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2010年12月21日 (火)

【映画】ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト

101221
言わずと知れた「ザ・ローリング・ストーンズ」の実際のライブ映像を元に
作られたドキュメンタリー映画。現在早稲田松竹でリバイバル公開中。
観た事がない方は、是非映画館で観ていただきたい。今まで観た映画の中で、
「映画館で」観たい映画の最上位。まるで目の前でライブを観ている気分だ。

セット・リストがなんと当日の開演直前まで分からない!ステージの大道具や
照明スタッフがてんてこ舞いする中、悠然と構える破天荒バンド、
ザ・ローリング・ストーンズ。一曲目が何なのか分からないままスタート
したライブの始まりは『ジャンピン・ジャック・フラッシュ』だ。
颯爽と中央ステージに登場したミック・ジャガーには、大量のスポット
ライトがあてられ、大歓声が巻き起こる。次々に繰り出される圧巻のダンスと、
迫力と貫禄の演奏。今60歳を超えた彼らの魅せる最高のエンターテイメント。

まるで目の前で本物のライブを観ている気分。スクリーンの中一曲が終わる
ごとに、思わず拍手をしてしまいそうになった。特にミック・ジャガーの
音にとり憑かれたように踊る軽快なダンスは、スクリーン越しの客席をも
惹きつけ目が離せず圧巻である。60歳を超えたバンドとは思えない。
だけど、時折アップになるミック・ジャガーやキース・リチャーズからは、
なぜかひどく「老い」を感じるのだった。それを顕著に感じる理由は、ふいに
挟まれる過去の映像のせいだった。演奏の合間には、若かりし頃のメンバーの
インタビュー映像やニュース特報などが淡々と流される。20代デビュー
したての彼らは、生意気な発言を繰り返しひどいものだった。
他にも足を組んだだらしない格好に、酒を飲みながらのインタビュー、
おまけに逮捕映像や、釈放映像まである。素晴らしいライブ映像の合間に、
散々な過去ではないか。しかし、次の瞬間に再び60歳の
現在のライブ映像が映し出されると、なぜかわたしは泣いているのだった。
一番印象に残っているのは、デビュー2年目のインタビューだった。
「これから先どうなると思う?」とインタビューワーに聞かれた
ミック・ジャガーはこう答えるのだ。「先のことなんてわからないよ。
もしかしたらあと1年くらいなら続けられるかも知れないけどさ」
昔も今も、ライブバンドがそれだけで生活を立て生き残るのは至難の業である。
今や世界中に人気を博すザ・ローリング・ストーンズですらも、
デビュー2年目には、不安な未来を抱えていた。あと1年で終わるかも知れず、
終わらないかもしれない。まったく先の見えない未来には希望よりも
恐怖が広がっているようだった。けれど、実際のところ彼らは60歳になるまで、
弾き続けている。現在には、あの時の不安が確固とした何かに変わり、
生きてた。ステージで踊り狂う老いたミック・ジャガーからは、
言いようのない生命の躍動を感じ、最高の人生を勝ち取った人間の見せる、
笑顔があるのだった。「60歳になっても弾き続ける?」「もちろん!」
音楽を超え、「生きる」ということを投げかけられる、素晴らしい映画だった。
本当、この構成は最高だと思う。ずるいと思いながらも引っかかってしまうのは、
本当にすごいからだ。なぜなら、そこで今彼らが変わらず彼らの音楽を
奏でているから。是非とも映画館でご鑑賞を。それでも安いくらいだと思う。
一生懸命に生きる人間は最高に格好いい。

★★★★★*95

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