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2011年2月20日 (日)

「くじけないで」 柴田トヨ

くじけないで くじけないで

著者:柴田 トヨ
販売元:飛鳥新社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


小説や詩をたくさん読みすぎると、勘違いしてしまうことがある。
もちろん、それはロックバンドの曲でも同じことなのだけれども。
その人のこころに響くかどうかは、上手いか下手かではない。
ただその言葉が、その人の色んな隙間を縫って、こころに届くかどうか。

「人生いつだってこれから 朝はかならずやってくる」
産経新聞「朝の詩」で注目を集める98歳の詩人
90 歳を過ぎて詩を書き始めた トヨさん、初の処女作品集
(Amazonより)

本を読み慣れている人なら、15分もあれば読み終えてしまうだろう。
でもどうかゆっくり読んでほしいと思った。1日1編だけ、と決め、
文字をひとつひとつ噛み締めるように。この本の中には、簡単な言葉しか
並んでいない。並び方もまったくひねられることなく、ただ、
思い浮かんだ順に並べてある。90歳を超え、作者が感じたことを、
ただただ思い浮かんだ順に並べてある言葉。でも1つの詩には1ヶ月も
かかるという。そこには言いようのない不思議な魅力があった。
90を過ぎたら、そこに待っているのは、「死」それだけだ。
若い頃は、いろいろ出来ることがあって、やりたいことがあって、
やるべきことがあって。でも、90歳には、それが何もない。
柴田さんはそのやるべきことをすべて終えてしまったのだろう。
だから、飾らないその簡素な言葉で、90になったら思うことを、
わたしたちにそっと教えてくれるのだ。わたしたちには、
まだやるべきことがある。だから、もしかしたら、この本を読んでも
何も思わない人があるかもしれない。だとしたら、せめて、
90になったら、こう思うことが出来るようになるのだろう、と
思うのがいいだろう。形式に囚われず、綴られる90年熟された
人の想いは、誰かの勇気になるのだと知った。とりあえず読んでおこう。
みんな90を超えたら詩集を出したらいいのにね。

★★★★★*90

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