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2009年7月25日 (土)

「1Q84 BOOK1」 村上春樹

1Q84 BOOK 1 1Q84 BOOK 1

著者:村上 春樹
販売元:新潮社
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長らく放置していてすみません。…というか誰も期待はしていない
気もするんですけど、まぁ気を取り直して。密かに読んではいました。
記憶が新しい順に書きます。春樹さんは近所の書店に並んでから
買いました。いやもう、すごいね。版数が半端じゃない。笑

塾の数学講師を勤める天吾は、小説家になることを目指していた。
数学を教えることは何より面白かったが、文字を書き起こすその作業は
彼により深い意欲を湧かせるのだった。しかし作品は今一歩のところで
賞を受賞することが出来ない。声を掛けてくれた編集者・小松の力により、
小さな文章の仕事を貰うことができたが、これと言って前進はしなかった。
そんなある日、小松からある仕事を提案された。それは他人の作品を
改稿し、新人賞を狙うと言うものだ。明らかに詐欺行為である。
一度は断った天吾であったが、その作品・深田絵里子の『空気さなぎ』
を読むうち、どうしてもその作品を自分の手で書き直してみたくなった。
17歳の少女が書いた、謎めいた小説。構造は完璧だが文章が酷い。
俺ならこの作品をより生きた作品に書きなおすことができる……。
天吾は一抹の不安を抱えながらも、作品を書き直し始めた。

あぁ長い。第一感想がそれかよ、な本ですが、楽しいは楽しいです。
何と言っても春樹さんがだいぶ妥協して書いています。
何に妥協って?現実と、自分のポリシーの相関妥協です。
なんと、この作品にはテレビや携帯電話が出てくるんですよ。
びっくりびっくり。読んだ瞬間から、春樹さんの気合の入れようを
見受けたような感じがしました。あとは、読者への配慮がある。
読者が初めて見るものに対しては、説明を詳しくしなくてはならない
という説明が出てくるが、この本に関してそれは完璧でした。
でも、まぁその他の部分でも説明、説明、説明、の連続なので、
「あぁ吉田修一が書いたら、半分の枚数で終わるわー」とか、
ちょっとばかり頭をかすめました。まぁそれがなかったら、
もはや村上春樹ではなくなるわけですが。
あとは、一人称が「俺」「おれ」「僕」といろいろ出てきて、
何だか違和感です。そもそも春樹さんの本で「俺」が出てくるのは、
大変珍しいことで(というかそんな本あったかな…)、
それだけでも春樹ファンとしては読んでいて多大な違和感でしたし。
たぶんどこが「現実」で、どこが「小説の中」なのかを、
分けるために書かれているんだろう?とか思ったのですが、
もしも考えなしに書かれたなら、話が面倒になる原因なので
文句を言いたい部分ではありますね。
ところでヤナーチェクのシンフォニエッタを聴いた事がないのですが、
買うのもなんかなーとか思いながら、やはり聴いてみたいですね。
で、一番小説で重要なのは、そう思わせることだと思うのです。
小説は文字でしかないけれど、そこに音楽が加わったら、
どんなに良かろうと、読者に思わせる、という大変さ。
そう言えば、天吾はいつもの春樹キャラと違って気取っていません。
ビールもあまり飲みません。やっぱり春樹さん頑張ってるんだと思います。

★★★★☆*87

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