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2009年12月 1日 (火)

「九月の恋に出会うまで」 松尾由美

九月の恋と出会うまで 九月の恋と出会うまで

著者:松尾 由美
販売元:新潮社
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多分初松尾さん。前他の本を少し読んで投げた記憶がある。苦手である。
何も松尾さんに問題があるわけでもなく、他の人が読んだら、
きっと面白いと思うだろうけど、市川拓司と同じ理由で苦手である。
感動するパラレル奇跡な物語。そんなこと起こらない、と心が思う。

部屋で趣味のカメラの現像を行ったところ、隣の住人に文句を言われて
しまった。異臭がするというのだ。カメラの現像を行っていると
説明すると、写真屋さんに出せないなんて、いかがわしい写真でも
撮ってるんじゃないのか、と言いがかりをつけられた。腹が立った
わたしは早々に引越しを決め、不動産屋に駆け込んだ。
引越しの理由を伝えると、新たな引越し先でも同じ理由で断られて
しまった。諦めかけたその時、少し変わった条件の物件を紹介された。
他のところで三箇所以上断られた人のみ入居できると言う、
芸術をする人限定の物件。人目で気に入ったわたしは、そこに住む
ことにした。そこに住んでいるのはわたしを含め四人。隣には
平野という男性が住んでいるらしい。ようやく引越しが落ち着いた頃、
不思議なことが起こり始めた。なんと一年前のシラノという人物の声が、
わたしにコンタクトを取って来たのだった。シラノは平野さんを
尾行して、それを写真に収めろと言うのだが……。

あらすじがよく分からない原因が、この本のキーとなる、
「とある事件」が発生するまでに本の約半分が費やされているから。
物語の始まり、始まり、そんな感じの始まり方。
なぜその物件に引っ越すことになったのか、が本の半分……。
うむ、なんかもっとコンパクトにしてもいいのではなかろうか。
そのせいで、最初はほのぼのムードの前半に比べて、
突然小難しくなる後半とのギャップにわたしはついていけなかった。
しかもパラレル……熊のぬいぐるみがしゃべるし……
ちょっと乙女チックすぎたようにも思う。それと、一年前のシラノ
と名乗る男の登場だが、ラストには、実は現実の人間で、
主人公を救おうとしていた(という奇跡にみせかけた努力)
というならわかるんだけど(倉さんが言ってるように、ロマンだ)
この話は結局未来からの電波交信だった。あーパラレルなんだー…
と気づいて残念に思った。いや、でも普通の人が読んだら、
面白いと思うんだけど、わたしはどうにもそれが無理だ。
とても現実主義者なので、中途半端なパラレルがとても嫌いなのだった。
と言うわけで、いつにも増して個人的な、感想なんでお気をつけて。
上橋さんとかまで、しっかりしたファンタジーまでいってしまえば、
楽しめるんだけどなぁ、とかぶつぶつ。未来と交信、できたらいいな、
とそれだけはちょっと思うけどね。出来ないんだよね、実際。
あぁ、わたしは想像力と夢のない残念な人間です。

★★☆☆☆*65

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