず | トップページ | ■雑談:収集癖 »

2011年4月27日 (水)

「夜をゆく飛行機」 角田光代

夜をゆく飛行機 夜をゆく飛行機

著者:角田 光代
販売元:中央公論新社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


今年角田さん3冊目?結構なハイペースで読んでおりますなぁ。通算、
おそらく35冊目(感想書いていないものも含)この方何冊本を出されて
いるのでしょう……東野圭吾のそれを数えるのも怖いし、森博嗣のそれを
数えるのも怖いのですが、まぁあるだけ全部読むことでしょう、いずれ。

里々子は谷島酒店の四姉妹の末っ子である。長女の有子は嫁に行き、
次女素子は合コンに明け暮れる、三女琴子は大学生で、里々子は高校生、
何の変哲もない日常をおくっていた里々子たちであったが、ある日を
堺に、一家の様子は変わり始めた。ぼんやりと大学生をしていた琴子が
小説を書き新人賞に選ばれたのだ。家族中で大騒ぎしてお祝いをしたものの、
その小説に出てくるのは、紛れもなく谷島酒店一家の平々凡々とした、
事実の羅列なのであった。過去の駆け落ちを暴露された有子は激怒したし、
里々子も家族の事が知れ渡るのが恥ずかしくあった。しかも有子は、
その小説を読んだ事によって、不倫を始めた。里々子は受験した大学すべて
に落ちた。琴子はソムリエになるといい始め、父は店を改装すると言い
はじめる。母は入院した祖母の看病でやつれ、一家はまとまりをなくした。
そして里々子はアルバイト先で恋に落ちるのだが……。

『空中庭園』系。とても苦手である。なぜなら、まったく現実味がないから、
である。四姉妹という時点で角田さんの描写的に許容オーバーな気もし、
おまけにミハルおばさんや、ぴょん吉、松本、と言ったよくわからない
役割の人物が多々出てきて、それでいて話があまりにのっぺりとしている
ので、読んでも読んでもページが進まない感じがした。いなくなった人の
物語、というのもわからなくもないのだが、それでいくと、ぴょん吉、
ミハル、祖母、と3人もの死者が出てきて、そんなに必要だったのか?
と思わなくもない。ところどころに輝く角田光代的な映えた訴えも、
ぐちゃっとした家族構成で、「薄らぼんやり」になってしまったように思う。
死んだ弟をぴょん吉といい回想するポップな感じ、コミカルな姉妹の様子、
はもう少しなんとかスリムに纏めたら、主人公・里々子にとっての
感受性の変化、成長、を描けたように思うのだが、その部分は何の
方向性も定まらぬまま、終わってしまい、ちょっと残念だった。もちろん、
日常を切り取ったような生活、というのもわかるのだけれど。それなら、
もう少し現実味ある感じで書いた方が、設定が生きたように思えてならない。

★★☆☆☆*78

|

« ■雑談:とりあえず | トップページ | ■雑談:収集癖 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/126354/39814679

この記事へのトラックバック一覧です: 「夜をゆく飛行機」 角田光代:

« ■雑談:とりあえず | トップページ | ■雑談:収集癖 »