« 「そして私は一人になった」 山本文緒 | トップページ | 9/29つばき@渋谷CLUB QUATTRO『Beat Happening! MAX VOL.2』 »

2009年9月29日 (火)

「夏のレプリカ」 森博嗣

夏のレプリカ (講談社ノベルス) 夏のレプリカ (講談社ノベルス)

著者:森 博嗣
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


すごい……!けどれども、これを同時に読むことはたぶん至難の業。
主人公の萌絵でさえ、サジを投げているじゃないか。笑
もう少し謎の絡まり具合があると、よかったのかもしれないけど、
まぁそもそも別の事件だからね、仕方がないのだ、と割り切るべきか。

杜萌は久しぶりの帰省に疲れていた。何せ海外からの帰国である。
それに帰ってくるのも二年ぶりとあって、様々な事考えすぎていた。
街の外れの、外れ、この先には簑沢家しかない森の中、杜萌はひたすら
過ぎ去ってゆくタクシーからの景色を追っている。ようやく着いた
実家には明かりが灯っていなかった。こんな時間に外出でもしたのだろうか?
不安になりながらインターフォンを押すと、家政婦の佐伯が出て、
中に入れてくれた。佐伯は帰り、二階にいるはずの兄に声をかけようかと
思ったが、夜遅いので止めた。そして次の日、目が覚めてみると、
家の中には誘拐犯がいた。杜萌は人質となり、また他の家族も、
別の別荘で人質になっていることを知る。身代金は払われるというのだが……。

毎度ながらネタバレ、注意。森さん、何度も言うけれど、最大の欠点は
「どうして殺すのか分からない」だ。そう動機、皆無。この本もまた、
その点でちょっと残念な感じだった。この本の犯人はなぜ人を殺したのか、
という部分にあたって、「昔の女」なのよ、みたいなことを言っているが、
それ以前に、お兄様だの、犬、だの、いろいろ「死」についての話が
出てきているのに、「え、突然どうしたんですか?!」って感じである。
動機が推測できない上に、いやいや、別にそこで殺さなくても、って感じなのだ。
うーん…動機に頷けないってちょっと寂しいんだよな、ミステリーって。
例えばありきたりであっても筋が通ってると安心するものでね、
というのは私だけだろうか。唯一つ、この本が人気な理由は、
萌絵の心理描写であろう。推理とはまったく関係のない部分で、
友人の、歪んでしまった心を見つけてしまう、萌絵の鋭さと後悔。
それがとても上手く描かれている。今までにない「推理」と言っても
過言ではないだろう。でもね、まぁ、事件が微妙なので、そこがよくても、
私はあまりぐっとこなかったんだけどもね。それとそう、この本の
ビックリは、前巻「幻惑の死と使途」と繋がってることで。
しかも繋がりようは尋常ではなく、本当は交互に読むべきなのだと。
かなり疲れると思うけど、読んでみたら何かまた違うのかもしれんな、とか。
でも今のとこまだ読む気はありません。そのうち、読みます。

★★★★☆*86

|

« 「そして私は一人になった」 山本文緒 | トップページ | 9/29つばき@渋谷CLUB QUATTRO『Beat Happening! MAX VOL.2』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/126354/31630795

この記事へのトラックバック一覧です: 「夏のレプリカ」 森博嗣:

« 「そして私は一人になった」 山本文緒 | トップページ | 9/29つばき@渋谷CLUB QUATTRO『Beat Happening! MAX VOL.2』 »