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2011年3月15日 (火)

「ヒートアイランド」 垣根涼介

ヒートアイランド (文春文庫) ヒートアイランド (文春文庫)

著者:垣根 涼介
販売元:文藝春秋
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読み始めたとき「何だか池袋ウエストゲートパークの渋谷版みたいな
印象だった」という感想を聞いたので、「確かにそうかも」と思い
ながら読んだ。けど、なんとなく伊坂さんの「マリアビートル」の
ような雰囲気もし、比べてしまったためか、なんだか楽しめなかった。

ずば抜けた知識と腕力を持つアキとカオルは、未成年でありながら、
ヤクザな街・渋谷で自分たちの遊びを繰り広げていた。強いヤツだけを
寄せ集めた彼らは、「雅」という名で知られている。レッド・クロス
と呼ばれるバーで行われるそれは、渋谷のヤンキー同士を戦わせる
ファイトパーティーだった。いつでも殴り合いをしたくてうずうず
している若造たちは、口伝えに噂を聞きつけバーにやってくる。
一方、六本木のヤクザが運営していたカジノバーが、プロの強盗集団に
大金を奪われる事件が起きた。強盗の三人は、金を山分けし、
解散したが、その一人を「雅」のメンバーが襲撃した。バッグを
奪ってきたのはいいものの、中を開けてみたら大金だった「雅」の
メンバーは、及び腰になり、出来るだけ穏便に金を返そうとするが、
今度は渋谷のヤクザ組が動きだし……。

画面切り替えが4面。多すぎる。さながら伊坂さんの「マリアビートル」
を思い出しながら読んでいた。その上比べてしまうと「マリアビートル」
の方が「澄んでいる」と感じてしまった。伊坂さんの場合は、
本の後半になって、登場人物の紹介文はない。ごちゃごちゃ人が
たくさん出てくるのに、今から説明が増えるのか?と、読んでいる
途中で疲れてしまった。最後に全員集合……それを考えると奥田さんも
思い出しかねない……。それと、この本を最初から好意的に
読むことが出来なかった理由は、アキとカオルの元金についてだった。
かなりのページ数を割いて、感動的に描かれている。
両親に見放され家政婦に育てられ、そしてそのばあさんが大金を
残してくれた。「金を大事に使おうと思った」というようなことを
言っているのに、結局使われたのはファイトパーティー……。
ファイトパーティー……。うーん。わたしが元来ボクシングなどの、
攻撃戦が嫌いだからなのかもしれないが、大切な金を、
ファイトパーティーに使おう、という考えからして、「?」だった。
それにしても、垣根さんのイメージががらりと変わって、面白かった
と言うのもあった。まだ「借金取りの王子」しか読んでいなかったので、
サラリーマンものが上手いイメージがあったが、こういうギャングもの
も上手いんだなと思った。(ごちゃごちゃしていなければ、尚)
男の子はこういうの楽しいのかもしれないなぁ、とか。
渋谷の地理の詳しい描写には脱帽です。

★★★☆☆*82

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