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2010年3月19日 (金)

「キノの旅 Ⅶ」 時雨沢恵一

キノの旅〈7〉the Beautiful World (電撃文庫) キノの旅〈7〉the Beautiful World (電撃文庫)

著者:時雨沢 恵一
販売元:メディアワークス
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この本は一体いつまで続くのか……最近電撃の新刊情報は、さっぱり
追いかけていないのでまったく分からないのだが、確か今12巻とか13巻
だった気がする。そしてこれは7巻。このままの状態で、倍の長さ続く
のか、と考えると正直辛い気がするのだが……巻き返しを期待したい。

「嘘つき達の国」
キノとエルメスが着いたその国には、キノが使える城門は一つしか
なかった。門をくぐり抜けた先には、太い木が雑然と伸びる森が
広がっていた。キノがエルメスのエンジンをかけようとした時だった。
森の中から、男が一人走ってきた。
「やあ旅人さん、どこかで僕の恋人に会わなかったかい?」
男はしきりに恋人のことを尋ねた。キノが恋人を見ていないことを
伝えると、しかし男は諦め切れない様子で、彼女は旅に出たが、
必ず戻ってくる約束をした、と話し始めた。街中に進み、キノが森の中で
あった男の話をすると、恋人を失った憐れな男の話を教えてくれた。
恋人を殺され気が狂ってしまった男は、彼女が帰ってくるのを、
ずっと待ち続けているというのだが……。

ひとつ前の巻を読んだ時にも思ったのだが、これはゴーストライター
が書いたのではないか、という疑念がある。いや、たぶんご本人なの
だとは思うのだが、そう思ってしまうくらい、最初の方の巻との
筆の運びが違うのだった。1巻では、凝縮された味が詰まっていて、
すぐに2巻目を読みたくなるくらいの中毒性を感じた。パターン化した
物語の進みの中で(森の中に一本の道があった。そこを一台のモトラド
(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)が走っていた。という
冒頭がとても好きだった)しかし、ハッとさせられる瞬間がある。
それは短いながらも、各章の中にそれぞれ収められており、他にない
魅力を感じたのだった。でも、この巻にはそれがない。言葉は悪いが、
誰でも書けそうである。そもそも7巻も続いているので、マンネリが
生まれているのもあり、また、ネタ切れのためか、テーマが日本寄り
になっているのも残念に思うことの一つである。そもそも、キノの昔の
名前は「×××」という設定になっていることから、日本、という
枠内で展開されるものとして考えられたのかもしれないけれど。
やはり何度も例えを挙げるが、「コロシアム」なんかを読んだのを
思い出すと、現在とは違う魅力が確かに存在していたように思うのだった。
たぶん読んでいるみんなが期待しているキノと師匠の過去と、
キノの行く末(きっとまだ旅は続く……とか言って終わりそうだが)、
に期待したいところ。結構間隔を空けて読んだつもりだったけれど、
もう少し空けてもいいかもな、と思ってしまった。残念。
しかし、ちょっとした時間、例えば数分電車に揺られる間とか、
を埋めるには最適な本である。

★★★☆☆*85

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