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2011年1月 4日 (火)

「企画書は1行」 野地秩嘉

企画書は1行 (光文社新書) 企画書は1行 (光文社新書)

著者:野地 秩嘉
販売元:光文社
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新年早々ビジネス書から突っ走ります。なんかアレですね、なんとも
やる気を奮い立たせようとして失敗した、そんな感じです。それに
してもビジネス書ってピンキリだと思う。書いている人は作家でも
なんでもないわけで。中身が充実していればよしとすべきか。

企画書は一行にまとめるに限る。理由は簡単だ。長々と書かれた長文を
読む相手は疲れるし、理解してもらうまでに時間を要する。
短い文の中に詰まったインパクトを相手に伝えることこそ重要であり、
また短い文章にそれだけの効果が含まれているということでもある。
ビジネスを成功に導いた功労者たちも企画書は簡潔にすべきだ、と
口を揃える。いまや当たり前となった商品や事業の、企画書を見てみよう。

本の中で紹介されているのは有名企業の社長や役員。みな日本人なら
誰でも知っているような商品や事業の火付け役となった人物たちである。
引用されている彼らの言葉は、「さすが」と思わせる魅力的な話ばかり。
さながらテレビ番組「ガイアの夜明け」を見ているような楽しさや、
なるほどと膝を打つ面白さがあった。しかし、残念なことに紹介人で
ある作者のナレーションが非常にお粗末である。この本のタイトルは
『企画書は一行』確かに「企画書」のみならず「ビジネス書のタイトル」
についても、短文であり、インパクトのある文章が人の目をひく、
という実際を感じることが出来る。だが、この本に書かれているのは、
「企画書は一行にすべきだ」ということではない。そんなこと微塵も
書かれていないのである。「確かに企画書は短くてわかりやすい、
シンプルさがいい」と功労者たちは語っているが、誰も『一行がいい』
なんて言っていないのである。言っているのは作者だけだ。
「企画書は、わかりやすいのがいい」例えば写真を使って、
相手に現実をリアルに知ってもらうのもいいだろう。商品はやはり
実際に使ってみるべきで、社員は自社製品を自分で着るべきだ。など。
様々なアイディア満載で、さすがヒット商品を生み出しただけあるな、
という努力の思考を目の当たりにし、とてもためになった。
したがって、功労者たちの意見はみな「企画書はわかりやすいのがいい」
「シンプルがいいし、シンプルにするにはアイディアが必要だ、
そのための努力は惜しまない」、とそのようにわたしには聞こえた。
極めつけ、作者の「おわりに」には、「読んでこられた方は理解された
だろう―(中略)企画書の一行とは内容のまとめではない」とある。
一番理解していないのは作者じゃないか? なんだかイライラする本だった。
取材に答えた方たちの話はとてもいいので、それを楽しむならいいかも。
みなさま作者の杜撰なタイトルに騙されませぬよう。
「ビジネス書のタイトル」は「企画書」ではない。

★★★☆☆*80

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コメント

こんにちは。時折さんおブログからリンクをたどってやって参りました。ぼくも、細々とブックブログをやってます。
さきほどるいさんのブログ、ざっと読ませていただきました。ぼくの感想と、重なる部分と違う部分があって、とても興味深く読ませていただきました。

さて、この本について。ぼくも数年前に読みました。感想はまったく同感。ブログに掲載せず捨ててしまいました。本当に、最近の新書は当たり外れが大きいですよね。昨年、こんな記事を書きました。
http://muratyan.cocolog-nifty.com/book/2010/04/post-f9cc.html

ではまた。今後も読ませていただきます。

投稿: むらちゃん | 2011年1月 6日 (木) 02:28

>むらちゃんさん

こんにちわ、遠いところまで足をお運び下さりどうもありがとうございます。
専ら小説畑な上に、毒舌な文句ばかり吐いておりお恥ずかしい限りです。
わたしも時折さんにはいつもお世話になっています。
最近ビジネス書や自己啓発本にも手を伸ばし始めたのですが、
手を伸ばす先々アタリが少なすぎて途方に暮れておりました。
先ほどむらちゃんさんのところへお邪魔してきましたが、心強い救世主が!と、
うきうきして帰ってきました。のちほどじっくり読ませていただきます。

本作製に対する安易な気持ちについてですが、わたしもまったく同意です。
最近は校正すらきちんとされていない本があって、
おいおいおいと呆れ気味な気持ちになる時すらあります。
噂によれば、修正箇所や乱丁を問い合わせると酷く冷たい出版社もあるとか。
なんでも速く安くとりあえず作ればいいってものではないですよね。
安かろう、悪かろうでは、内容まで安く悪いような気がしてきます。
編集があっての本でもあると思いますし。そのような見えないけど、
推し進められている杜撰さに、人はお金を出さなくなっているんだろうな、
と思います。

早速とてもためになる記事をありがとうございました!
こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。

投稿: るい | 2011年1月 6日 (木) 23:23

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