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2011年2月18日 (金)

「パレード」 吉田修一

パレード (幻冬舎文庫) パレード (幻冬舎文庫)

著者:吉田 修一
販売元:幻冬舎
Amazon.co.jpで詳細を確認する


もう何回読んだかわからないが、とりあえず再読である。この本を読むたびに、
「あぁ、やっぱり吉田修一たまらないわぁ」としみじみ思い最後のページを
閉じる。『悪人』も『東京湾景』も『最後の息子』もお薦めだが、
躊躇している方、やはりこの本を読んでおいていただきたい。

ひょんな事から始まったヘンテコな5人生活は、まるで密入国者。
芸能人の彼氏を待ち続ける琴美に、酒豪で売れない絵師・未来、
やる気のない大学生・良介に、寝言の奇妙なサラリーマン・直輝。
そして一人傍観しいるような、男娼・サトル。
適度な馴れ合いと適度な詮索で、微妙な愛情や友情が生まれても、
結局のところ、お互いの事を本当はよく知らない。
この2LDKのマンションでは、皆、それぞれ仮面を被っているようで、
笑い声が響くその空間は、誰か違う4人が生活しているようだ。

改めてじっくり読んでみた。勢い余って2回連続で読んだ。そうして
わかったことだが、ここに登場するそれぞれ5人の人物は、
自分ではなく他人を語りたがる。これは吉田修一の作品全般に言える
ことなのだが、主人公が「僕は」「私は」と主語を置きながらも、
描写されているのは、周りの人物ばかりなのである。そのだらりと流れる
ような、親密でさり気ない文章は、それを気づかせない。第一章目では
良介の話であるはずだが、人となりがよくわかるように説明されているのは
琴美についてである。本人の思っている「自分」と他人が思っている「自分」
の相違について、読者は気づかずうちにの引き込まれているのだ。本人を
合わせ5人の人間から語られる1人の人物像は、それはそれは気持ちが悪い
ものだ。「気持ちが悪い」というのオーバーだが、ぐにゃりと歪んだものに
見える。今回また一つ見つけたのは、直輝とサトルがラーメン屋に行く
シーンで、だった。2人はラーメン屋で坦々面を食べ、スープまで飲み干す。
語り手であるサトルの視点ではたしか「(味の)濃そうなスープ」と
なっていたが、直輝はそれを平然と飲み干すのである。直輝は健康オタク
だったはずだ。バナナプロテインを自作し、ジャスミンティを毎日飲む。
誰かが飲んだら分かるように印をつけていそうな几帳面さで通っている。
そして、ジョギング好きだ。そんな人間が濃そうな坦々麺のスープを
飲み干すだろうか? ここから読み取れるのは、それらの「几帳面」
「健康オタク」という直輝は作り物ということだ。本当の直輝は、
塩辛いラーメンのスープを飲んでも何とも思わない人間で、きっと
健康のことなどそれほど重要視していないのだ。だけど、この家の中では、
直輝は「几帳面」「健康オタク」な役を演じているのである。そして、
ふとした瞬間に「演じさせられているのではないか」と気づくとき、
吉田修一がこの本を書いた理由を一つ知る事が出来るだろう。
もっと注意深くこの本を読んだら、こういう箇所がたくさん出てくるのだろう。
吉田修一の怖いところは、その「本当」を、するりと他の文に滑り込ませる
ことだ。一度読んだだけでは気づかない。しかし読み手の頭の中のどこかに
はすうっと引っかかっていて、最後の最後に、「ぞっ」させ愕然とさせる
のである。でも本当はみんな「知っている」のだ。だから、とりわけ
誇張して、その相違点を挙げたりしない。知っていることはある意味罪であり、
だからこそ、知っているとわからせないことこそ、歪んだ愛であるようにも
思えてくる。何度読んでも読んで良かったと思う小説である。

★★★★★*94

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*過去の感想文(2008/8/31)

パレード (幻冬舎文庫) パレード (幻冬舎文庫)

著者:吉田 修一
販売元:幻冬舎
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再読です。そうかぁ、吉田さんに出会ってもう2年も経つんだなぁ、とか、
別なところでしみじみしながら読んだ。まぁ旅行先で時間を潰すため、
ヴィレバンで買った、という浅い動機の再読だったのだが。
大分では吉田さんが推されていて、よくわかってるじゃん、と思った。

ひょんな事から始まったヘンテコな5人生活は、まるで密入国者。
芸能人の彼氏を待ち続ける琴美に、酒豪で売れない絵師・未来、
やる気のない大学生・良介に、寝言の奇妙なサラリーマン・直輝。
そして一人傍観しいるような、男娼・サトル。
適度な馴れ合いと適度な詮索で、微妙な愛情や友情が生まれても、
結局のところ、お互いの事を本当はよく知らない。
この2LDKのマンションでは、皆、それぞれ仮面を被っているようで、
笑い声が響くその空間は、誰か違う4人が生活しているようだ。

この本の魅力は、再読するごとに違った感想を得られることだ。
同じ小説のはずなのに、読むたびに違った感情が生まれるのである。
と言うことは、きっと読む人にとってそれぞれ異なる捕らえ方をし、
消化されているのだろうと思うと、改めて秀逸な本であると思う。
正直なところ、読後感は前回のほうが良かった。
明るい四人の話の後に、ブラックな直輝な話で締めくくる。
その低空飛行感がとても好きだったのだ。
しかし、今回感じたのは、より深い異様さの浸透とベールである。
「俺だけが酷く恨まれているように感じた」と直輝の文にあるのだが、
この部分を読んだとき、私は鳥肌がたった。
そう、思い返してみれば直輝のことを皆話していないのだ。
話していたとしても、「しっかり者の兄貴分」のような感じで、
直輝と~をした、や意見が出てくるシーンはほぼない。
けれども、彼ら四人は直輝のあのことを知っていたのだ。始めから。
「ねぇ、これ絶対サトルだよ」指名手配書を見てそう言った未来は、
そのとき果たして何を考えていたのだろうか?
もしくは、直輝が犯人だと知ったのはどこからだったのだろうか?
一緒に暮らす人間の中に殺人鬼がいると分かったと言うのに、
表情を変えず何も語らない彼ら。その様子を確認したとき、
更なる恐怖が読者を襲うだろう。これは本当に恐ろしい小説である。
そして、こんな恐ろしいことが、まるで現実にあり得るかのように、
リアルに描く吉田修一は、本当に恐ろしい人である。
人が人を殺すのは、それほど異様なことではないのだ。
そう物語っているようで、それを見ない振りする私たちを、
必死に気づかせてくれているようで、それに気づいてしまったとき
たぶん人は吉田修一から離れられなくなるのではないかと思う。

★★★★☆*90

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*過去の感想文(2006/12/5)

パレード パレード

著者:吉田 修一
販売元:幻冬舎
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まさかあんな結末がくるとは思ってもみなかったのですが、
ラストを何とも言えないダークな感じにもって行く、それがまさに吉田さん。
振り返ってみれば、あんなに爽やかだと思っていた「WATER」だって、
完全な爽やかさではなかったし、その明るさの中に潜む闇が、
いい物をさらに輝かせているよね、と思い直した作品。
うーん、好きだ。直輝くん(笑)

ひょんな事から始まったヘンテコな5人生活は、まるで密入国者。
芸能人の彼氏を待ち続ける琴美に、酒豪で売れない絵師・未来、
やる気のない大学生・良介に、寝言の奇妙なサラリーマン・直輝。
そして一人傍観しいるような、男娼・サトル。
適度な馴れ合いと適度な詮索で、微妙な愛情や友情が生まれても、
結局のところ、お互いの事を本当はよく知らない。
この2LDKのマンションでは、皆、それぞれ仮面を被っているようで、
笑い声が響くその空間は、誰か違う4人が生活しているようだ。

1つの部屋の5人の視点から書かれたストーリは、色彩豊かで凄く面白い。
良介がかったるそうな口調で浮気を相手する覚悟を決めたと思えば、
恋愛に溺れる琴美が良介を批判し、恋愛を拒絶する未来は琴美を受け入れない。
そんな入り組んだ思いがそれぞれの中に隠れているのに、
みんなが集まる部屋ではそれらがオブラートに包まれ決して現われはしない。
だから5人でいれば凄く楽しくて、仕方が無い。
でもその五角形を違う人物の視点から注意して見ると、
全く違う感性で、全く違う思いを抱いているのだ。
本当の自分を隠さなくてはいけないのに、
じゃあ何で5人で住んでいるんだろう?と改めて考えると、とても難しい。
5人がお互いをどう考えているのか、それがよく判る話。
一人は一人を信頼していて、でもその片方は違う方にベクトルが向いている、
それは遠目で見れば世界をこの5人の部屋に押し込めただけであり、
人間と関わると言う根本的な事ではとても自然な事だと表現されている。
しかし同じ部屋に住む、と言うことだけで生まれる絶妙な人間関係や、
その絶妙な関係から生まれる、どこと無く疑ったような、批判するような
5つの視点からの交差関係が、とても面白い。
特に最後、直輝のした行動を黙認していた彼ら。
4人の視点ですら語られなかった事実は、「オブラートで包まれるべき物」
でここにいるためには、語るべきではない・・・として処理されたのかな、
とか思った。どうなんだろう、本当のところ。

「パレード」って最後まで意味が判らなかったんですが、
パレードは賑やかで楽しいけど、そのパレードをやっている人間も、
それぞれが考えをもって生きている、とかそのへん?かな。
実は山本周五郎賞、いいです。

★★★★★*94

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コメント

お邪魔します。
コメント、TB、ありがとうございました!
「パレード」の意味、私もるいさんと同じような感じで思っていました。
5人それぞれの視点が面白かったですね。
それぞれの考え方、生き方が色濃く書かれていましたね。

またお邪魔します♪

投稿: このみ。 | 2006年12月 7日 (木) 01:49

おはようございます。るいさん。
>「明るさの中に潜む闇」
まさに、この作品のテーマだと、るいさんの感想を読ませていただいて思いました。
普段気がつかないようなところにまで目を向けている吉田さんって、本当に凄いです。

投稿: ゆう | 2006年12月 7日 (木) 09:04

>このみ。さん

こんにちわ!
こちらこそTB&コメントどうもありがとうございます^^*

そうそう、「パレード」の意味謎ですよねぇ!
中盤あたりから、「どこでパレードが出てくるんだろう・・・」
と覚悟して読んでのですが、結局出てこないし。
希望としては5人で「パレード見に行こうよ!」
みたなシーンがあってもよかった(判りやすい)気もしますけど。
要すると、パレードと言う団体は賑やかだけど、
その個人はそれぞれ別のことを考えている、と言う事と、
華やかで楽しい時間が過ぎ去ると、喪失感が押し寄せてくる・・・。
とかそんな感じでしょうね。
ってこう考えさせられるのも吉田さんの策略かな、とか(笑)

・・・なんて、言いながらこの本はとても気に入りました。

5人の視点がとにかく面白くて。よかったですよね!
感情移入・・・とかそう言うのとは違いますが、
同じこの空間なのに、5種類の映像があるのか!、と。
>それぞれの考え方、生き方が色濃く書かれていましたね。
それぞれキャラクターが被るわけでもなく、
あぁこう言う子いそう、と言うタイプがしっかり描かれていてましたね。
最後の直樹の章は怖かったですが・・・
それでもちょっと現実にあったら一緒に生活してみたいかも、
とか思っちゃいました。

こちらこそ、また御邪魔させてください^^*

投稿: るい | 2006年12月 7日 (木) 17:09

※すみません;お名前を変更せずに送ってしまって;
申し訳ありません(涙)

>ゆうさん

こんにちわ!
TB&コメントどうもありがとうございます^^*

>「明るさの中に潜む闇」

やはりそう思われますか!
読んでいくと、中盤では一見爽快な結末を予感させるのですが、
終盤に向けて、徐々に沈んでいく・・・そんな感じがします。
でもその沈み方は不自然じゃないし、嫌な感じもしなくて、
人生も浮き沈みがある、とかそういう印象があります。
そこで光っている物、今回は何でしょう・・・?
上辺だけであっても人間関係って素晴らしい、とか
実は無いと思っても身についているものなんだ、とかその辺でしょうか?

>普段気がつかないようなところにまで目を向けている

まさにそうですね。
自分でやっている事なのに気づいていない事をズバっと言われて、
「なるほどねぇ」と納得しちゃいます。

吉田さんの本まだ読んだ事が無い本が沢山あるので、
これから少しずつチャレンジしていこうと思います^^*

投稿: るい | 2006年12月 7日 (木) 21:22

 こんばんは♪
 やっと読めました☆

 なかなかおもしろかったです。
 結末がああなるとは、思ってませんでしたけど^^;;
 でも、あの展開があったからこそ、
 それまでの“群像劇”的描写が生きてくるんですよね。

 「パレード」ってタイトルが、
 意味を考えれば考えるほど、
 なんだか空恐ろしいように
 感じてきてしまいました。

 うん、でもるいさんが吉田さんにハマっていったの、
 なんだかやっとわかった気がします(笑)
 私ももっと読んでみたい、って
 前以上にすごく思いましたから^^
 

投稿: miyukichi | 2007年1月 6日 (土) 18:32

>miyukichiさん

おはようございます!
こちらもコメントどうもありがとうございます^^*

お読みになったそうで!!
やったー!!待っていました☆(笑)

なかなか面白かったですか、良かった^^*
どんなコメントが来るだろうとドキドキしていました。
あのラストはビックリでしたね、雨の中ジョギングに出たあたりから、
鳥肌が立って怖くて仕方なかった・・・!!
3人に頼られていた直輝が、まさかあんなことするなんて、と。
この展開から分るのは、他人が他人が認識する怖さでしょうか。
どう認識されているか、もそうですが、どこまで隠しているか。
そうですね、手前の群像劇がキラリと光る瞬間です!
人との係わり合いって怖いな、とか思っちゃいますね(笑)

「パレード」意味深ですよねぇ。
どう言う意味なんだろう。
私は思わずディズ○ーランドの
テクニカルパレードの音楽とか頭に流れてしまいましたけど(笑)
何となく「表面上だけの馴れ合い」とかそう言う意味が込められてるのでは?
とか思ったりします。
一見華やいで微笑みかけて来る役者たちも、
パレードが止まってしまえばただの人である、みたいな。そんな感じが。
怖い・・・でもこんな怖さを物語にしてくれるのは、
吉田さんくらいしかいないだろうなぁ、と。

>うん、でもるいさんが吉田さんにハマっていったの、
なんだかやっとわかった気がします(笑)

よかったです^^*
分っていただけただけでも薦めた甲斐がありました♪
なんて言うか、さほど目立った感動とか、楽しさとか無いんですけど(苦笑)
「あぁこう思う事ってあるよね」とか、凄く分りやすい形で
吉田さんは訴えてくれるんですよねぇ。
そして、決してラストがハッピーエンドとは限らない。
「え、これからどうなっちゃうのよ!」ってドキドキさせておいて、
「後はご想像にお任せします」みたいな所も私的に好きだったりします。
是非もっと他の著書もお読みになってみて下さい。
うーん、個人的には「日曜日たち」と「7月24日通り」あたりがお勧めです。

のちほど「天国はまだ遠く」も兼ねて遊びに伺いますね~♪

投稿: るい | 2007年1月 7日 (日) 07:24

るいさん!TB有難うございました。

吉田修一さん 本当に 良いですね~。吉田さん作品全て制覇
したいと考えてます!

『パレード』…闇を持ってくる辺り、スゴイ事ですよね。
明るく終る事だって可能なのに。
こ~来るかっ!!! って感心してしまいました。

また是非お邪魔させて下さいね!
TBさせて頂きました。

投稿: neko | 2007年1月17日 (水) 20:20

>nekoさん

こんばんわ!
こちらこそTB&コメントどうもありがとうございます^^*

吉田さんいいですよねぇ~!
共感できる方にお会いできて嬉しいです♪
どこがいいのか、と聞かれると、「なんて答えよう」と困りますが(笑)、
あのしっとりしている雰囲気が私は一番好きなポイントかもしれません。
淡々と語られているのに、登場人物たちはイキイキしているし、
あとはやはり展開の切り口の良さでしょうかね。
私も全て読めるよう頑張ってみようと思います^^*

>『パレード』…闇を持ってくる辺り、スゴイ事ですよね。
>明るく終る事だって可能なのに。

そうそう、直輝の章では思わず鳥肌が立ちましたもん。
私も明るく行くのか・・・?と思い込んでいたので、
そこを「え?!」と言う驚きと共に「これは凄い物を読んでしまった」
と思わず頷いてしまっていました。
吉田さんは結構ラストにかけて失速する傾向があるなぁ、
とは思っていましたが、あまりの異様さにビックリ。
判っていても驚いてしまうくらい、奇想天外さが凄いですよね。

こちらこそ、またお邪魔させてください^^*
吉田さん制覇頑張りましょうね!

投稿: るい | 2007年1月17日 (水) 23:13

初めまして・・・
吉田修一さんの作品を読んだのは『パレード』が
初めてでした。
だいぶ前に買い、何度も何度も読み返しています。

るいさんのコメント(紹介文っていうのかな??)を
見ると、『コレは読みたい~!!』って思ってしまう
感じがしますねー^^*
私にはこんな上手に紹介できる作品じゃないっ って
思ってしまいました^^;

私の場合のパレードの捉え方は・・・
2つ気になるポイントが*
 ・良介が部屋から見ていた車の列
 ・未来のビデオのピンクパンサー

車の列は、誰もルールを破らなければ、
止まってしまったり問題が起こることはない。
しかし、誰かがちょっとしたミスをしてしまい
ルールを破ったら・・・
お話の中のおばさん(笑)のエピソードのように
事故になってしまう。
あの部屋の5人も、暗黙のルールを守ることが前提で
生活は続いていく。
   → パレードをするかのように順調に進む。

そのことを、馬鹿にするような豹達の行進。
『続くよ続くよ~
 ルール破らなきゃ
 いつまでも続くよ~』
とでも言いたげなピンクパンサー。

・・・という表現なのかなぁ・・・と勝手に解釈してみました^^;
でも本当のところは分かりませんよねぇ~*

これからも吉田さん作品読み続けます!
また遊びに来させてください^^*

投稿: つきみ | 2007年11月 5日 (月) 19:40

>つきみさん

初めまして、コメントどうもありがとうございます^^*
紹介文、ご興味をそそる事が出来たようで、嬉しいです。
内容を的確に表せていない時もあるともうのですが、
「あらすじ」をつけるのが趣味だったりします。変な趣味です。
それと、私の感想はかなり偏った意見・毒舌満載なので、
どうぞご参考までに受け流してくださいね。右から左に…。

吉田さんお読みになったそうで…!!
吉田さんの文章がとても好きなので、
誰かに読んでもらえるだけで、何故か私も嬉しいです。笑
「パレード」いいですよね。
私は「パレード」は3、4冊目位だったと思いますが、
これを読んだ時、「あぁこの作家さん好きだな」と核心に変わりました。
一つの空間をそれぞれの視点から見た時の、
妙なリアルさが、たまらなく好きでした。
外見は明るいのだけれど、中を覗くと暗かった…みたいな、
張りぼての様子を凄く上手く描かれていると思うんですよね。

> ・良介が部屋から見ていた車の列
> ・未来のビデオのピンクパンサー

そうだそうだ、そんなものも書かれていましたね!
私ももう一度読みたくなりました。(ちょっと記憶が薄れ気味です)
吉田さんは本当に言いたいことを絶対に直接書かない作家さんなので、
きっとその車の列やピンクパンサーにも意味を持たせていると私も思います。
それが何なのか、的確に読み取るのは凄く大変そうですけどね。
私も後ほどこの二箇所に気にかけて読んでみようと思います。

是非吉田さん読んでみてくださいね!
ご感想もお待ちしております^^*

ちなみに本の傾向はこんな感じです。ご参考までに…
〇=個人的にお薦め

■一つのものを色んな角度から
〇「パレード」
・「ひなた」
・「日曜日たち」短編集
-------------
■恋愛もの
・「7月24日通り」 
〇「東京湾景」
〇「悪人」
・「初恋温泉」短編集
-------------
■同性愛を含む
〇「最後の息子」短編集
・「春、バーニーズで」連続短編集
・「ランドマーク」
-------------
■その他
・「長崎乱楽坂」
・「熱帯魚」短編集
・「女たちは二度遊ぶ」短編集
〇「うりずん」写真付短編集
(「うりずん」は吉田さんの本を全部読み終わった後、
まったりと読んでみると良さそうです)

投稿: るい | 2007年11月 6日 (火) 15:25

こんにちは^^*

吉田さん作品の、ちょっとしたことに何か意味があり
そしてそれを読み解いて自分なりに考えてみる・・・
ハマりますね。

吉田さん作品の紹介一覧、ありがとうございます!
とても分かりやすいですねー*

なかでも、『うりずん』が特に気になりますが、
るいさんのアドバイスを参考に制覇目指します!^^*

投稿: つきみ | 2007年11月 7日 (水) 09:51

つきみさん

こんにちわ、コメントありがとうございます^^*

>吉田さん作品の、ちょっとしたことに何か意味があり
>そしてそれを読み解いて自分なりに考えてみる・・・
>ハマりますね。

そうなんです、はまってしまった一人です。笑
大切な事を周りからじわじわと表現してくれるのが、
とても心地が良くて、読んでいて安心するんですよね。
中にはつまらない本もありますが、
それでも安心して読める不思議な魅力があります。
是非つきみさんもご一緒に…!

かなり適当に分けてしまったので、
読んでから「違うじゃん!」って思われるかもですが。笑
参考にしてくださいね。

「うりずん」の写真は、吉田さんが撮ったものではないのですが、
佐内さんという方が撮った写真を、
吉田さんが見てSSを書いています。
短編と言うよりもSS(ショートショート)です。
一つにつき、2・3ページで終わってしまうのですが、
そこにぎっしり吉田さんの思いが詰め込まれている気がします。
それを味わうためにも、「うりずん」は
ある程度読んでからの方がいいと私は思います。

あと、「悪人」も後の方が良さそうです。
これは文句なしの最高傑作なので、
最後に制覇した感を味わうのもいいかと。笑

投稿: るい | 2007年11月 8日 (木) 10:16

あ,るいさんにお勧めいただいたこの作品,読みましたぁ\(^o^)/←ごめん,随分前なんだけど(^^;)

何というか,ざらりと残るものがありますね~。
パレードって何だろうって,私も考えました。
何となく「だれも立ち止まらない流れ」みたいな感覚かなぁなんて思ったけど。
るいさんは,さすがに深く考察してらっしゃる\(^o^)/

吉田さんの作品,ぼちぼちと読んでいこうと思ってます♪
次は,『東京湾景』かな(*^_^*)

投稿: そら | 2008年7月14日 (月) 18:14

>そらさん

レスが遅くなってしまってすみません;

私も3日ぐらい前に再読しました!
読み終わって率直な感想は、
「前読んだときの方が良かったかも」でした。苦笑

でも楽しかったのですが、なんだか物足りなさを感じたのでした。
しかし吉田さんはいつも読みやすいなぁ。

パレード…そうですねぇ。
直輝が隣のビルから、自分たちの住んでいる部屋を見る、
っていうシーンあるじゃないですか。
そこのところで、結構そういう事を押しているんだろうか?
ってちょっと思いました。
中にいるときは気づかないけど、外から見ると滑稽とか、
そんな意味も含まれているのかな?と。

ぜひ『東京湾景』も読んでみてくださいね^^*

投稿: るい | 2008年9月 2日 (火) 09:49

読みました。
 ピザを注文した人にとって、ピザ配達人が別の世界で何をしてようが関係ない。むしろ、配達人の別の顔を知りたくないし、知ろうとしない。その生きてることの真実を、近い日常に引き寄せていて、ぞっとする面白さでした。
 生きていることは、ルールの中で関係者が演じる一つ一つのシーンが連続した、パレードなんだろうか。ってことかな。
 ありがとうございました。

投稿: しぐ | 2009年4月11日 (土) 20:49

>しぐさん

またまた遅れてしまってすみません。
しかししぐさんのお陰で徐々に持ち直してきました!
ありがとうございます。

「パレード」読まれましたか~。
吉田さんの本の中で私が一番読み返したくなる本です。
全部読むときも、ある部分だけ読むだけの時もありますが、
その時によって感じる物がいつも違うから不思議です。
何度も読むにつれ特に人間模様が気になります。
一体どこからみんなは直輝に気付いていたんだろうって、
最近はそれを考えながら読んでいます。

そうそう、吉田さんは日常の中に溶け込んでいる異様なものを、
浮き彫りにさせるのが上手いですよね。何でもない描写なのに。
特にそう、人間が無意識のうちにシャットアウトしている壁の向こう側、
みたいのをするりと描いてくれて、「あぁそうだよね」って、
妙に納得させられるんですよね。今まで気付かなかったって。

>生きていることは、ルールの中で関係者が演じる一つ一つのシーンが連続した、パレードなんだろうか。ってことかな。

そうですね。私もそんな感じかな、と思います。
答えはいくつもあるのかもしれませんが、この意味深なタイトルに、
こうかもしれない、と自分なりの答えを見つけられると、
得した気分になりますね。是非『悪人』も読んでみてください。

投稿: るい | 2009年4月23日 (木) 01:42

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