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2010年3月17日 (水)

【試写会】ソラニン

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例のことく会社のお姉さんに試写状を貰ったので、観てきました。
前にライブでサンボマスターを観たときに、会場にポスターが貼って
あって気になっていました。ただでラッキー、ありがとうございます。
ちなみに原作は読んでおりません。読んでいたら変わっただろうか?

大学の軽音サークルで知り合った芽衣子と種田は、社会人になり、
同棲生活を送っていた。音楽で食べてゆくという夢を諦め切れない
種田は、フリーターを続ける傍ら学生時代の友人たちとバンドを
組み、しかしいまいち現実を踏み切れずにいた。音楽が好きだから
こそ、挑戦し敗北したときに、その職業では暮らしてゆけないと、
突きつけられることが怖い。そんなとき、芽衣子は平坦な
OL生活に嫌気が差し、会社を辞めてしまった。職のない芽衣子と、
夢を実現できない重圧に悩んだ種田は家を飛び出してしまう。
数日の音信不通の後、戻ってくることを約束した種田だったが、
帰り道で事故に合ってしまい、残された芽衣子は……。

一言目の感想は、もっと感動するはずの物語なのに。であった。
原作は読んでいない。けれども、きっと原作の方がいいはずだ、
というのがひしひしと感じた映画だった。語弊のある言い方をすると、
漫画、というのは、大衆的ではない。なぜか? それは読む人、
というのが大抵決まっているからだ。例えば連載されている雑誌。
この原作は「週刊ヤングサンデー」、いわずもがな青年男性向けである。
なので、第一ヒットするとき、それを読んでいる層・青年男性の間で
起こる。そして、だんだん広まってゆく。あの漫画が面白いらしい、と。
しかしまず考えてほしいのは、この物語は「バンドを志す」物語である
こと。現在の日本でロックバンドを一般的に志すのは男の人であること。
「だんだん広まってゆく」間、広まるのは、「バンドが好きな男女」が
比較的多いこと。である。ということは、どういうことか、というと、
「バンドをやってみたい」と思う心が分かる人、なのである。
(わたしの極論なので、怒らないで下さい……)
だが、映画はどうだろうか? 映画に「層」はない。なぜか。その
物語が、何か(雑誌とか)を媒介することなく、宣伝されるからである。
一般大衆向け。老若男女に、「面白いです、ぜひ観て下さい」と
宣伝するのだ。で、どうなるか、というと、ほとんどの人は、
「バンドをやってみたいと思わない」だったり、「バンドをやって
みようという思考がない」人だったりするわけである。この物語の
始まりは、というと、種田という男がロックを志すところから始まる。
「俺、ミュージシャンになりたい!」ここで、観ている人は置いてき
ぼりである。例えば六十代女性が、素直に共感できるか? というと、
それはありえない。「わたしもなりたい!」と、なぜミュージ
シャンになりたいのか、ストーリーがないので、まったく思えない。
「へぇ今の若い子はこうなのね」と、ただ思うだけだろう。
だから、その後に続く、宮崎あおいの志しも、いまいち分からない。
死んでしまった彼の志しを、受け継ぐの!、という気持ちは分かっても
そもそも、種田のなぜバンドをやるのか、という志しがわからないので、
煮え切らない感情になるのである。わたしは、バンドを志していない。
けれども、もう数年ライブハウスとバンドという環境に囲まれて、
ようやく分かったことがある。ミュージシャンも、元はただの人間、
ということである。サラリーマンをしている人と、その昔は同級生で、
同じ馬鹿な子どもであったように、ミュージシャンであっても、
何も変わらないただの人なのだと。ただ人前に立つ、たった少しの
勇気を持つことで、誰しもミュージシャンになれるのだと。
「どうせわたしなんか」と全ての人間が思い、けれど、歯を
食いしばれば、その壁は越えられるのだと。その大きく見えがちな壁が
実は低いのだと、そこに重きを置いて重点的に描けば、この物語は、
同じものでも段違いに感情移入の出来る、感動的なものになったと思う。
あおいちゃん歌普通に上手い。ライブシーンは、拍手をあげたい。
だから、「わたし、今日ステージで歌ったよ」
という最後の呟きが、生きていないことが、残念でしかたないのだった。
音楽は大変豪華。アジカンから始まり、サンボの近藤さんといい、
え、あの人も?!、な豪華さ。音楽好きは↑上記を気にせず、
楽しめるのではなかいか、と思います。惜しい。

★★★☆☆*83

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コメント

お久しぶり!

時々ブログ読ませてもらっていたのだけど、私もこの映画の試写会に誘われて観てきて微妙な感想を抱いたので思わずコメント。

自分は原作を薦められて読んではまったクチで、芽衣子さんが宮崎あおいというキャストが発表された時点で、可愛すぎてちょっとイメージが違うなって思っていたのだよね・・・。
種田も全然イメージじゃなかったし、とにかく期待しないで観たけど・・・うん・・・やっぱり原作が良いからに尽きるっていう感じだったね。

でも、アジカンの原曲「ソラニン」は凄く良いし、サンボの人はイメージぴったりだったし、音楽を担当しているのがストレイテナーのホリエさんだし、音楽については満点だったなあ。
ギターロックな曲になっているのが嬉しかったし。

でも・・・うーん、素材を活かしきれていなかった感じだったね。。

そういえば、吉田さん原作の「パレード」はもう観た?
林君がなかなか頑張っていたよ。今までのイメージとはまた全然違うね(笑)

投稿: すきま風 | 2010年3月28日 (日) 21:29

>すーちゃん

おおお、お久しぶり~。
元気? 就活はいかほどでしょう?

↑上の感想に書かなかったのだけど(原作を読んでいないから)、
高良健吾と宮崎あおいの割合がおかしかったのかもね。
宮崎あおいが頑張る姿をもっと長く書けばよかったのに、
この映画だと、【高良:宮崎=6:4】って感じで、
ちっとも感動しなかったんだよなーと。
原作もそうだったのなら仕方ないのかも、と思ってたけど、
原作はいいってみんな言うから、きっとその辺が分かれ道だったのかと。
原作ファンにはイメージ違いも大きかったのかな?

曲は始まった瞬間に笑ってしまいそうなほどアジカンだったね。
アジカンなのに、サンボマスターいるよ!みたいな、
ちょっと面白いことになってたな(笑)
そうそう、テナーのホリエさんやら、EdBUSの水野創太やらで、
大変豪華だったね。音楽は何一つ文句がない映画だったよ。

高良健吾ってわたしも一緒に見たアレだっけ?
忘れてた(笑)桜井さんの方の映画に出てた男の子だっけね。

「パレード」観たよ。試写会外れまくって公開日が待ちきれなかったわ。
林君がんばってたねー。いい成長じゃないかと。
そう言えば言ったっけ?会社の近くの韓国料理屋で、林君を見たよ(笑)
だいぶ前の話だけれどもね。

暇があったらご飯でも食べ行こうぜ~。

投稿: るい | 2010年3月29日 (月) 15:26

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[[attached(0,style=MARGIN-LEFT: 1px class=popup_img_240_400 width=240 height=400)]] OL2年目で会社を辞めた芽衣子と、音楽の夢をあきらめられないフリーターの種田は不透明な未来に確信が持てず、互いに寄り添いながら東京の片隅で暮らしていた。ある日、芽衣子の一言で仲間たちと「ソラニン」という曲を書き上げた種田は、芽衣子と一緒にその曲をレコード会社に持ち込むが……..... [続きを読む]

受信: 2010年3月28日 (日) 21:22

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