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2010年5月15日 (土)

「かもめ食堂」 群ようこ

かもめ食堂 (幻冬舎文庫) かもめ食堂 (幻冬舎文庫)

著者:群 ようこ
販売元:幻冬舎
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何だかんだいって群さん初めてだったかもしれない、とか思いました。
わたしダメなのですよね、こうほわほわした感じの……。群さんを初め、
よしもとさんとか、そのへんは意識的に手に取らない傾向があります。
が、なんだか気分を変えたかったので、今回は読んでみました。しかし……

古武道家の教育熱心な父によって、サチエは厳しく育てられた。サチエも
また古武道を習い、めきめきと成績を伸ばしていた。しかし、サチエが
十二歳のとき母親がトラックにはねられて亡くなった。それ以来古武道を
やめサチエは家の切り盛りをするようになった。裁縫は上手くなかったが、
料理はどんどん腕を上げていった。学校にも習いに行き、店を出す決意を
した。しかしサチエは他の生徒が思っているような、イタリアンや、
フレンチは嫌だった。素朴で、簡単な、例えば母が作ってくれたような
料理を出す店にしたい。日本では、客の数やマスコミに取り上げられている、
ということがステイタスになっている。サチエはそのときフィンランドに
店を構える事を決めた。宝くじで金を貯め、フィンランドに飛んだ。
店に人はなかなか来なかったが、二人の日本人と知り合った。
ともにそれぞれの理由でフィンランドにやってきたのだが……。

きっと、映画→原作、で読んでいたら、よかったのかも知れないけど、
わたしは映画を観ていないので、なんかよさが今ひとつ分からなかった。
そもそも映画はだいたいが原作先行なんだから(きっとこの映画もそう)
原作自体で面白みを見出せない時点で、じぶんには合っていないような
気がする。この本はとても童話じみた感じ。いい意味でも、悪い意味でも、
である。たんたんと語られる抑揚のない過去は、まったくサチエの
人間くささ、魅力の部分を説明していないので、イマイチ物語に引き
込まれない。そのうえ、たんたんと宝くじが一億円当たってしまい、
軽々と店を出してしまう。出会う女どおし、反発しあうこともなく、
揉め事は三人とはまったくかかわりのない部分で起きる。なんていうか
そのある意味教訓じみている、ような、なんていうか、こうする気ままな
生活ってよくないですかって言われてる、ような、なんていうか、
フィクションだけどこんなこと考えるのも悪くないでしょと押し付けられ
ている、ような、そんな気がするのだった。「大人の童話」みたいである。
それをいいと思えるかが心の広さ(わたしは狭い)の問題に関わって
来る気がする。もちろん、楽しめる人が多いのだろうけれども、
わたしはその「よさ」が今ひとつ分からなくて残念である。

★★☆☆☆*65

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