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2009年8月15日 (土)

「ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ」 上遠野浩平

ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」 (電撃文庫 (0306)) ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」 (電撃文庫 (0306))

著者:上遠野 浩平,緒方 剛志
販売元:メディアワークス
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上遠野さんて昔エッセイだか何だかを読んで、自意識過剰な人だなぁ、
とか思った記憶があり、けれども、やっぱり凄いんですよ。
読めば分かるんですけどね、これ発売1998年だからさ。
全てのアニメの根源はここから、と言っても過言ではない気がしてくる。

未来を予知することの出来る香純は、ひょんなことから
同じような能力を持つ5人の少年少女たちと出合った。
みなそれぞれ、未来の言葉が聞こえたり、人の顔を見れたり、
匂いを嗅ぐことが出来る。6人は集まり、一つの未来を知ろうと、
力を合わせた。そうしたら、何かが出来るんじゃないか、と。
そしてそこは、行き場のない力を隠す必要のなく過ごせる場所でもあった。
ある日6人が予知を始めると、一人の少女の姿が浮かび上がった。
6人が未来会うだろう少女だ。そしてもう一人は街の死神、ブギーポップ。
危険な匂いを察知しながらも、これらは自分たちの使命であると信じ、
彼らは闇に立ち向かってゆく。

再読。久しぶりに読んだけど、やっぱり面白かった。ライトノベルの、
ライトノベルたる感じが出ていて、「これぞライトノベル」って感じだ。
今では「ライトノベル」という言葉が確立されているけど、
当時はそんな言葉なかったよね。ただの「ファンタジー」とか、暗喩で
「電撃」と言われていただけだった。今はたくさん出てる
ライトノベルだけど、ブギーポップを読むと、安心する。
今の軽すぎるライトノベルたちとは比較にならない感情を、
この一冊で感じることが出来るから。
ライトノベルの最大の武器は、非現実的な世界にあると思う。
人造人間や、モンスター、はたまた超ど級の飛び道具、云々。何でもあり。
だけど、忘れてはいけないのは、その主人公には感情があると言うことだ。
強いキャラクターが現れれば、その分死者は増え、そして
死んだキャラクターの分だけ悲しみは増える。そう、ライトノベルは、
現実よりも格段に悲しみをより増長し、読者に訴えることが出来る。
だけどただ死ぬだけのレプリカな感情ではダメなのだ。
最近はそういう本が多すぎる。ブギーポップの最大の利点は、
成りきれない進化にあると思う。主人公も敵も味方も不安定なところ。
敵がちょっと頑張れば主人公は死んでしまうだろうし、
主人公がボロボロになって頑張らなければ、敵を倒すことは出来ない。
それは生身の人間であっても、人造人間であっても、そう。
そしてそれらの敵は、みな人間の憎しみから生まれた闇の塊なのだ。
それを理解し、彼らは戦うのだ。ブギーポップシリーズは、
殆どの場合ブギーポップが主人公ではない。ブギーポップは
いわば制裁人という位置づけで、だから、悪と戦うのは、
あくまで主人公でなければならない。たとえ死んだとしても。
是非シリーズで読んでいただきたい。ハルヒとか、比べ物にならない。

★★★★☆*86

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