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2009年11月20日 (金)

「セリヌンティウスの舟」 石持浅海

セリヌンティウスの舟 (カッパノベルス) セリヌンティウスの舟 (カッパノベルス)

著者:石持 浅海
販売元:光文社
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時間が経つのって怖ろしいね、石持さん1年以上ぶり。嘘?!って感じ。
そう言えば今年は読んでなかったしなぁ、悪いことしました、とか
言ってみたりして。石持さんは好きなミステリィ作家の一人です。
いいときと悪いとき相当差があるんだけどね……そこんとこ森さん以上です。

初めて会うようなダイバー同士だったが、奇跡的な生還を遂げた六人は、
運命の絆を覚えていた。親友や家族とは違う、特別な絆。普段は
頻繁に会ったりするわけではないが、それでも会えば心の打ち解けた
会話をし、やはりあの絆は確かなものだと確認できた。六人でダイビングに
出て、三好の家で酒を飲むことは恒例の行事である。その日も泳ぎ終わり、
三好の家に着いた六人は、いつものように泥酔していた。僕は水を飲もうと
立ち上がると、五人の姿を確認した。みなそれぞれ酷い格好で眠っている。
まるで大学のサークルのような悪い酒の飲み方である。時計は午前五時半。
起きるにはまだ早いだろう。水を飲み、トイレへ行き、もう一度寝ようと
したとき、僕はテーブルに突っ伏して寝ていた美月の様子が
おかしいことに気づいた。美月の腕の下には、長々と書かれた遺書があった。

一言言うと、長くてくどい。西澤さんを軽く超えました。笑
笑い事ではないんだが、長くてくどい印象になってしまう原因がある。
一つは、ヒントが微妙すぎる。微妙というのは、奇妙とかそういう意味
ではなく、「なるほど!」と思えない細微なもの、という意味。
普通の人では気にも掛けない細微な突っかかりをちくちくと突付いている、
そんな印象の小説だった。そもそも、警察では気づかなかった、
6人だけの真実を探そう! みたいな内容なので、コンセプト通りではあるの
だが、何ともまめまめしい印象なのだった。「その人の性格による」と
言ってしまえば、一瞬で片付くことを、「いいや、美月はそんなことしない」
と言い張って、出口のない推理を進めてゆくのである。まぁ、出口のない、
というか、出口はあるのだが、その出口がある様子を「セリヌンティウス」
と言う名前を文字って、いてこれももしわたしがその場にいたら、
「あぁ、う、うん」という微妙な返事をしてしまいそうな感じだった。
たっぷり説明されているが、ちょっとこじつけられている気もするし。
そこで元を辿り、自殺に意味を持たせるというところで、あぁやはり
間違った物語だ、と思った。きっと石持さんは友達が自殺をしたことが
ないんだろう。まぁ、大抵の人はないと思うけど、友達が自殺をする、
というのは、そんなに軽いもんじゃない。死んだ友達を思いすぎるあまり、
「わたしが何かしてあげれば彼、彼女はしななかったのではないか」
と夢想してしまい、しばしば悪夢を見るものなのだ。登場人物たちは、
まったくそう言った悩みを抱えていない。運命共同体とまで言っているのに。
本当はどうでもよかったのか? と思えてくる。極めつけは、
美月の死を持って他の五人がこれからも仲良く行くようにだって?
行くわけないんだよ、「なんでみんな助けられなかったんだろう」って
苛まれるんだからさ。と、そんなところからわたしにとってちょっと
いまいちな小説だった。友情って大切よね、とか柄になく言ってみる。

★★☆☆☆*70

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