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2009年12月31日 (木)

「幻惑密室」 西澤保彦

幻惑密室―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫) 幻惑密室―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)

著者:西澤 保彦
販売元:講談社
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今年最後の本は、西澤さんでございました。間違いなく今年のミステリ
ナンバーワンヒットでした。楽しい時間をありがとうございます。
と、言いつつ、この本はそうでもなかったんですけれども。むむむ、
このくどさ、というか余計な描写の按配がなんともな、と。

健康器具開発会社<ゲンキ・クリエイト>を一代で築き上げたワンマン
経営者、稲毛孝の声掛けにより、新年会が予定されていた。
社長宅にお邪魔するということで緊張していた松岡治夫だったが、
実際に稲毛宅に着いてみると、そこにいたのはたった三人の社員だけだった。
美形なだけで能無しと有名な男性社員に、社長のお気に入りと言われている
秘書と受付の女性である。ここで本当に新年会が行われるのだろうか?
治夫はそわそわし始めた。と、言うのも、治夫は稲毛の妻と不倫関係に
あったからであった。これは新年会と見せかけたクビ宣告の場ではなかろうか。
そんな時、稲毛に食事の調達を命じられていた秘書の女性が、
玄関のドアが開かないといい始めた。そこにいた全員で玄関を調べに行ったが、
やはりドアが開かなかった。ドアノブをつかもうとすると、くるりと駒の
ように周ってしまい、ドアを開けられないのである。屋敷に閉じ込められた
人間が途方に暮れるころ、トイレに行って帰らない稲毛社長が殺されている
ことがわかった。この奇妙な密室で行われた犯行とは?!

くどい……。ちょっと残念である。このくどさが半分だったら、
面白かったと思うし、ページ数も半分であったように思う。なんて言うか、
ここまでくるとしつこいな、と思ってしまうのはわたしだけだろうか。
好きなんだけどなぁ、西澤さん。ミステリィ自体はと言うと、超能力を
メインにしたミステリィ。この超能力はキチンと確立されたものなのか?
ちょっとわかりませんが、一時間しか効力がない催眠術を利用した犯罪。
連続で使えるのは四回までで、一回使うごとに、一時間という効果時間が
どんどん減ってゆくというシステムが最初に説明され、この能力を一体
誰が使ったのか、という推理に続いてゆく。そこには、超能力を使った
記録が残るという、カードがあり、使用した時間も分かる。
しかしだいぶ空論推理、な呈である。なんと言っても、超能力というのは
目に見えないので、実証と言うのはその数値を計るカードしかないわけで、
なんとも頼りなげである。しかし、話が進んで行き、超能力効果工程表を
みたとき、なるほど、確かにこんな推理もありかも知れないと思った。
だた思ったとおり推理が進んでちょっと残念であったというのが一つ。
超能力と言う言葉にかまけないで、最後までミステリィして欲しかった。
最後にこの犯人を持ってくるのは、どういった効力があるのか、とか、
真面目に考えてしまった。西澤さん、結構社会派だから。でも女性進出の
社会について考える男性考の記述が多くて、印象狙いかとちょっと微妙。
あと動機というか、偽りの開催予定新年会設定がなんとも西澤さんらしくて、
だいぶ濃かった感もある。うーむやはり殺人に不倫はつきものなのか、
とか思いつつ、西澤さんピンク過ぎない方が丁度よくて好き、とか思った。
ここまで、自分の趣味を曝け出している作家も少ないよな、とか、
笑ってしまったりして、好きなんですけど、あんまり楽しくなかった。

★★☆☆☆*75

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