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2009年8月10日 (月)

「封印再度」 森博嗣

封印再度 (講談社ノベルス) 封印再度 (講談社ノベルス)

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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うわーこれ一番良かった。SMシリーズで。世間ではどうやら
『笑わない数学者』が一番ミステリィ最高峰とされているようですが、
私はこの本が一番好きだな。面白かったし。トリックも、
微妙に非現実的でありながら、もしかしたらありえそうっていうのがさ。

岐阜県恵那市の旧家、香山家には代々伝わる家宝があった。
鍵の掛かった箱「無我の厘」と、その鍵の入った「天地の瓢」である。
「天地の瓢」は口のすぼんだ壷のような形をしているため、
その半径よりも大きい鍵は取り出すことが出来ない。何十年も
昔から伝わるそれらの家宝には、さらに家主が奇妙な死を遂げる、
という言い伝えがあった。何せ密室なのである。
そこに目を輝かせた萌絵は、自らその謎を解明すべく資料を集め始めた。
いくら調べても分からない難解な謎……。
そんなとき、香山家では事件が起こった。
何と現在の家主が蔵の中で殺されていたのである。

この本はとても面白い。ある一つを除いては。
そう、いつものあれです。「誰でも殺せそう」です。
動機がね、イマイチ決定打にならないという、森さんの欠点。
そのため、この本の犯人については特に興味が湧かない。
そして、凶器隠匿ってどうなのよ、って感じだけど。
と、文句はこれまでにし、良い点を。この本は今までの本の中で、
一番犀川と萌絵が人間らしいのである。もちろん死体を見て
嬉々としてしゃべる登場人物は変わらないけれども、
犀川と萌絵の仲が発展する重要な巻である。
今まで教授と生徒?いや…、博士とお嬢様? 何だかよくわらない
関係で、お互いに身の置き場に困っていた2人が、
なんと婚姻届を書いてしまうのだから。一人でむふむふしてしまった。
何となく諏訪野の電話で嘘っぽいって思ったのだけど、
へぇ、犀川も人間なんだーと確認できるとてもいい話だ。
あと、トリックもね、とても好きな感じだった。
「ない」けど、実は「ある」って、そういうとこがね。
願わくば、もう少し金属のこととか詳しく書いてほしかったんだけどな、
融解度数が何度で、とかさ。あの空気圧を細かく計算するみたいに。
それに蔵とか古い建物とか、とても雰囲気が出ていていい。
まぁ森さんは洋館とかのが好きなんだろうな、と思いつつ。
次も読みたくなっちゃった、と借りようとしたら、
図書館に次の巻がない……ないってどうゆうこと……寄贈でもするか。

★★★★☆*90

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