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2009年11月 9日 (月)

「キノの旅 Ⅵ」 時雨沢恵一

キノの旅〈6〉 (電撃文庫) キノの旅〈6〉 (電撃文庫)

著者:時雨沢 恵一
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あれれ?この巻つまらいぞ。明らかに筆の流れが違うのだが、
煮詰まってしまったのか?ゴーストライターでも雇ったか?(笑)
スマートで軽快な文が売りだったのに、だいぶ弛んだ感じが出ている。
何でだろ?エルメスとキノの性格が変わって見えるけど、何でだろ?

「祝福のつもり」
私の名前は陸。犬だ。
白くて長い、ふさふさの毛を持っている。いつも楽しくて笑っている
ような顔をしているが、別にいつも楽しくて笑っている訳ではない。
生まれつきだ。シズ様が、私のご主人様だ。
バギーを修理に預けると、シズ様と一緒に国を見て回ることにした。
中心部の豪華な町並みから外れ、道を進んでいくと、
次第に景色が悪くなり、汚い家々が増え始めた。この国には「身分」
というものがあり、それは絶対なのだそうだ。シズさまがホテルで
佇んでいると、一人の少女がドアを叩いた。「私を買ってください!」
とシズ様に懇願している。貧しい町には仕事がなく、少女は困って
いるようだ。断り続けるシズ様だが、少女は毎日、毎日やって来て――。

短編集が1巻毎に8話前後+巻頭が入っているので、単純に考えても
60話考えたことになる。そりゃネタも尽きるわな……な領域である。
しかし、今までそんなマンネリは感じさせずに続いていたのだが、
今回は普通の文章になってしまったように思った。なんていうか、
今まではぴりりとしまった文で、しかも性格がさっぱりした2人だった
のに、文が緩んで、会話も単調になってしまったように感じた。
しかも会話なんかおかしくないか……?エルメスが妙に妥協しやすい。
特に「花火の国」あたりで。そう言えばこの6巻が出たくらいに
「アリソン」の方の執筆も始まったんじゃなかったか……
関係あるのだろうか、とか考えてしまった。それともう1つ、
ネタ切れという意味もあるいは含むけど、物語の設定が、
とても庶民的な日本よりな感じになってきたからだろう。
最初はとても欧風なイメージで進んでいたように思う(わたしだけか?)
のに、「安全の国」も「花火の国」も思いっきり日本の皮肉である。
うーん「コロシアム」とかの生き生きとした頃を考えてしまうと、
やっぱり物足りなさを感じてしまう。というわけで、あまり
楽しめなかった第6巻だった。当時どうやらここで読み止めたようである。
やっぱり当時のわたしもつまらないと思ったのだろうか?とか思ったり。
散々文句書いたけど、面白いには変わりはない。ただ、ネタ切れ感が
漂っているよなぁ、なそんな感じで。続けて読まないほうがいい、
というのもあるかもしれないな、気をつけよう。

★★★☆☆*78

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