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2009年8月11日 (火)

「蛇行する川のほとり 2」 恩田陸

蛇行する川のほとり (中公文庫) 蛇行する川のほとり (中公文庫)

著者:恩田 陸
販売元:中央公論新社
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2巻目。予想に反して少し中だるみ。期待しすぎたかしら。
まぁ大抵評判いい本って私の趣味と合わなかったりするからなぁ。
恩田さんのね。難しい。恩田さんの文章は、嫌いではないけれど、
読みにくい文章だと思う。つっかえが、少しあるんだよね。

香澄の家は蛇行する川のほとりにある。洋風で古風な趣は、
香澄の雰囲気ととても似合っている。その家は以前、
違う家族が住んでいたのだが、ある事件がきっかけで
空き家になっていたところに、彼女と義母が越してきたのだった。
ある事件――それはそこに住んでいた母親が死んだことと、
その近くにある野外音楽堂で、一人の少女が死んだことである。
自分がその犯人ではないかと、考えているだろう鞠子は、
可愛そうに酷い表情をしている。わたしたちは、過去を忘れようと、
いや、忘れることができずに、今その事件を語り始める。

なんだかひっそりと流れる蛇行する川が、そこにあるようで、
でもそこにないようで。なんだか物足りない原因は、
背景描写が少ないからだろう。恩田さんはとても人物描写が上手い。
特に強い人間に対し、弱い人間が怯えていたり、
憧れていたりする描写がとても上手い。そして、少女から、
大人になりかけている女の子の描き方がぴか一だ。
突いたら壊れてしまいそうな少女たち。けれども、その周りにある
風景についてはあまり描いてくれない。例えば鬱蒼と茂った雑草を見て、
ハルジオンを見て、彼女たちは何を思うのか、感じるのか。
葉脈が骨のようだ、とか核になる言葉は出てくるのだけれど、
そうではなくて、感じ取る雰囲気が描かれない。怖いとか、寂しいとか、
嬉しいとか、そういうちょっとした感情が、書かれていない。
「わたし」と語られながらも、文章が非常に硬い。
だから、蛇行する川がすぐ傍で流れているようで、いや、
もしやもっと遠いんじゃないかと思えたり、何だか不安定な舞台に
思えてくるのだ。それが狙いなんだろうか?そうだったら仕方がない。
あの事件の犯人は誰なのか。容疑者は香澄の両親と、
今ここに集まっているメンバーだけである。子どもが殺したのか?
秋臣が忠告したのにもかかわらず、進んでいく不穏な空気。
もっと香澄が猟奇的だったら良かったのか?
よく分からないけど、いや、分からないから、不完全燃焼。

★★★☆☆*86

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