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2009年9月28日 (月)

「そして私は一人になった」 山本文緒

そして私は一人になった (角川文庫) そして私は一人になった (角川文庫)

著者:山本 文緒
販売元:角川書店
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久しぶりにエッセイを読んだ。そもそも私はエッセイが嫌いである。
特に小説家のエッセイ。なぜなら、小説家って言うのは作り話を書く人種で、
エッセイもまた、作られた感が否めないからだ。本心、と言うより、
ちょっと着飾った感じを得ることが多いから。でもこの本は良かった。

(本文より)
そして私は一人になった――。
三十ニ歳にして、私はやっと一人暮らしをはじめました。
十代の後半から、ずっと長い間一人暮らしをしたいと願っていたにも
かかわらず、様々な事情に阻まれ、時にはお金や勇気が足りなくて、
あるいは結婚してしまったりして、その希望をなかなか実現できないで
いました。それがこの歳になって「一人暮らしをできない理由」というのが、
一つもなくなっていることに気がつきました。
遅ればせながら、やっと独立宣言です。

この本を読むと、なんだか日記をつけたくなる。私は日記を続けられた
ためしがない。読書録とか、そいうのはまだいいとして、日記は大抵7月頃
になると、ページが白くなる。年の初め、よし!つけよう、と張り切るものの、
毎年、同じようにそうなって、年末まで続かない。きっと心のどこかで、
今年こそは、と考えているのに、何も変わらない単調な毎日に、
いろんな感情が、飽き飽きしてくるんだろう。それと、そう、つけた日記を、
絶対に読み返さないのも、問題なのかも知れない。なんて言うか、
昔の自分が、恥ずかしくて恥ずかしくて、仕方がないのだ。そう思い続けていた
日記というものだけど、この本を読んでいたら止まっていた日記を
つけてみたくなった。今は10月。勿論、私の日記のページは真っ白である。
この本を読むと、何だか山本さんと友達になったような気分になる。
勿論、そんな思い込みの激しい人間ではないが、包み隠さない山本さんの
文章は、まるで読んでいる自分にだけ、秘密を教えてくれているようで、
秘密の日記を見せてくれているようで、何だかとても親近感があるのだ。
山本さんの本には精神病が関わっているような本が多い。
私がそれをとても面白いと思い、また世間一般で評価されるのは、
それだけその病気で悩んでいる人が多いからなんだろう。
終わりに4年後の人気がおまけでついているが、忙しくなった山本さんは、
とても急いている様だ。そして疲れているようだ。それが成長と言うのか?
よく分からないけれど、「4年」と言うのがどういうことなのか、
変わらない毎日に、でも変わり続けるという成長を見せてもらった気がする。

★★★★☆*87

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