« 2/18a flood of circle@池下CLUB UPSET『PARADOX PARADE』 | トップページ | ■雑談:放棄中、すみません…… »

2010年2月21日 (日)

【映画】パレード

20100221
待っていました。以前吉田さんのサイン会に行った際、
「間違いなく今までの映像化の中で一番いい、期待しててください」
とおっしゃっていたので、それはそれは期待しておりました。
そのとおり、今までの映像化の中で、一番良かったです。

(小説のあらすじより)
ひょんな事から始まったヘンテコな四人の生活は、まるで密入国者。
芸能人の彼氏を待ち続ける琴美に、酒豪で売れない絵師・未来、
やる気のない大学生・良介に、寝言の奇妙なサラリーマン・直輝。
そして一人傍観しいるような、男娼・サトルの登場。
適度な馴れ合いと適度な詮索で、微妙な愛情や友情が生まれても、
結局のところ、お互いの事を本当はよく知らない。
この2LDKのマンションでは、皆、それぞれ仮面を被っているようで、
笑い声が響くその空間は、誰か違う五人が生活しているようだ。

「俺だけが酷く恨まれているように感じた」
と藤原竜也に最後に一言呟いてほしかったのだが、
流れ的には「そうではない」という感じになっていた。原作の
直輝メインで語られる章では、その言葉が生きていたんだけど。
これまでの3人と同じように進んでいるはずの章だが、なぜか周りの
人間がよそよそしい感じがする。ねぇ直輝君どうしたらいい?と自分の
相談をしながらも、直輝の話を聞いてくれることはない。だんだんに
その鬱憤がたまり直輝は狂い始めるのだが、その狂ってゆく様子を見て
それを認識しながらも放っておかれているような、ひどくヒヤリとした
感情を感じることができる。「俺だけが酷く恨まれているように感じた」
と、そしてこの言葉がとてもよく映えるのである。しかし、この映画では、
その狂い始める原因というのがはっきり描かれておらず、(いや、
原作でもさしてはっきり描かれてはいないのだが文章だからのちのちに
伝わってくるものがあるが、映像ではそれがないという点で)元々
直輝が人を殺したがる人間だった、みたいな風に映っていたように
感じた。事実が知らされる最後で、原作とは違った「え?!」と言う
驚きを感じたのではないだろうか。まぁわたしは原作を何度も
読んでしまっているので、素直な感想は出ないが、原作と同じ感情を
得られるラストか?と言われたら、違う、とただ驚くだけだ、とそんな
感想を持った。文句を続けたけれど、行定監督に、この豪華キャスト。
よくないわけがないのである。一見楽しそうなルームシェアの生活に
見えかくれするダークな空気。みなそれに気づきつつも、見ないふりを
する。ここにいたいから、と微笑み歪んでゆく「なにか」を止めよう
ともしない。人物では特に藤原君はすごかった。別に顔が好き
とか、タイプであるとか、まったくないのだが、やはり彼は凄い、と
素直に思った。そこに「直輝」がいるのである。一人のキャラクターを
作るという点で、ブレがなく、まるで「その人」に成りきっている。
(それが原作の「直輝」であるかは別として)
今回もデスノートの時と同じ、キレものの若い男役であったのもよく、
まさに適役だと思った。サトル役の林君もよかったな。今までは、
「セリフ喋ってます」みたいなぎこちない演技が多かったが、
今回は一皮むけたような、とてもいい「サトル」に見えた。また出番が
増えそうで楽しみである。観て損はしないな。是非、観てください。
みなさまもぜひ吉田ワールドに。一度入ると戻れませんよ。
あのみんなが最後に見せる表情、たまりません。

★★★★☆*88

|

« 2/18a flood of circle@池下CLUB UPSET『PARADOX PARADE』 | トップページ | ■雑談:放棄中、すみません…… »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/126354/33515252

この記事へのトラックバック一覧です: 【映画】パレード:

« 2/18a flood of circle@池下CLUB UPSET『PARADOX PARADE』 | トップページ | ■雑談:放棄中、すみません…… »