« 8/29一色徳保@下北沢GARDEN『slow night』 | トップページ | 「そろそろくる」 中島たい子 »

2009年8月29日 (土)

「告白」 湊かなえ

告白 告白

著者:湊 かなえ
販売元:双葉社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


待ってました、待ってました~と張り切って読んだら、
かなり早々読み終わってしまった。読みやすかったかな。
湊さん自体初めてでした。しかしまぁ、内容はちょっといただけないな
とか思いました。感想で長く述べます。

私は教師という職を辞める事にしました。転勤や転校ではありません、
辞職し、教師を辞めるのです。やめるのはあの事件と関係があるのか、
ですか? そうですね、まったくないといは言えません。
あの事件で、私は一人娘を失いました。何度か学校につれてきたこと
がありましたので、愛美を知っている人も多いでしょう。
仲良く遊んでくれたみなさん、本当にありがとう。
でも愛美はもういません。そして愛美は事故で死んだのではありません。
このクラスの生徒に殺されたのです。

ネタバレします。最初の章で、牛乳を飲むシーンが出てくる、
かなり、末恐ろしさが漂う描写になっている。「学校」という中の、
ここだけは安全、という絶対領域を平気な顔で犯しているのだから。
牛乳の中にはエイズ感染者の血液が入っているという。
飲んだら感染し、5~10年後に発病するだろうと。
その恐怖から殺人をした安易な気持ちを悔い改めろというのだ。
例えばだけど、この「私」が先生ではなく生徒だったら。
許せると思う。だけどこの本では「先生」である。だから許せない。
絶対領域を、一番気をつけなくてはいけない教師が、
ぬけぬけと破っているのだから。生徒は教師に逆らうことは出来ない。
最高に大人気ない行動だろう。それでいて、この「私」は最後まで
勝ち誇ったような感じでいる。後味が悪いのはそのせいだ。
猟奇的とはいえ、子どもが行った殺人事件に、
「大人」というレッテルを振りかざして、包み込むようにして、
まだ未発達の子どもたちを蝕む、そんな小説である。
賞賛すべきは、子どもたちの心理描写。とてもリアルだと思う。
危険な部品を作って褒められたい少年も、
見栄っ張りだけど何も出来ない少年も、ウェルテルが、
子どもの心をちっとも理解してない、はた迷惑な教師であることも。
願わくば、「私」がそんな力を使わずに、生徒を懲らしめる
よい方法があったら、人物が生きただろうに、と。残念。

★★★☆☆*80

|

« 8/29一色徳保@下北沢GARDEN『slow night』 | トップページ | 「そろそろくる」 中島たい子 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/126354/31193063

この記事へのトラックバック一覧です: 「告白」 湊かなえ:

« 8/29一色徳保@下北沢GARDEN『slow night』 | トップページ | 「そろそろくる」 中島たい子 »