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2009年4月26日 (日)

「建てて、いい?」 中島たい子

建てて、いい? 建てて、いい?

著者:中島 たい子
販売元:講談社
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発売日ごろ、新宿の紀伊国屋でサイン本が山積みになっていたのだが、
全く売れてなくて、3ヶ月くらいあったような気がする。見るたび
気になっていたのだが、買わず……。ようやく図書館で借りてみた。
あぁ、この主人公の女の人の気持ちよく分かる。だけど、ね。

アラウンドフォーティ。一人身の私は、階段から落ちた事をきっかけに、
男を見つけることにした。一階に住めば、凍った階段で滑り落ちる
こともないだろう。女はなぜ二階に住まうのか?
骨折した腕を見ながら考える。結婚すれば、アパートの二階に
住まなくていいと考えていたが、女だって一階に住んでもいいではないか。
現に一戸建ての家なんて、一階に子どもも女もみな住まうではないか。
アパートやマンションと一戸建ての違い。それは、壁と壁の間に、
空間があるかどうかではないだろうか。一枚隔てた誰かの隣ではなく、
自分だけの核のような場所。私は家を建てたいと思い始める。

何だかこう、手取り足取り教えられる感じが、
まるでモデルルームを見に来た客のような感覚を引き起こされて、
自分が家を建てるかのような気持ちで読むことが出来る。
それはいい意味でも、悪い意味でも。丁寧すぎる、と言う点で。
そうだなぁ、住宅展示場とかで、こういうのもっとプッシュしたら、
画期的なのかもね、と思う。今までなかった盲点と言えばそうだけど、
今の日本では金銭的に現実的ではないのだから発展していないわけで、
皮肉、と言えなくもないだろうけど。主人公は女性だが、
なぜ独身女は家を建ててはいけないのか?という疑問から、
マンションやアパートと一戸建ての家の違いに気づいてゆく。
一戸建てっていいよね。周りに誰もいないし、自分専用の
こだわりをもって作ることが出来るしね。自分の『居場所』だ。
途中からは、ちょっと一戸建ての家に住んでみたいかも、
なんて気分になって、自分も建てられるかしら、と思っている私がいた。
変わり者の主人公だが、その気持ちがよく分かる。
個人的なことだが、私の友人の思考回路に考え方がとてもよく似ていて
その気持ちはよく分かるのだが、結局私はそうしないだろう、
と思ってしまう部分があって、なんだかなぁ、と思ったところもあった。
一番は、物語にはゴディバのチョコを食べたり、高級な皿が出てきたり、
両親が土地をくれたり、と、さり気なく気取っている部分がある。
「お金のない私でも建てられるかしら?」とか言っているが、
本当にお金のない人は、ゴディバのチョコなんか食べられないし、
高級な皿なんて持っていないし、土地なんてないのだ。
そういう人間が、多分日本の半分以上を占めているから、
こんな風に建築文化が進まないわけで、根本的に「家」というものを
安くするとか、土地が安くなるとか、そうしないと元の解決には
ならないような気がするのだった。だから、お金のない人間が読めば、
なんだこの皮肉は、と思ってしまうのではないか、と思った。
あと、この本で「女性は」と強調されているけれど、
独身男性であっても、一人で家を立てる人は、そうそういないんじゃ
ないだろうか、とか思ってもみたりして。揚げ足かなぁ。
「住宅」というものについて、違った視線で見たいときにはいいかも。
その視点、面白かった。そして自分もどこかでそう思っていた気がした。

★★★★☆*87

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