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2009年9月

2009年9月30日 (水)

「私が彼を殺した」 東野圭吾

私が彼を殺した (講談社文庫) 私が彼を殺した (講談社文庫)

著者:東野 圭吾
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


それにしても「東野圭吾」という安心感は凄いと思う。東野さんは
取り分け面白いというわけではないんだけど(爆弾発言)、どれもぶなんに、
面白いのだ。どの作品も「ちっ時間の無駄だったぜ」と思わせるものはなく
それなりに楽しんで読了する。読み始める前の安心感が素晴らしいと思う。

鼻炎持ちである新郎・穂高は、式の前に鼻炎薬を飲む事にしていた。
式の最中に新郎が鼻をすするなど、格好がつかないと笑っていた。
しかし当日、花嫁姿に変身した美和子の前に現われたのは、
悶え苦しみ、死に絶えた穂高の姿だった。絶句し、倒れる美和子。
式は騒然となったが、容疑者はすぐに3人に絞られた。
花嫁である妹と恋人関係にあった兄か、仕事の関係上穂高を
快く思っていなかった駿河か、昔の愛人である雪笹か……。
彼らの手中で動き回る、ピルケース――果たして犯人は誰なのか。

この本前に読んだ事があったようだ。犯人を覚えていた。
東野さんには珍しい、空論推理である。実際の現場はほぼ出てこず、
当事者があぁでもない、こうでもない、と言い合うタイプである。
そしてその様相がまさにアガサ・クリスティ。文中にもあるけれども。
この本の一番凄いところは、最後の数ページ、と言うところに来て、
3人の容疑が一旦白になるところだ。「え、誰が犯人?」と、
息を呑む瞬間が、アガサ・クリスティ張りに用意されている。
回答も実に明快で、仕掛けがわければ「あ!」と瞬時に理解できるもの。
これだけ、考え考え来て、終盤に今までの推理をかき消され、
回答を突きつけられたときの、「やられた感」は、さすがだと思った。
一つの難点は、はじめの方で、すでにピルケース怪しいです的な
描写になっているため、否が応でも文を追ってしまうこと。
そこの部分だけ話がくどくどしいので、よく読んで置いてくださいね、
と言われているようだ。それがもう少し薄く、まさか薬で毒殺
とも思わせずに話を進められたとしたら、かなりの小説だと思うんだけど。
それと愛情表現、というか、なぜ美和子が穂高を好きなのか、
とかそう言う「人間味」的などろどろした部分がなく、残念。
東野さんは大抵ないんだよなぁ……どろどろしてるようで、
実はさっぱりしてるんだよな、といつも思うんだよね。それと、
この本は一応加賀刑事のシリーズだけど、ちょっと加賀さんの出番が
地味だったようにも思う、ちょっと脇役的な感じで残念ではある。
そもそも、あまりシリーズを把握して読んではいないので、
「あ、加賀さんだった」という程度なんだけど。新刊読んでみようかな。
とか言いつつ、東野さんは安心して読める作家の一人です。

★★★★☆*86

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2009年9月29日 (火)

9/29つばき@渋谷CLUB QUATTRO『Beat Happening! MAX VOL.2』

200909291756000
9/29つばき@渋谷CLUB QUATTRO『Beat Happening! MAX VOL.2』

■セットリスト

 ブラウンシュガーヘア
 スタイル
 亡霊ダンス
 月の夜にいつもの川
 over
 春の嵐
 覚めた生活
 君がいなければ

月夜よかったなぁ、だいぶ久しぶりに聴いたかも
overは一色誕生日の時のアレンジver.でした

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「夏のレプリカ」 森博嗣

夏のレプリカ (講談社ノベルス) 夏のレプリカ (講談社ノベルス)

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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すごい……!けどれども、これを同時に読むことはたぶん至難の業。
主人公の萌絵でさえ、サジを投げているじゃないか。笑
もう少し謎の絡まり具合があると、よかったのかもしれないけど、
まぁそもそも別の事件だからね、仕方がないのだ、と割り切るべきか。

杜萌は久しぶりの帰省に疲れていた。何せ海外からの帰国である。
それに帰ってくるのも二年ぶりとあって、様々な事考えすぎていた。
街の外れの、外れ、この先には簑沢家しかない森の中、杜萌はひたすら
過ぎ去ってゆくタクシーからの景色を追っている。ようやく着いた
実家には明かりが灯っていなかった。こんな時間に外出でもしたのだろうか?
不安になりながらインターフォンを押すと、家政婦の佐伯が出て、
中に入れてくれた。佐伯は帰り、二階にいるはずの兄に声をかけようかと
思ったが、夜遅いので止めた。そして次の日、目が覚めてみると、
家の中には誘拐犯がいた。杜萌は人質となり、また他の家族も、
別の別荘で人質になっていることを知る。身代金は払われるというのだが……。

毎度ながらネタバレ、注意。森さん、何度も言うけれど、最大の欠点は
「どうして殺すのか分からない」だ。そう動機、皆無。この本もまた、
その点でちょっと残念な感じだった。この本の犯人はなぜ人を殺したのか、
という部分にあたって、「昔の女」なのよ、みたいなことを言っているが、
それ以前に、お兄様だの、犬、だの、いろいろ「死」についての話が
出てきているのに、「え、突然どうしたんですか?!」って感じである。
動機が推測できない上に、いやいや、別にそこで殺さなくても、って感じなのだ。
うーん…動機に頷けないってちょっと寂しいんだよな、ミステリーって。
例えばありきたりであっても筋が通ってると安心するものでね、
というのは私だけだろうか。唯一つ、この本が人気な理由は、
萌絵の心理描写であろう。推理とはまったく関係のない部分で、
友人の、歪んでしまった心を見つけてしまう、萌絵の鋭さと後悔。
それがとても上手く描かれている。今までにない「推理」と言っても
過言ではないだろう。でもね、まぁ、事件が微妙なので、そこがよくても、
私はあまりぐっとこなかったんだけどもね。それとそう、この本の
ビックリは、前巻「幻惑の死と使途」と繋がってることで。
しかも繋がりようは尋常ではなく、本当は交互に読むべきなのだと。
かなり疲れると思うけど、読んでみたら何かまた違うのかもしれんな、とか。
でも今のとこまだ読む気はありません。そのうち、読みます。

★★★★☆*86

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2009年9月28日 (月)

「そして私は一人になった」 山本文緒

そして私は一人になった (角川文庫) そして私は一人になった (角川文庫)

著者:山本 文緒
販売元:角川書店
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久しぶりにエッセイを読んだ。そもそも私はエッセイが嫌いである。
特に小説家のエッセイ。なぜなら、小説家って言うのは作り話を書く人種で、
エッセイもまた、作られた感が否めないからだ。本心、と言うより、
ちょっと着飾った感じを得ることが多いから。でもこの本は良かった。

(本文より)
そして私は一人になった――。
三十ニ歳にして、私はやっと一人暮らしをはじめました。
十代の後半から、ずっと長い間一人暮らしをしたいと願っていたにも
かかわらず、様々な事情に阻まれ、時にはお金や勇気が足りなくて、
あるいは結婚してしまったりして、その希望をなかなか実現できないで
いました。それがこの歳になって「一人暮らしをできない理由」というのが、
一つもなくなっていることに気がつきました。
遅ればせながら、やっと独立宣言です。

この本を読むと、なんだか日記をつけたくなる。私は日記を続けられた
ためしがない。読書録とか、そいうのはまだいいとして、日記は大抵7月頃
になると、ページが白くなる。年の初め、よし!つけよう、と張り切るものの、
毎年、同じようにそうなって、年末まで続かない。きっと心のどこかで、
今年こそは、と考えているのに、何も変わらない単調な毎日に、
いろんな感情が、飽き飽きしてくるんだろう。それと、そう、つけた日記を、
絶対に読み返さないのも、問題なのかも知れない。なんて言うか、
昔の自分が、恥ずかしくて恥ずかしくて、仕方がないのだ。そう思い続けていた
日記というものだけど、この本を読んでいたら止まっていた日記を
つけてみたくなった。今は10月。勿論、私の日記のページは真っ白である。
この本を読むと、何だか山本さんと友達になったような気分になる。
勿論、そんな思い込みの激しい人間ではないが、包み隠さない山本さんの
文章は、まるで読んでいる自分にだけ、秘密を教えてくれているようで、
秘密の日記を見せてくれているようで、何だかとても親近感があるのだ。
山本さんの本には精神病が関わっているような本が多い。
私がそれをとても面白いと思い、また世間一般で評価されるのは、
それだけその病気で悩んでいる人が多いからなんだろう。
終わりに4年後の人気がおまけでついているが、忙しくなった山本さんは、
とても急いている様だ。そして疲れているようだ。それが成長と言うのか?
よく分からないけれど、「4年」と言うのがどういうことなのか、
変わらない毎日に、でも変わり続けるという成長を見せてもらった気がする。

★★★★☆*87

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2009年9月27日 (日)

9/27FoZZtone@新潟JUNK BOX mini『Listen to the music tour 2009』

200909271720000
9/27FoZZtone@新潟JUNK BOX mini『Listen to the music tour 2009』

■セットリスト(順番絶対間違っている)

SE:pandemik

 NAME
 NIRVANA UNIVERSE
 黒点
 JUMPING GIRL
 Rainbow man
 死んだというのは聞かないが 
 ホールケーキ
 ブランケット
 ワンダーラスト
 School
 I play the guitar
 音楽
 シンガロン

END

 World Is Mine

END2

 in the sky

お!「World Is Mine」!
ダブルアンコールまでしっかり楽しかった。

今日で対バンツアーが最終日だから、と言って、
渡會さんは一瞬わざとらしい呟きを入れた。
確か、「音楽」の前か。
さっき言ったのに、わざとらしい。
そう感じてしまうのは、最初から寂しがっていたくせに、
ずっと隠しているつもりだからだよ、隠れてないのさ。

確か、いつだったか、対バンがとても好きだと、言ってたな。
まぁ、めそめそフォズよりも、あるのは期待だよ。

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2009年9月26日 (土)

9/26FoZZtone@金沢vanvan4『Listen to the music tour 2009』

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9/26FoZZtone@金沢vanvan4『Listen to the music tour 2009』

■セットリスト(順番絶対間違っている)

SE:pandemik

 NAME
 NIRVANA UNIVERSE
 黒点
 JUMPING GIRL
 Rainbow man
 死んだというのは聞かないが 
 ホールケーキ
 ブランケット
 ワンダーラスト
 School
 I play the guitar
 音楽
 シンガロン

END

 in the sky

END2

 茶の花

ツアー初のダブルアンコール!だそうで。
そもそも初めからステージの4人がすでに楽しそうだったんだよね、金沢。
3バンドのMCはみんな揃いに揃って、打上げの話。笑
相当、楽しみだったみたいで、
渡會さんも話しながらにやにや気持ち悪いほど笑っていた。
曲中も竹尾さんがキャノンと目配せし、にやにや。
コッシーとキャノンがにやにや。
竹尾さんと渡會さんがにやにや。
渡會さんとキャノンがにやにや。

school?の前奏で、竹尾さんがフロアに下りてきた。
ギターヒーロー降臨。
終始楽しいステージだった。

渡會さん「ライブの後は是非物販を見て帰ってくれよな、特にTシャツ。
フラッドはバッファロー、デトロイトは牛、フォズトーンはマンモス、
みんな、この共通点はわかるか?」

客席「四足歩行」

渡會さん「おいおい、なんか難しいこと言ったな、おい。
もっと簡単に’動物’とかでいいんじゃないか?
みんな’角が生えてる動物’だよな。仲いいよな、俺たち」

こっしー「マンモスは牙だよ」

客席「(笑)」

渡會さん「……おい、何か言ったかコッシー」

こっしー「だから、マンモスは角じゃなくて牙だよ」

渡會さん「お前、……俺のこと嫌いなんだろう」

こっしー「そ、そんなことないよ。……愛してるよ……愛してるっ」

客席「(爆笑)」

渡會さん「(照れる)」

渡會さん「なんだ? この頭の悪い会話は! 
なんか気持ち悪いバンドみたいじゃねぇか」

な、フォズトーンだった。
いやはや、お腹が痛くて大変だったな、まったく頭の悪い会話だわ。

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2009年9月25日 (金)

■雑談:秋休み、再び

いえ、勝手に秋休みなんて言ってるのは私だけなんですが。
またまた遠出してきます。
懲りないやつです、嫌んなりますね。

週明け、本やら何やら、感想書きます。
吉田さん、「キャンセルされた街の案内」よりかは、
「横道世之介」の方が面白いと思います。
まぁ、単に吉田さんは短編よりも長編の方が好きだから、
かも知れないんですけれども。どのみち楽しくてたまらんです。

いつも来てくださっている方、どうもありがとうございます。

***

■読み終わったり、読み終わってなかったりする本たち

・「横道世之介」吉田修一
・「解体諸因」西澤保彦
・「のぼうの城」和田竜(たぶん図書館の期限内に読み終わらない…)
・「そして私は一人になった」山本文緒
・「夏のレプリカ」森博嗣
・「ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーターPart1」上遠野浩平

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2009年9月24日 (木)

9/23つばき@渋谷屋根裏『渋谷屋根裏12周年記念』

200909231807000
9/23つばき@渋谷屋根裏 PLATON『トーキョー・ユース!』発売記念&渋谷屋根裏12周年記念

■セットリスト

 銀河列車
 片道キップ
 花火
 coffee
 亡霊ダンス
 妄想列車
 光〜hikari〜

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2009年9月23日 (水)

「ブギーポップ・リターンズVSイマジネーター Part1」 上遠野浩平

ブギーポップ・リターンズVSイマジネーター (Part 1) (電撃文庫 (0274)) ブギーポップ・リターンズVSイマジネーター (Part 1) (電撃文庫 (0274))

著者:上遠野 浩平,緒方 剛志
販売元:メディアワークス
Amazon.co.jpで詳細を確認する


ブギーポップシリーズは大体読んで再読なんだけど、この本もまた、
よかった。うっかり忘れていたのだが、この2巻は上下なのだった。
「Part2」も買っておけばよかったなぁ、とかもやもや。
そう言えば今日も図書館行かなきゃ。予約期限が切れてしまう。

塾講師・飛鳥井仁の元には、様々な相談者が訪れる。
飛鳥井は人の心の中にある「花」が見えるのだった。
この子には、花がない……努力をしたり、計画性はあるが、
ぱっと輝くような出来事にめぐり合えずに悩んでいる。
しかしそれはどうしようもないことなのだった。
飛鳥井は適当なアドバイスをし、そうした適当なアドバイスをする
自分について悩んでいた。そんな時彼はとある少女に出会った。
少女はなんと宙に浮いていたのである。
「あなたには出来ることがあるわ」彼女は囁く。初めは不審がっていた
飛鳥井だったが、彼女・イマジネーターの言葉に誘惑されてゆく。

表現がとても的確な本である。的確すぎて、ふとするとよさを
忘れがちである。そもそもライトノベルだから、と思ってしまいがち、
というのもあるのかもしれないが、この本はとてもいい表現なのだ。
第一に、悩みのタイプについて。ここには「花」が出てくる。
花がなかったり、葉がなかったり、茎がなかったりする子どもたち。
飛鳥井はそれを見ることが出来るのだが、本人にそれを告げることは
できない。言ったところで何も変わらないのだから、
適当な言葉をアドバイスするだけのことだ。そこに生まれる空虚な
思いが、とてもいい。もう少し大げさに書いてもいいほどだ。
ブギーポップをおびき寄せるために行われる数々の実験と、
そのために心を痛める、人造人間の少女。ここにもある空虚が、
この本の魅力なんだろうな、とまた思う。この本は「Part2」に
繋がっているので、とてももどかしいところで終わっている。
あぁ「Part2」買って置けばよかった。ので、みなさん、
買ってから読み始めたほうがいいです(笑)この本は、
ライトノベルだから、とってもかるーく読めます。だけど、
そこに描かれているのは、精巧にレプリカされた人間の心なんだよね。
かるく、でも何か芯のあるものを味わいたい時に。

★★★★☆*85

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2009年9月22日 (火)

「キノの旅 Ⅱ」 時雨沢恵一

キノの旅〈2〉the Beautiful World (電撃文庫) キノの旅〈2〉the Beautiful World (電撃文庫)

著者:時雨沢 恵一
販売元:メディアワークス
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再読の再読の再読くらい。旅に出ると、つい読みたくなるのは私だけか。
初めて読んだのは確か中学生の時だったけど、今読んでもやはり面白い。
しかし読んでいると、あぁそうかキノは「×××」と言う名前だったのか、
とか、当時悶々としていたことが簡単に分かった。成長したのかな。笑

「優しい国」
森の中に、一本の道があった。
そこを一台のモトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)
が走っていた。運転手はシャツの上に黒いベストを着て、
襟を大きく開けている。黒髪の上に鍔つきの帽子をかぶり、
ゴーグルをはめていた。その下の表情は若い。右腿の位置で、
ハンド・パースエイダー(注・パースエイダーが銃器。
この場合は拳銃)がホルスターに収まっている。
「実を言うとね、エルメス」運転手はモトラドに話しかけた。
「今から行く国は、あまり……、いや、かなり旅人の評価がよくない」
不安を抱きながら入国した1人と1台だったが、予想外に、
国の人々は親切丁寧だった。むしろ今まで受けたことのないほどの待遇だ。
キノは自分の約束をやぶり3日以上滞在しようとまで考えたが、
決まりは守るように警告され、国を追い出されてしまい……。

順に読んでいくと、自然と時系列に並んでいるように錯覚してしまう
もので、しかし、このシリーズは初めに忠告されているが、時系列順には
並んでいない。その証拠に、この「優しい国」では、1巻からの
キノの常備銃である、「森の人」を入手する物語となっている。
おまけに、ここで出会う女の子は、キノの昔の名前(と思われる)
女の子で、特別な親しみを感じている様子が描かれており、
極道……もとい師匠(この巻ではまだ登場はしない)を知る人物
が登場するなど、意味深な物語になっている。
しかし、ここは時雨沢さんらしく、情に落ち着いたりせず、
きっぱりと、なくなる。そう「なくなる」淡く感じたはずの懐かしさと、
人間同士生まれる親しみが、呆気なく消えうせる様子は、
読んだ瞬間に身震いをする。最後に見せた優しさを、突きつけられる
悲しさを、どう処理していいのか、迷ってしまうほどである。
だって、もう、いないのだから。そうした胸の空く思いを、
とても上手く描いている。物語は1巻の方が教訓めいていてよい。
こちらはどちらかと言えば「情」的なものが多くて、
このシリーズのよさが分かりにくいかもしれない。
時間の隙間に、流し込みたい小説ですね、まったく。昔も今も。

★★★★☆*86

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2009年9月21日 (月)

9/21FoZZtone@広島Cave-Be『Listen to the music tour 2009』

200909211747000
9/21FoZZtone@広島Cave-Be『Listen to the music tour 2009』

■セットリスト(順番絶対間違っている)

SE:pandemik

 NAME
 NIRVANA UNIVERSE
 JUMPING GIRL
 Rainbow man
 黒点
 ホールケーキ
 ブランケット
 死んだというのは聞かないが
 ワンダーラスト
 School
 I play the guitar
 音楽
 シンガロン

END

 in the sky

岡山よりいいライブだった。何より楽しかった。
渡會さんの白々しいMCは大変傑作で、笑いすぎてお腹が痛たかった。
「はいはい、カープファンじゃないことはとてもよく分かりました。
そもそも、野球に興味ないんですね、大丈夫です、
そのいい声で歌さえ歌っていただければ」って感じだった。

もうそろそろ中盤ですが、脂が乗り始めたな。
これから観る皆さま、お楽しみに。

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2009年9月20日 (日)

9/20FoZZtone@岡山PEPPER LAND『Listen to the music tour 2009』

200909201715000
9/20FoZZtone@岡山PEPPER LAND『Listen to the music tour 2009』

■セットリスト(順番絶対間違っている)

SE:pandemik

 NAME
 NIRVANA UNIVERSE
 JUMPING GIRL
 Rainbow man
 黒点
 ホールケーキ
 ブランケット
 死んだというのは聞かないが
 ワンダーラスト
 School
 I play the guitar
 音楽
 シンガロン

END

 in the sky

もう1つのお目当て、a flood of circleも楽しかった。
石井さんのベースが変わっていて、にやにや。いい音だ。
「Buffalo Dance」でキラキラな照明に感激。
恐ろしく狭いけど(キャパ100くらい?)、
老舗だけあっていい感じのライブハウスだった。

FoZZはそうね、最初の「NAME」が微妙だったけど、
GAREGEよりははるかに楽しいライブだったな。

それにしても岡山いい街。ちょっと住んでみたい気もする。

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2009年9月19日 (土)

■雑談:秋の大型連休

秋の大型連休
(絶対にシルバーウィークなどと、俗っぽい言い方はしません・笑)
は、出かけますので、また少し更新が止まります。
たぶん、連休半ばには復活すると思いますけどね。

では、みなさんよい休日を。
よい読書を。

***

■読み終わったり、読み終わってなかったりする本たち

・「夏のレプリカ」森博嗣
・「解体諸因」西澤保彦
・「のぼうの城」和田竜(たぶん図書館の期限内に読み終わらない…)
・「そして私は一人になった」山本文緒
・「キノの旅Ⅱ」時雨沢恵一
・「ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーターPart1」上遠野浩平

なんかいい本募集中です。

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2009年9月16日 (水)

「龍宮」 川上弘美

龍宮 (文春文庫) 龍宮 (文春文庫)

著者:川上 弘美
販売元:文藝春秋
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うわー凄い灰汁。いや、いい意味でも、悪い意味でもです。
これをいい本だとお薦めしても、首を傾げる人が多そう。
好き嫌いがはっきり分かれる本だと思います。相当、濃い。
私も嫌いじゃないけど、好きでもない。でもこれが川上味ですね。

「島崎」
わたしは先祖に恋をした。ひとめぼれ、というのだろうか。
七代も前の人間なのだから、めったにお目にかかれない。
恋に落ちたのは、あった瞬間ではなく、それから五分後くらいだった。
わたしはどうにかして先祖と恋仲になろうとした。
先祖は人生相談のようなものをしながら、収入を得ている。
妻がセックスをしてくれません。この十年ほどは毎晩頼んでいるのに、
一回たりとも応じてくれません。妻はわたしより六十歳年下です。
どうしたらよいでしょうか。羽曳野市、二百三十歳。という具合に、
手紙が来るのである。先祖はそれに丁寧に答え、返信をする。
人間はどんなに長生きをしても、悩みが尽きないらしい。
わたしもどうしたら先祖を射止められるかと、ずっと悩んでいる。

すべてが歪んでいる。この短編集の中には、「人間でないもの」が
必ず1人(1匹)以上出てくる。明らかに異様な設定にもかかわらず、
主人公たちは何を驚くこともなく、坦々と物語を紡いでいる。
この「島崎」なんかは、先祖に恋をしてしまう女、を描いている。
先祖、と言っても写真などではなく、何と700歳という年齢で、
生きているのである。そして主人公自体も「年寄り」の分類である。
川上さんはそんな世界を、突然、何の説明もなく、笑顔で、始めるのだ。
だから、読者はぎょっとする。突然異世界に踏み込んでしまい、
きゃろきょろと、辺りを見回し、怯えながら前へ進む、そんな感じ。
「センセイの鞄」でも感じたことだったが、川上さんの本では
「年齢」はまったく関係がない。確かに年を取り、
長く生きることは知恵や知識を学ぶものだが、その「個」たる部分は、
全てにおいて対等であり、だから、年がいくら違っても、
情愛、愛情、友情は生まれるものである、と暗に語っている。
それと、もう1つは、こっそりと隠しに隠された教訓めいた感情。
決して語られない、部分。そこがとてもいい。この話では、
主人公は先祖に振られてしまう。「君は俺の事をあまり好きではないね」
と言われてしまうのだ。肉親から来るのか、その愛おしさと、
けれどひっそりと隠れている、耐え難い嫌悪。なぜなら、
それは先祖だから。自分の血縁者であるから。きっと主人公は、
自分のことがあまり好きではないのだろう。その嫌いな部分が、
もしやその先祖から受け継いだものではないかと、考えるんだろう。
だれど、そんなことは書かれていない。そっとそっと隠されて、
突然核を突かれたときの空虚だけが、不思議な世界と共に余韻となって
心に残るのである。怖い作家だと思う。角田さんと同じ、怖い作家です。

★★★★☆*87

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2009年9月15日 (火)

■雑談:待ちに待ってたの。

す、す、すごい!

吉田修一の『パレード』映画化だ!!
来年春公開予定。
http://www.parade-movie.com/

監督に行定勲
キャストに林遣都

愛してやまない吉田さんに、
行定さんですよ、これ以上ないよね。
本当、最高。
楽しみすぎる。

***

「センセイの鞄」 川上弘美
「女生徒」 太宰治
「中国行きのスロウボート」 村上春樹

読了。
川上さん読みやすいな、
私の大好きな夏目さんの匂いがする。
また読もう。

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2009年9月14日 (月)

「女生徒」 太宰治

女生徒 (角川文庫) 女生徒 (角川文庫)

著者:太宰 治
販売元:角川グループパブリッシング
Amazon.co.jpで詳細を確認する


久しぶりに太宰さん読みました。なんだかんだいって、実は
あんまり読んだことなかったりします。『津軽』とか、『斜陽』
『走れメロス』なんかは読んでますが、語るほど読んでいないな、
とか思ったりもします。しかしやっぱり読みやすくて好きです。長いけど。

「きりぎりす」
お別れ致します。あなたは嘘ばかりついていました。
私にも、いけない所が、あるのかも知れません
けれども、私は、私のどこが、いけないのか、わからないの。
もう二十四です。このとしになっては、どこがいけないと言われても、
私には、もう、直す事が出来ません。あなたは変わってしまいました。
あなたは口下手で乱暴なお人でしたから、ついぞ、いえ、これからずっと
売れない画家のまま、貧相な暮らしをしてゆくのだとばかり思っていたのに、
私はもう耐えることが出来ません。私は貧しい暮らしが好きでした。
あなたの売れるとも知れない絵を見ながらも、つつましく、
金がなくなってゆくにつれ、なお、私はあなたを支えようと、
心嬉しく思っていたのに。私には間違いが分からないのです。

この短編集は相当よいものばかりが収められている。
やはり一番は表題作の「女生徒」かもしれない。女学生の、
学生を卒業したら、結婚をしなくてはならない時代の、
むずむずとした女の悩みが、とても的確に、しかし柔らかくしなやかに、
書かれている。あれ?太宰治って男だったよね?と、
当たり前の事を確かめたくなるほど、女性の心理描写が上手い。
若く初々しく、移り気で、小さな苛立ちを抱え、そして
誰にも言わない秘密をそっと隠している。
「おやすみなさい。(中略)もう、ふたたびお目にかかれません」
の最後の行は、みな感嘆の思いで読み終えることだろう。
また、中でも太宰治らしい話だったのは「きりぎりす」だった。
とても貧乏だった画家が、突然売れっ子になり、
人格が変わったようだ、と嘆く話である。私は、
金がなく無口だったあなたが好きであったのに、そんなに心汚く
変わってしまっては、飽きれるばかりで、そばにはいれないと、
三行半と共に突きつける離婚文である。太宰治は、超のつく金持ち
だったと言われているが、そのコンプレックスは、「裕福であること」
だったと言う。きっと汚い人間をたくさん見てきた末、そう思うように
なったのだろう、その心理がこの話から読み取ることが出来る。
それも主人公は妻なので、きちんと女の心情を得ている。
この時代の女は、まず最初に必ず男を立てる。けれども、
変わりすぎてしまった夫を、妻は理解できないと嘆くのだ。
私が悪いのかもしれないけれど、と。そこには女らしい突然の激昂と、
男を今ひとつ理解し得ない(男を立てているので弱さを観ないからか)
様子を、これも感嘆する文章で書かれている。
1つ残念なのは、夫の職業がほぼ小説家であることだけだな。
一度は読んだらいい、そんな本。太宰治は読むと癖になる。

★★★★★*95

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2009年9月13日 (日)

「センセイの鞄」 川上弘美

センセイの鞄 (文春文庫) センセイの鞄 (文春文庫)

著者:川上 弘美
販売元:文藝春秋
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お薦めされて読んでみました、川上さん。何だか昔川上さんの本は
読んだことがあった気がしたのですが、まったく覚えていないので、
初めてということにします。この本凄くいい。
今読むことが出来て本当に幸せな本でした。なかなかないですよ。

正式には松本春綱先生であるが、センセイ、とわたしは呼ぶ。
センセイとは馴染みの居酒屋で飲み合わせて以来、
ちょくちょく往来するようになった。「大町ツキコさんですね。
ときどきこの店でお見かけしているんのですよ、キミのことは」
センセイはわたしのことをツキコさんと呼んだ。
私がそろそろ三十八になろうと言うのだから、高校の教師であった
センセイは七〇近くゆうに30以上離れていることになる。
始めのうちは店で居合わせたら、一緒に飲みかわす程度であったが、
店の後、センセイの家へ行ったり、市場を見て歩いたり、
だんだんに傍にいる時間が増えていった。センセイからは、温かい空気を
感じる。センセイの老いを感じながらも、惹かれてゆくわたしは……。

久しぶりに、読み終わってからすぐに再読したくなった本だった。
ので、すぐに再読して2回ほど読んだ。あぁ、いいね。すごく、いい。
私も「センセイ」を求めていることが分かった。なにも、
年上の男の人を、と言うわけではない。教師、という人生には
必ずいる、道を教えてくれる人が、必要だと言うことだ。
高校や大学を卒業すると、「先生」はいなくなる。
誰も私を叱ってくれなくなるし、褒めてくれなくなるのだ。
何が正しいのか自分で判断しなくてはならないし、
それは大人として当たり前のことであるけれど、だけど何かが足りない。
「ツキコさんはいい子ですね。本当にいい子だ」
子どもに言うようにセンセイが発するその言葉は、
教師の教えとは別に、とても安らかな気持ちを運んでくれる。
あぁ私、間違ってなかった、という安心感が、温かさと一緒に
こみ上げてくるのである。この本の一番のよい点は、
月子の私生活を書かないことだろう。独身生活を送っているのは
ちらりと書かれているが、詳しくはない。会社に勤めているはずで、
たぶん重職に就いているのだろうが、そのことにも触れられていない。
あるいは、重職でなくても問題ではない。そこで起こるはずの苦労と
その悩みを、この本では一切書かれていないのである。
センセイが聞かないからだ。けれど、人には悩みがあり、壁があり、
苦しみがある。それを労わるように、かけるセンセイの言葉は、
心に響くのである。「ツキコさんはいい子ですね。本当にいい子だ」
私も言われたい。ただそう言ってもらえるだけで、頑張れる気がするから。
その気持ちと、ゆっくりとした恋愛との混ざりあいが絶妙な本だった。
嫌いな恋愛の本だけど、相当好き。また何度でも読みたい。

★★★★★*95

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2009年9月12日 (土)

「中国行きのスロウ・ボート」 村上春樹

中国行きのスロウ・ボート (中公文庫) 中国行きのスロウ・ボート (中公文庫)

著者:村上 春樹
販売元:中央公論社
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この本買ったの大学2年の時なんで(生協のレシートが挟まっていた)
だいぶ前なんだけど、なんだか何回も読んでいるのに、
感想を一度も書いたことがなかった。春樹さんの短編の中でも、
とても読みやすい短編集の1つ。だいぶ古い本なんだけどね。

「最後の午後の芝生」
僕には当時おないどしの彼女がいたが、彼女はちょっとした事情が
あって、ずっと遠くに住んでいた。彼女と実際に会えるのは、
1年に換算するとだいたい2週間くらいだったろう。しかし、
その年の夏、彼女は手紙で別れを告げてきた。他に男が出来たのだ。
僕はその時芝刈りのバイトをしていたのだが、そのバイトも
辞めてしまおうと思った。この仕事が嫌いになったわけではない。
何せ金が必要ないのだから、こうしてせっせと働いていている理由が
なかったのだ。これが最後だと決めて向かった先は、丘の中腹にあった。
いつも通り芝を刈り、帰ろうと言う時、依頼主の女性に声を掛けられる。

本のタイトルが、「中国行きの~」なんて書いてあるから、
みんなアジアものなのかと勘違いしそうだが(私がそうだった)
他の短編集は全くそんなことはない。あえてあげるなら、
「最後の午後の芝生」が一番良かったように思う。他の方も、
みんなそういう方が多いですが、やっぱり何度読んでもいいな。
いつもながらはっきりと結末が記されているわけでもなく、
だけど、読み終わったときの心地よさが抜群。
春樹さんは短編作家なイメージが強く(いや、私だけか)、
しかも独特の、細切れ章の心地よさが売りだと思うのだが、
(これも私だけか?)この話は特にそれが良かった。
細切れにすることによって生まれる奥行きに気づくと、
本当に物語が違って見える。なにもわざわざ読みづらく分けているわけ
ではなく、区切られることによって、例えば別の日の出来事であった、
とか(書かなくてもそれを感じとれると言う意味合いで)
繋がっているようで、違う事を考えているのだったり、
そういうものを感じることが出来る。「最後の午後の芝生」は、
というと、芝を刈る長いシーンが、その前のシーンと絶妙に
絡んでよい。ただ説明されているだけなのに不思議ね。
最後に尋ねる、なぞの質問もいい。どんな風に感じるか。
知らない女の子の、知らない何かを。そう、みんなそうなんだと。

★★★★☆*86

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2009年9月11日 (金)

9/11つばき@京都MOJO『10th Anniversary & 一色徳保30th Birthday』

200909111832000
9/11つばき@京都MOJO『10th Anniversary & 一色徳保30th Birthday』

 昨日の風
 ブラウンシュガーヘア
 雨音
 街風
 春の嵐
 銀河列車
 光~hikari~
 来る朝燃える未来
 over
 Crash(Jimmy Eat World)
 歌うたいのバラッド(斉藤和義)
 ループ
 夜風に乗せて
 サヨナラ
 夢
 Money&Honey
 亡霊ダンス
 真夜中3時の商店街
 覚めた生活
 悲しみの中からはじめよう

END1

 花が揺れる(新曲)
 瞬き

END2

 新曲(弾き語り)

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2009年9月10日 (木)

「犬神博士」 夢野久作

犬神博士 (角川文庫) 犬神博士 (角川文庫)

著者:夢野 久作
販売元:角川グループパブリッシング
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何で夢野さんの本読むんだろうなぁ、とよく思います。
そんなに文章好きじゃないのに、といってみたりして。
でもあのおどろおどろしい感じや、つい後ろを振り返りたくなる
感じが一番上手いのはやはり夢野さんで。しかしこの本はそれではないが。

私の名前は犬神博士という。このような乞食のような格好をしている
癖になぜ博士などと言う名前が付いたのか、いぶかしんでいる
人間もおるだろう。何?私が狂人だと?失礼な。
どおれ、では私がなぜ犬神博士と名乗るようになったのか、
その所以ともなる偉大な話を聞かせてやろう。
その物語の主人公はチイという。生みの親はおらず、
拾われたしょうもない男と女に育てられたがために、
毎日小さな体で女装をして、娼婦のような舞を踊り街を転々としている。
見物人の男どもは、チイの踊りの精巧さに感心して金を置いて行く
という寸法だ。知恵をつけ始めたチイは、この踊りの浅ましさを
利用し、国で勃発した内乱を押しとどめようとするのだが……。

なんか物足りないと思ったら。何だか未完の本らしく。
ですよね、この感じで始まったとしたら、最後にもう一度
犬神博士が出てきて、「~と言うわけだ」みたいに締めくくられる
べきではないだろうか、とかもんもん一人で思っていた。
物語は、チイという才能ある貧しい子どもが、
卑猥な踊りを駆使して、大人を目くらまし、内乱を食い止めようと
試行錯誤する、という様子が面白おかしく書かれている。
過去回想文だけあって、至極曖昧なものを断言して書かれている。
ため、一体どこからどこまでが本当で、一体どこからどこまでが嘘、
なのかよく分からない。途中出てくる「ドグラマグラ」についても、
なんとも当たり前に書かれているが、作り話なのか知らん。
まぁこの本はそこが重要なのではなくて、一人の天才的で、
欲のない子どもが、国を動かすほどの事を、小さな動きで
やってみせる、という滑稽且つ教訓的な物語になっている。
ただし、最初に出てきた、犬神博士との関係が、その最後の
未完になっていることによって、良く分からない状態なので、
どうにも煮え切らない終わり方になっている。
このラストがもっとゆるぎないものだったとしたら、
もっと頷いて読了できたと思うが、この状態だと、
かなり締りのない感じがして、他の良い部分がくすんで見えるようだった。
また、後日読んだら変わるかも。まぁ、未完は未完だけど。

★★★☆☆*86

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2009年9月 9日 (水)

「OUT 下」 桐野夏生

OUT 下  講談社文庫 き 32-4 OUT 下 講談社文庫 き 32-4

著者:桐野 夏生
販売元:講談社
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そもそも上巻読んだのいつだよ、位に放置してました。前読んだ時の
感想とまた違うと思う。 この喪失感、いや、喪失感すらも
霞んでしまう擦り切れた感情を、描けるのはやっぱり桐野さんだけだ、
と思う。彼女たちがそれらを取り戻すことは出来るのか。

マサコと師匠は風呂場で死体をばらばらに分解し、
邦子に死体を捨てさせた。入念に血液を洗い流し、これで大丈夫だ、
と一息ついた。人を解剖した。手には肉を切り刻んだり、
骨を切断した時の感触がまだ残っている。けれども罪悪感は
全くと言っていいほどなかった。容疑者として他の男が逮捕された。
弥生の元に保険金が入り、それで上手く終わると思っていたが、
釈放された容疑者・佐竹は彼女たちの犯行を探り始めた。
ばらしてほしくなければ、仕事の手伝いをしろと持ちかけられた。
佐竹が持ち込んだ仕事……それはまたもや死体を解剖する仕事だった。

麻痺した心は、回復しない。いろいろな感情を失った登場人物に、
残っていたのはどんな感情だったのだろうか?坦々と、感情を
移入することなく読み終えてしまうと、それを得ることが出来ない。
お金のためなら、人を解剖することを厭わない女たち。
けれども本当に金が必要なのか、と考えると、それは違うのだ、
と簡単に知ることが出来る。もし有り余るほどの金があったら、
女たちはこんなことをしなかったのだろうか。もちろん、
それも十分な要素だろうが、けれど足りない何かを金として換算して
いるに過ぎない。金があったら夫との関係を修復できるわけでもなく、
母親の介護がなくなるわけでもなく、家庭内暴力がなくなるわけでもない。
彼女たちは逃げ出した日の当たる場所に、もう帰ることはできない。
きっとそれに気づいて、けれど気づかないふりをしているから、
それがどんなにおぞましい事だと分かっていても、
手を染めてしまうんだろう。感情は感嘆に回復などしないのだ。
そんな女の曲がらない芯を、桐野さんだから描けるのだろう。
後半、なぜか物語りは逸れ、雅子と佐竹の「運命」についての
話になる。確かにそういうものもあるだろうが、今まで関わってきた
弥生や師匠や邦子はそっちのけになり、2人の世界に入ってしまうのが、
とても残念である。とてもヒットしましたからね、是非呼んでみては。
この物語をすんなり受け入れられたとしたら、自分にも、
そんな心が潜んでいるのではないか、と疑ってみたらいい。

★★★☆☆*85

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2009年9月 8日 (火)

9/8つばき@宇都宮HEAVEN'S ROCK『ベリテンライブ2009』

200909082144000
9/8つばき@宇都宮HEAVEN'S ROCK『ベリテンライブ2009』

 ブラウンシュガーヘア
 青
 街風
 花が揺れる(新曲)
 春の嵐
 真夜中3時の商店街
 覚めた生活

END

 悲しみの中からはじめよう

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2009年9月 6日 (日)

【映画】色即ぜねれえしょん

20090417002fl00002viewrsz150x
なんだかごちゃごちゃ出る映画だな、と公式サイトをチラっと見てから
観に行った映画でしたが、ずばり私の目的はリリー・フランキー。
えぇえぇ好きなのです。父親にしたいナンバーワンかも知れません。
で、内容はと言うと、みうらじゅん的な、まぁそんな感じです。

仏教系男子校に通う高校生、乾純は日々の生活に疑問を抱いていた。
ギターが好きでロックを目指しているものの、自分の作る曲は
何かが違う気がする。第一、人前で歌を歌うのが恥ずかしいのだ。
きっとそれは自分が裕福な家庭で育ち、何一つ不自由がないからに
違いない。思い立った乾は、同じように悩みを抱える友人2人と、
隠岐島でバカンスを楽しむことにした。何よりそこには、
自由性交支持者の女たちがたくさんいるらしい。フリーセックスを
合言葉に辿り着いたホスピス施設だったが、しかしそこで待って
いた生活は至極健全な集団生活だった。不貞腐れる3人は、
いつしかみんなに心を開き、小さな別れを惜しむ心を身につける。

内容はみうらじゅん的な低俗な感じでした。あらすじからも分かるように
「フリーセックス」という言葉が物語の7割を占めているといっても
過言ではありません……。とか言って、最低の映画じゃないか!
って感じですが、まぁ若い男などこんなことしか考えておらんでしょう。
原作のない映画は、予備知識ゼロで観るのが好きなもので、
だいぶ後になって気づいたんですが、主人公の男の子は、
「黒猫チェルシー」というバンドのボーカル君でした。
ライブは観たことはないはずなんだけど、
なんかどっかで観たことあるんだよなぁ……とか思っていたら、
1年位前に、深夜枠でやっていた高校生バンド選手権、みたいなのの、
関西代表でテレビに出ていたのでした。あぁあの子だったのか、
と気づいたら、こんな映画に出るまでに成長したのかーとか
しみじみ思ってしまい、何だか嬉しくなりました。
売れるといいね、まったく。ちなみに最後に出てくるステージで
歌う歌は黒猫の持ち歌だと思います。変てこな歌ですが、
元々マキシマムザホルモン系みたいなので、そんなもんですかね。
ちなみにこの渡辺君はとてもギターが上手いので、
下手くそに弾くシーンがとてもぎこちなくて笑えました。
主人公は若者バンドのボーカルな上に、くるりの岸田やら
銀杏BOYSの峯田やら何だかよく分からない面子が、
映画の大部分を占めてる割には、なかなかある意味整った映画では
ありました。棒読みとかはないんで、大丈夫です。
そして伝えたいことは、青春、煙草、フリーセックス、別れ、
それをこなしてようやくロックやねん、な感じでした。
ちなみに低俗発言ですが、映像は全く健全なので期待しないよう。

★★★☆☆*80

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■雑談:生きている

友達と映画を観に行った。
元気そうで何よりだった。
今日は暑かったから、持っていたアイスがだらだらと垂れて、
何だかとても「しょうもない感じ」だった。

映画も思っていたより良くて、
けれど映画の内容よりも、そのアイスでべとついた手の事を、
突然数年後に思い出したりするんだろう、とか思った。

時間なくて感想書けてません~…

***

「カシオペアの丘で 上」 重松清
「人生ベストテン」 角田光代
「幻惑の死と使徒」 森博嗣

【映画】色即ジェネレーション

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2009年9月 5日 (土)

「幻惑の死と使途」 森博嗣

幻惑の死と使途 (講談社ノベルス) 幻惑の死と使途 (講談社ノベルス)

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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森さん、どんどん面白い。この本もなかなか面白かった。
そう言えば、この本は密室じゃなかったね、とか思ったりして。
こういう不思議系のほうがいけるんじゃないかと思うんだけど。
あぁ次の巻も気になる。最終巻の分厚さも。笑

「諸君が、1度でも私の名を叫べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」
天才奇術師・有里匠幻は言う。野外ステージで行われた、
大掛かりな脱出イベントには、たくさんの観客が詰め掛けていた。
萌絵と犀川は、他の院生と共にそのイベントを観にやってきていた。
有里匠幻は、ぐるぐるに縛られた挙句、頑丈に鍵のついた箱に入り、
箱ごと池に沈められてしまう。その中から奇跡の脱出を行う、
という寸法だった。みな固唾を呑んで見守っている。
箱が池から引き揚げられ、白い煙幕が会場に満ちた。
そこには有里匠幻の姿があった。歓声を上げる観客だったが、
その声はすぐに悲鳴に変わった。箱から脱出した有里匠幻は、
何者かにナイフを刺され、殺されていたのである。

今回は動機が素晴らしい。今まで読んできた森さんの中では、
一番動機が素晴らしいだろう。何たって、いつも「誰も殺さなそう」
な人物関係が多いが、この話は、誰がどう読んでも納得の動機だ。
そして意外性もある。願わくば、最初の方に、
「有里匠幻と背格好が似ている」と表記があると大変いい感じだけど。
それに、メイクは霊柩車で落としたのだろうか?とか、
様々な細かい疑問があるが、解決策は色々あるんだろう。
それにしてもよかったと思う。本物の有里匠幻の苦悩は
あまり描かれていないが、犀川が「有里匠幻!」と叫んだシーンに、
この物語の全てが詰まっているだろう。
話の中では、ついに萌絵のファンクラブまで出来ており、
警察の情報が筒抜け状態になった。いちいち了承を得るシーンを
書くのが面倒くさくなったんだろうか?とも思いつつ。
犀川と萌絵の仲についても、進展していないようで、進展しているようだ。
この本の章は、奇数の章しかないんだけど、偶数の章は、
次の巻、「夏のレプリカ」にあるらしい。楽しみだな、
どんな繋がり方をするもんかと。きっとあの友だちが出てくるんだろう。

★★★★☆*87

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2009年9月 4日 (金)

「人生ベストテン」 角田光代

人生ベストテン (講談社文庫) 人生ベストテン (講談社文庫)

著者:角田 光代
販売元:講談社
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角田さんも、気付けば久しぶりだ。角田さんを半年も読まないだなんて。
やっぱり好きだと思う。何読んでも私の中に沁み込んで来るし、
どんなにつまらなくても、次を期待してしまう。吉田さんと一緒だな。
本はとても不思議で、でも本人に会ったら、うまくやれそうにない。笑

「テラスでお茶を」 
長年付き合った彼氏と決別するため、中古のマンションを買うことにした。
不動産屋に連れられ、部屋を見て回るのだが、そこにはことごとく
現在住んでいる住人がいる部屋ばかりだった。ここは南向きだし、
駅が近いし、と力説する彼らの説明を聞いていると、
何だか良く分からないが、とても買いたくない気分になる。
何件も家を回り、不動産屋と行動を共にするにつれ、
その何の繋がりもない佐藤という男が、まるで自分の恋人のように
思えてくるのだった。私は彼氏と別れ、この男との新しい生活を
探しているんじゃないだろうか。そんな自分に気づき、笑ってしまう。

うまくやれそうにない、と言うのは、そういう意味ではなくて、
今まで読んできた本の主人公の集積が角田さんなのだろうか、
とか、考えてしまうからだ。だからいつまでも尊敬してやまないだろう。
で、まぁ、その話は置いておいて、この本は、ふとした瞬間に、
赤の他人がまるで近しい人間に思える、という場面を描いている。
今日初めて会った人間なのに、あまりに深い話をされたがために、
まるで自分が夫か恋人かであったかのように錯覚するのだ。
私もそんな瞬間がある。話が弾んで、楽しくて、盛り上がって、
ずっと友達だったかのように思えて、けれど振り返ってみたら、
昨日であったばかりだったとか。そんなふとした温かさを、
上手く書かれた話たちである。特に「飛行機と水族館」なんかは、
頷いてしまう。飛行機を降りたら他人だけど、
でも、それ以上の友だちだったような、友達になったような、
不思議な感覚を、だ。まぁ、会社まで行ったら、気持ち悪い人、
ですけどね。その感情に素直な人間の滑稽さも、面白い。

★★★☆☆*85

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2009年9月 3日 (木)

「カシオペアの丘で 上」 重松清

カシオペアの丘で(上) カシオペアの丘で(上)

著者:重松 清
販売元:講談社
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久しぶりに重松さんを読んだ。やっぱりなぁ、重松さんって感じ。
私はやっぱりあまり好きではないようである。今回のこの話も、
何だか予定調和と主人公の勝手な予測がとてもわずらわしい。
小説の、読者が楽しむ領域をすら文章で描かれているようだ。

トシ、シュン、ミッチョ、ユウちゃん、幼馴染の4人は、
小学四年生の夏、星を観に丘へ登った。田舎の空に広がる満天の星は、
思わず声を上げてしまうほど綺麗だった。4人は将来について、呟いた。
この丘に遊園地を作りたいね。何もない、けれど星のこぼれるこの丘に、
小さくてもいいから、大人も遊べる遊園地を作りたかった。
そして数十年後――。その丘に遊園地は本当に出来た。偶然にも、
園長はトシだ。妻になったミッチョも、その手伝いをしている。
しかし経営状態は芳しくない。見込まれていた来場者数には
一度も達することなく、閉園の危機に晒されていた。
そんなとき、事件が起こった。1年ほど前に東京遊びに来た女の子が、
殺人事件で殺されたのだ。テレビを見て動揺するトシとミッチョだったが、
今のカシオペアの丘には関係ない。けれど何の悪戯か、4人は再会し、
女の子の父親と共に、「死」について考えることになる。

話が出来すぎ、予定調和、勝手な予測の三拍子。出来事を半分、
位にすればもっと読みやすかっただろうし、そもそも、
遊園地を作ろうといっていたら、実際に作られて、しかも園長、
とか、出来すぎているとしか思えない。シュンについても、
ガンが見つかった時、たまたま故郷のテレビを見ていた、
とか、出来すぎているとしか思えない。そんな偶然が偶然を呼び、
更なる偶然を呼び寄せる物語になっている。偶然オンパレード。
ちょっとどうかと思う。すべてが出来すぎている。
それと勝手な予測。主に出てくる4人の登場人物は、幼馴染である。
だから? か、「○○はこう思っているに違いない」とか、
「○○は小さい頃のままだ」という文章がやたらと出てくる。
なんだかこれは私だけ思うのかもしれないのだが、
「こう思っているに違いない」と考えるのは、読者ではないだろうか。
物語の中の引導で書かれるのはもっともだが、ここまで、
手取り足取り、「○○はこういう人なのだ」と断言されると、
あぁ、そうですか、しか言えなくなってしまう。
そこには登場人物(いや、作者か?)の願望が見え隠れするようでもあり、
私はとても好きではない。だって、人によって見方は違うのだから。
1人の人間に対して、好きな人と、苦手な人がいるように。
だから1人の人間に「○○はこういう人なのだ」と言われても、
私は違うわ、と思うのだ。だから重松さんがダメなのかもしれんな、
と新たな1点に気づいた本だった。下巻も読みます。

★★★☆☆*78

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2009年9月 1日 (火)

「キャンセルされた街の案内」 吉田修一

キャンセルされた街の案内 キャンセルされた街の案内

著者:吉田 修一
販売元:新潮社
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かなり久しぶりの吉田さんだったので、相当興奮して読んでました。笑
『横道世之介』が出ることは知っていたのですが、こちらの本は知らず。
新刊情報で見つけた数時間後には買いに行っていました。待ってました、
吉田さん。でもそんなに期待せず読んだ方が良い本ではありました……。

「奴ら」
学校に出した課題の写真が、最高の評価を受けた。渾身の作として
提出しただけに、宗久は夜も眠れぬほどだった。朝起き、いつもの
電車に余裕を持って乗った。電車は寿司詰めだ。何人もの人間と
密着しあいながら、宗久はまた写真について考え、想いに耽っていた。
そんなとき、尻の部分に誰かの拳の感触を感じた。はじめは勘違いかと
思っていたが、次第に出の動きは大胆になり、宗久の尻を撫で始めた。
俺は男だぞ? やめろよ! と言いかけ振り向いたりしたが、
その男の手は一向に引こうとしない。悶々と思い悩むうち、
ついに手は宗久のズボンのジッパーを引き下げた。ここで怒るべきだ、
そう分かっているのだが、動く事も出来ず、声も出ない。
ただ恥ずかしいだけだった。電車は終着し、痴漢は人ごみに紛れて
どこかへ行った。ははは、俺、痴漢にあってやんの! 笑いながら、
けれどむくむくと胸に芽生え始める、時差のある憎悪を宗久は感じ始める。

だいぶアジア色は消えてきたものの(笑)テーマがよく分からないものが多い。
けれど読んでいて感じる一瞬の心の動きに、私は捕らわれているんだろう
と思う。だって、この本もそんなに面白いと感じなかったのだ。
だけど、次の新刊が待ち遠しいし、その面白くなかった本すら愛しい。
で、話は本の中に戻るが、この本で一番「説明」がされ、分かりやすいのは、
この「奴ら」である。そう、男が痴漢されると言う、何ともえぐい話だ。
さすが、吉田さん、本当にそういうとこ、好きなんだ。この話には、
大きく分けると2つの言いたい事があり、一つは、男が女を知らぬうちに
見下している、という深層心理である。主人公は痴漢をされ、怒る。
けれど、それは「痴漢をされたから」ではなく「女と同じ扱いを受けた」
という底の方に隠された心が怒りを感じているんだ、と吉田さんは言う。
「なぜ男と認められなかったのか」その怒りはとても強烈なもので、
一見自分ですら見えないところにあると言うのに、思わず本人を捕まえ、
喚き抗議しなくては収まらないほどの感情へと変貌する恐ろしさを持っている。
だから、何なのか、というと、「男は女を馬鹿にしていることを、
もっと自覚しろ」という暗喩なのだろう。そして二つ目は、全ての物事には、
賛同する者と、そうでない者がいる、ということだ。もちろん、
それは人間であったり、あるいは偶然怒る不運だったりする。
主人公は自分の作品が評価され有頂天であった。けれど、彼にとって
これ以上起こり得ない、もっとも最悪な出来事に見舞われることでも
分かるように、よいことがあれば、必ず足を引っ張るものが蠢いている、と。
だから、有頂天になる前にキチンと周りを見定めなくてはいけない。
そんな2つのことが絶妙にマッチして、感嘆する仕上がりだった。
けれども、それ以外の話は、よく分からなかった。薄味すぎたり、
マッチの度合いがずれていたりして、イマイチピンと来ない。
まぁいい話、で、何なの?って感じだ。そう思うと残念な気分になる。
もっと分かったらいいのにと、「あぁなるほど!」と感嘆できたときの、
吉田さんの良さを知っているから、分からない時の、「どうして
分からないんだろう」という自分へのもどかしさが募るのである。

★★★☆☆*78

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