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2010年4月 1日 (木)

「深泥丘奇談」 綾辻行人

深泥丘奇談 (幽BOOKS) 深泥丘奇談 (幽BOOKS)

著者:綾辻行人
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というわけで、綾辻さんを読んでみた。ははあ、このような、ですか。
何だかミステリというような、違うような……と思って読んでいたら、
やはり、ミステリー雑誌ではなかった。『幽』……はっ!!これは
もしや乙一の微妙なミステリの載っていた雑誌……の、ような気がする。

「悪霊憑き」
私の住む街の東地区を流れる一級河川、黒鷺川の支流の一つに、
深陰川と呼ばれる川がある。地元の者でもなければ名も知らないような、
ささやかな川である。その川である日ある事件が起こったのだが、
あろうことか、その第一発見者が私であった。それは、
川沿いの道を十分ほど登った場所であった。気持ちよく晴れた空の下、
私はある女性の死体を見つけた。成り行き上、女性の身元を
確認することになった私は、その顔を見て言葉を失った。
私はその女性の事を知っていた。その上、彼女の顔にほどこされた、
「メイク」に驚愕を覚えていた。そもそも彼女との出会いとは……。

ミステリなのか? と疑問を持ちつつ読了し、あとがきを読んで納得
した。この本は『幽』という、「幽霊」や「怪談」と言った類の小説
を連載している雑誌である。以前乙一もここに連載していて、
とても微妙な「怪談」を繰り広げていた。今回の綾辻さんは、
たしかに「ミステリ」よりは「怪談」より。予備知識なく読んでも、
物語からどこか霊的な恐ろしさ、みたいなものを感じることができる。
しかし……。この本は短編集なのだが、一応連作になっていて、
掲載順に時間が経過している。主人公は体調不良と何らかの霊現象に
悩まされるようになり、妙な音を聞いたりし始める。病院にかかって
みるが、その病院も「いわく憑き」のようで、どうにも怪しげな
雰囲気なのであった。各話において、奇妙な出来事が発生し、
「あれはなんだったのだ……?」的な、短いオチで終了するが、
それが何度も続くとマンネリを感じなくもない。それに連作に
なっているにもかかわらず結局主人公の「症状」は解明されないし、
もやもやとした「いわく憑き」の部分も、そのまま放置された状態で
終了されている。え? これで終わりなん? と、最後のページを
捲った瞬間に思った。ので、続編が出るのかもしれない。
けれども、このオチの浅い繰り返しが、2巻も出るのはちょっと……
と思うので、できるなら1冊で、ぎゅっと凝縮してくれた方がよかった
のではないか、と思う。しかしながら、綾辻さんは面白い。
大御所とか、ミステリ的堅さ、とか考えるのを呆れてしまうくらい、
これは頭からギャグとして描かれた本である。もちろん、真剣に。

★★★☆☆*83

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