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2009年9月 5日 (土)

「幻惑の死と使途」 森博嗣

幻惑の死と使途 (講談社ノベルス) 幻惑の死と使途 (講談社ノベルス)

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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森さん、どんどん面白い。この本もなかなか面白かった。
そう言えば、この本は密室じゃなかったね、とか思ったりして。
こういう不思議系のほうがいけるんじゃないかと思うんだけど。
あぁ次の巻も気になる。最終巻の分厚さも。笑

「諸君が、1度でも私の名を叫べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」
天才奇術師・有里匠幻は言う。野外ステージで行われた、
大掛かりな脱出イベントには、たくさんの観客が詰め掛けていた。
萌絵と犀川は、他の院生と共にそのイベントを観にやってきていた。
有里匠幻は、ぐるぐるに縛られた挙句、頑丈に鍵のついた箱に入り、
箱ごと池に沈められてしまう。その中から奇跡の脱出を行う、
という寸法だった。みな固唾を呑んで見守っている。
箱が池から引き揚げられ、白い煙幕が会場に満ちた。
そこには有里匠幻の姿があった。歓声を上げる観客だったが、
その声はすぐに悲鳴に変わった。箱から脱出した有里匠幻は、
何者かにナイフを刺され、殺されていたのである。

今回は動機が素晴らしい。今まで読んできた森さんの中では、
一番動機が素晴らしいだろう。何たって、いつも「誰も殺さなそう」
な人物関係が多いが、この話は、誰がどう読んでも納得の動機だ。
そして意外性もある。願わくば、最初の方に、
「有里匠幻と背格好が似ている」と表記があると大変いい感じだけど。
それに、メイクは霊柩車で落としたのだろうか?とか、
様々な細かい疑問があるが、解決策は色々あるんだろう。
それにしてもよかったと思う。本物の有里匠幻の苦悩は
あまり描かれていないが、犀川が「有里匠幻!」と叫んだシーンに、
この物語の全てが詰まっているだろう。
話の中では、ついに萌絵のファンクラブまで出来ており、
警察の情報が筒抜け状態になった。いちいち了承を得るシーンを
書くのが面倒くさくなったんだろうか?とも思いつつ。
犀川と萌絵の仲についても、進展していないようで、進展しているようだ。
この本の章は、奇数の章しかないんだけど、偶数の章は、
次の巻、「夏のレプリカ」にあるらしい。楽しみだな、
どんな繋がり方をするもんかと。きっとあの友だちが出てくるんだろう。

★★★★☆*87

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