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2009年1月25日 (日)

「月光ゲーム」 有栖川有栖

月光ゲーム―Yの悲劇’88 (創元推理文庫) 月光ゲーム―Yの悲劇’88 (創元推理文庫)

著者:有栖川 有栖
販売元:東京創元社
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誕生日に友達に貰った本です。「ありがとう。読んだら感想書くわ!」
と意気込んでいた割りに放置してすみませんでした……。
全ては年末忙しかったライブのせいですので、責めるなら、
是非そちらを責めてくださいませ。それにしてもデビュー作だなぁ。

大学に入学したアリスはひょんなことから推理小説研究会に入部した。
部員は合計4名。推理小説研究……と言いつつ、
それらしい事は何もしていなかった4人は、提案により、
夏合宿と称して矢吹山にキャンプをしに行くことにした。
麓のバスを待ち合う間、どうやら同じくキャンプをする学生を発見する。
先陣組みも合わせ、山中では17名の大所帯になっていた。
初対面同士だったが、キャンプと言う場のせいか、急速に仲を深める面々。
夜には殺人を模したマーダー・ゲームで盛り上がった。
そんな時、予期せぬ事態が起きた。休火山とされていた矢吹山が、
突然噴火を始めたのだ。溶岩が飛び交う壮絶な状況。だが最悪の事態は
これからだった。一夜明けるとそこには仲間の死体があったのだ。

まさにデビュー作。主人公自分。ここまで潔いと白けるのも馬鹿らしい。
まだ霧舎巧よりはマシだろうと、私的には思います。
いや、霧舎さんも面白いんですけどね。で、この本を放置プレイして
いた理由のひとつが、そのデビュー作らしい読者に全く配慮のない
冒頭で、挫折していたというのがあります。だってさ、話始まるでしょ、
で、いきなり登場人物17人ですよ。17人。しかもみんな大学生。
喧嘩売ってるのか、こら!と、半ば呆れました。しかもあだ名つき。
弁護士やら博士やら、本名と全く関係ない。その上17人もいるから、
ほぼ名前の出てこないキャラがいる。特に竜子。180P付近まで、
主だった役割を与えられていない。どうしたものか。
もう少しコンパクトにすればよかろうものを、と大変残念でした。
で、期待していた推理はと言うと、個人的に霧舎さんや米澤さんより、
好きでした。クイーンを模した、と言われていますが、
アガサ・クリスティ派だった私はあまり読んでおらず面白み希薄。残念。
それにしても、火山を出してこなくてもな……という気はしました。
だって火山ってだけで壮大でしょう。「日本沈没」位の重さが、
私にはありまして、非現実的というか、活火山が活動したら、
火山灰で生活も危ういと思いますけどね。酸素マスクとか必要でしょ、
とか考えていると、あまりに「消去法」を狙うあまり、
「隔離」を強調しすぎたんでしょうね、とか思ってしまい。
あと、動機がなさ過ぎる。二日前に会った人と、その恋人を
めぐり争いを起こすほどなのか?と思い。けれど月のせいなのか?と。
けれども、久しぶりにゆっくりと時間の流れる本を読みました。
主人公の冷静なツッコミにも共感。有栖川さんは乙一系か?と。笑
この本のよい点は会話です。何気ない会話文が続きますが、
そこにゆったりとした時間が流れているのが分かります。
人が殺されたのに、全然怯えない登場人物はナンセンスかと思すが、
差し引いても人物同士の雰囲気の描き方がよかったなと。
だって17人いますから。でもなかなか後半では間違わないくらいの、
特徴をつかめていたような気がします。そして、久しぶりに、
「あなたの推理は整いましたか?」的な文を読んでぞくぞくしました。笑
あぁ懐かしい、よく中学生の時これが面白くて仕方なかったんですよ。
今回は犯人はどっちかだろうと思っていた片方でしたが、
情報が少なすぎて、「実はこの人でした」と違う人を指されても、
納得してしまいそうだったので、少し残念。それに、最後
犯人が、「俺がやりました」と途中で合いの手を入れるのが好きではない。
まぁ、あとは好みの問題になってしまうので、この辺でやめておきます。
次は……次は何を読んだらいいでしょうかね。

★★★☆☆*85

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