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2009年9月23日 (水)

「ブギーポップ・リターンズVSイマジネーター Part1」 上遠野浩平

ブギーポップ・リターンズVSイマジネーター (Part 1) (電撃文庫 (0274)) ブギーポップ・リターンズVSイマジネーター (Part 1) (電撃文庫 (0274))

著者:上遠野 浩平,緒方 剛志
販売元:メディアワークス
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ブギーポップシリーズは大体読んで再読なんだけど、この本もまた、
よかった。うっかり忘れていたのだが、この2巻は上下なのだった。
「Part2」も買っておけばよかったなぁ、とかもやもや。
そう言えば今日も図書館行かなきゃ。予約期限が切れてしまう。

塾講師・飛鳥井仁の元には、様々な相談者が訪れる。
飛鳥井は人の心の中にある「花」が見えるのだった。
この子には、花がない……努力をしたり、計画性はあるが、
ぱっと輝くような出来事にめぐり合えずに悩んでいる。
しかしそれはどうしようもないことなのだった。
飛鳥井は適当なアドバイスをし、そうした適当なアドバイスをする
自分について悩んでいた。そんな時彼はとある少女に出会った。
少女はなんと宙に浮いていたのである。
「あなたには出来ることがあるわ」彼女は囁く。初めは不審がっていた
飛鳥井だったが、彼女・イマジネーターの言葉に誘惑されてゆく。

表現がとても的確な本である。的確すぎて、ふとするとよさを
忘れがちである。そもそもライトノベルだから、と思ってしまいがち、
というのもあるのかもしれないが、この本はとてもいい表現なのだ。
第一に、悩みのタイプについて。ここには「花」が出てくる。
花がなかったり、葉がなかったり、茎がなかったりする子どもたち。
飛鳥井はそれを見ることが出来るのだが、本人にそれを告げることは
できない。言ったところで何も変わらないのだから、
適当な言葉をアドバイスするだけのことだ。そこに生まれる空虚な
思いが、とてもいい。もう少し大げさに書いてもいいほどだ。
ブギーポップをおびき寄せるために行われる数々の実験と、
そのために心を痛める、人造人間の少女。ここにもある空虚が、
この本の魅力なんだろうな、とまた思う。この本は「Part2」に
繋がっているので、とてももどかしいところで終わっている。
あぁ「Part2」買って置けばよかった。ので、みなさん、
買ってから読み始めたほうがいいです(笑)この本は、
ライトノベルだから、とってもかるーく読めます。だけど、
そこに描かれているのは、精巧にレプリカされた人間の心なんだよね。
かるく、でも何か芯のあるものを味わいたい時に。

★★★★☆*85

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