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2009年7月29日 (水)

「盆栽マイフェアレディ」 山崎マキコ

盆栽マイフェアレディ 盆栽マイフェアレディ

著者:山崎 マキコ
販売元:幻冬舎
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初めて読んだ作家さんだったけど読みやすかったな。
文章の雰囲気としては、津村記久子や中島たい子系。
30代女性が書きそうな物語。好きなんですけどねぇ、
こういう乙女チックな感じ。まるでマンガのようでね。

わたし、長瀬繭子は、無愛想な兄弟子・松本と盆栽師を目指している。
なぜそんなことになったのか、話せば長くなるので、
自分も何か一つの事を目指してみたいと、そういうことにしておく。
盆栽師は丁稚という期間があり、6年間は実入りがない。
至極貧乏且つ、その上6年経っても盆栽で繁盛するなど厳しい世の中なので、
ゆく先々も不安なんである。本当になぜこの道を選んだのか甚だなぞだ。
ある日盆栽村に一人のお客さんが来た。ちょっとインテリヤクザみたいな
金持ちそうな男。その人は結400万の盆栽を買って涼しい顔で去っていた。
去り際に、わたしに届けろと指名して。盆栽を手に向かったお台場で
見たのは、わたしの知らない世界だった。VIPな豪邸に上がるように促され、
コーヒーを飲んだわたしは、くどかれ、ついデートの約束をしてしまった……。

最近あらすじを考える能力が低下していると思う。
でもまぁ、そのうち回復するだろう、とそういうことにしておく。
大変面白かったんだけど、読後「で、結局盆栽は?」って感じで。
盆栽の雰囲気とか出てたけど、盆栽の魅力がイマイチ分からなかった。
そもそも盆栽にそれほど興味を持っていないので(お花は好きですが)、
この本を読んだら興味をそそられるかしら、と思っていたのに、
途中から話はビップな生活の話になってしまったので、
もう少し前半で惹きつけておいてくれたらなぁ、と思った。
後半、繭子は「やっぱり盆栽村に戻ろう」と思い始めるけど、
盆栽の魅力の押しが弱いので、高野よりも松本の方がいいのか、
と男模様ばかり浮かんで少し残念である。
まぁ、そのビップな生活ぶりや、高野の言葉に酔ってしまう、
少女漫画チックな描写も、嫌いではないし、いやむしろ好きだけどな。
私も高野さん的な人欲しいけどな!
でも、その2つのマッチ具合が、「別に盆栽じゃなくても」
のような気がしたので、やっぱり盆栽要素がもう少しあったらよかった。
「わたし」の話し口調は、上にも書いたけど津村記久子や、
中島たい子系の自分やさぐれ口調で面白い。中島さんよりは
思考に癖がなくて読みやすいかも。中島さんは物の魅力を語るのが
上手いけどね。津村さんよりはパラレルかな、「ぎりぎりありえそう」
な感じで。津村さんは現実派だから、結構かっちりしてるし。
そんなこんなで、次も読みたいな、と思える作家発見。
次何読もうかなぁ。

★★★★☆*85

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