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2009年1月27日 (火)

「ジェネラル・ルージュの凱旋 上」 海堂尊

ジェネラル・ルージュの凱旋(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫) ジェネラル・ルージュの凱旋(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫)

著者:海堂尊
販売元:宝島社
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やばい、面白すぎる。前作「ナイチンゲールの沈黙」が、
相当つまらなかったので、あぁ、海堂さんもこうなのか、
と残念に思っていた気持ちが一新。これは楽しすぎます。
こうくると、映画の竹内結子が合ってないよね、と思うけど。

バチスタスキャンダルから一年。
ようやく評判を取り戻しつつあった東城大学医学部付属病院に、
新たなスキャンダルが持ち上がった。きっかけは、
田口の元へ寄せられた、内部告発文書。救命救急センター部長であり、
「ジェネラル」の異名を持つ速水が特定業者と癒着していると言うのだ。
病院長に相談を持ちかけるが、またもや事績により調査しろと
差し戻されてしまう。くしくも田口と速水は学生時代の同級生であった。
まさか、あいつはそんな事をしないはずだ。胸騒ぎを持ちながら、
田口は調査を開始する。果たして「ジェネラル・ルージュ」の意味とは。

凄い、面白い。久しぶりに素直に楽しんで読んだ、
とっても現実的なミステリ。「犯人に告ぐ」以来かな。
まぁ「バチスタ」も面白かったのですが。まさにあり得そう、
って言うストーリーの描き方に脱帽です。
そうりゃそうだよなぁ、作者が本当の医者なんだもの。
前にも書いたかもしれないけど、私は海堂さんが羨ましい。
ところで、本の内容は、とにかく速水が格好いい。
映画化が決まっており、速水役は堺雅人である。大変合ってる。
これで主人公が竹内結子じゃなきゃなぁ、と思うのは、
多分私だけではないだろう。それはもう仕方ないので、置いておいて。
今回上巻では人は死んでいない。スキャンダルは癒着問題だ。
しかもその疑惑をかけられているのが、そのカリスマ速水であるから、
読者は翔子と共に彼を心配せざるを得ないのだ。
素晴らしいのは、お役所仕事の描き方。あり得るあり得る、って感じ。
頭ばかりが堅く、文書文書と紙ばかりを提出させられ、
結局現場は何も変わっちゃいない現状。それを藤原さんとタッグを
組んで田口が攻めてゆく様子が、とてもわくわくしていい。
「バチスタ」では気になっていた田口の心の呟きも、
この巻ではそんなに気にならなかった。
ただ、感情の描き方(特に恋)があまり上手くないようで、
速水が業者癒着していると知った翔子が、
次の瞬間「泣いてる夜に電話してもいいですか」なんて、
田口に冗談を言っている辺りが、ちょっと私は違和感を感じた。
恋してたら、それどころじゃなくて、もう少しオロオロするんじゃない?
みたいなね。人それぞれかもしれませんけれども。
さて、下巻も楽しみです。白鳥も出るでしょうし。
速水の行く末も気になるところです。何だかんだいって、
でも海堂さんの本は、中二日開けずに上下読んでるんですよね。
ってことは、つまらないと言いつつも、多分好きなんだろうな、
と思ったりしました。さっき。笑

★★★★☆*89

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