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2011年3月 7日 (月)

【漫画】「I'll~アイル~ 3・4・5」 浅田弘幸

I'll 〜アイル〜 3 (ジャンプ・コミックス) I'll 〜アイル〜 3 (ジャンプ・コミックス)

著者:浅田 弘幸
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漫画って止まらなくなるよなぁ。いや、小説もだけれども。5巻を
読み終わって、つくづく最後まで借りとくんだった、と思いました。
あと、スポーツ漫画の醍醐味はこうだった、と思い出しもしました。
人は忘れる生きものだから、どこかで思い出させてくれる何かを。

3~5巻は、仲間が出揃ってきて、「仲間」と言う言葉が強調される
ようになった。「仲間」わたしにとって随分忘れていた言葉だった。
わたしは去年までよくバンドのライブを観ていたけど、ステージを
見上げながらつくづく思うことは、「仲間を持てていいな」
ということだった。バンドは特に、金銭面での負担も加わり、
生きていく上での運命共同体ととも言えるだろう。
あと、この辺りを読んで思い出したのは、中学生の時の、陸上部の
時の記憶だった。わたしの中学校は見事なポンコツ校だったけど、
男子のリレーだけは、なぜか神がかり的に強かった。
でも、最初から強かったわけではない。陸上部はご存知の通り
単体競技が多く、練習メニューが個別であることが多い。だから、
「団結力」というものは、ある意味皆無だった。どちらかといえば、
「敵対心」のようなものが部内に蔓延っていて、とても険悪な雰囲気
だった。でも当時の顧問の池田先生は、「陸上は団体競技だ」と
言い張り続けた。「お前が速くならなければ、あいつは速くならない。
わかるか? 実際は「何クソッ」っていう憎しみかもしれない。
でも、それは団体だからなせる技だ。みんなで強くなるぞ。わかったか」
リレーは誰か1人が足が遅いと、決定的な負けに繋がる。
一番遅かった渡辺はめそめそしながらも、でもこころのどこかで
「何クソッ」って思っていたんだろう。それから男子リレーは、
ぐんぐん速くなっていった。地区大会では余裕で優勝するチームになり、
県大会でも上位入賞が当たり前になった。わたしたち3年生が
卒業する最後の大会で、男子リレーは県で優勝し、全国大会の切符を
手にした。高橋がゴールしてガッツポーズをとった瞬間、そこにいた
みんなは泣いていた。走ったヤツも見ていたわたしたちも、みんな。
それは「仲間」だったからだろう。そんな淡い記憶を、
思い出させてくれる漫画だった。人間は忘れる生きものだから、
何かで、過去を思い出す必要がある。それが、漫画であり小説であり、
音楽であり、映画であり、誰かとの再会であったりする。
大切なそれを思い出させてくれるそんな仕事をとても羨ましく思う。
大橋、山名、渡辺、高橋、元気かしら。ちなみに4人は全国大会で
「1:34.01」という記録で11位だった、らしい。観にいけなかったけど。

★★★★☆*85

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