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2009年8月 1日 (土)

「Φは壊れたね」 森博嗣

Φは壊れたね (講談社ノベルス) Φは壊れたね (講談社ノベルス)

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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密室トリックももはや底を尽きたか? な空気が漂う森さんでした。
あんなに読んでいた森さんも、気がつけば久しぶり、の領域。
楽しかった。会話は昔の作品より格段に面白いんですけどね。
あと、シリーズ的にも、保呂草シリーズより面白いです。

山吹はマンションの管理錠を使い、一つ上の階・601の部屋を開けた。
本当はそうしてよかったのかは分からなかったが、
601の住人に会いに来た2人の女子学生が困っていたので、
開けてやったのだった。しかしそれは悲劇を呼ぶことになった。
中では美術科専攻の町田という男子学生が、宙吊り状態で死亡していた。
両手はYの字状に挙げられ、胸にはナイフが刺さっていたため、
他殺であることは明らかであった。その上、部屋の中は、
美術的な装飾が施されており、とても異様な光景である。
そして何より、その部屋は密室なのだ。果たして犯人は誰なのか……。

そう言えばビール券をくれた探偵の意味がよく分からなかったけど。笑
全体的に、登場人物の会話が面白い。むしろそのために読んでいる、
といっても過言ではないくらいだ。キャラクターも立って来ていて、
ちょい役で出てくる人物も、なかなか存在感があっていい。(萌絵とか)
しかし、ミステリィは、というと、ネタ切れですか?と。
ですよねーそうですよねぇ、もう密室は辛いですよ、って感じである。
森さん=密室ということで、色々読んできたけど、この結末は、
かなり許せない内容だ。実は全員グルでしたラスト。
ちょっと待ってくれ、それじゃ密室も何もないじゃないか、である。
それに、山吹がたまたま501にいたからいいが、
外出していて管理錠で開けられなかったらどうするつもりだったのか?
合鍵を持っているからって、それで開けてしまったら元も子もない。
その上、死んでいない宙吊りの町田はどうなるのか?
この話は、全ての成り行きが、全て上手くいった場合に出来上がる、
大変危険なものになっており、そんなもので密室なんてあまりに
無謀すぎるだろう、というのが感想だった。それと、『Φは壊れたね』
の意味するところも、とてももったいない。なんかありそうなのに、
具体的に意味するものは何もなかった、と言う感じだ。
まぁ、芸術は、爆発だ、ってとこなんでしょうか。
そこんとこ押し出したら、もっと面白かったかも、とか思ったり。
しかし、森さん読みやすいんで、すらすら読んでしまった。
読んでいない本が減っていくのが寂しいとすら思うね。

★★★☆☆*83

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