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2009年1月 2日 (金)

「悪意」 東野圭吾

悪意 (講談社文庫) 悪意 (講談社文庫)

著者:東野 圭吾
販売元:講談社
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年明け一発目に読む本でもなかったかしら、と思いつつ。
だって、「悪意」なんてタイトルの本なので。
しかし東野さんだし読みやすく、無難なスタートを切りました。
今年も楽しく読書をしようと思います。よろしくお願いします。

人気作家である日高邦彦が、自宅の書斎で死体となって発見された。
日高は引越しを控えており、家の中はほぼ空っぽ。
物取りではないことは明らかなので、顔見知りの犯行と断定された。
容疑者は妻・理恵と、日高の幼なじみであり作家仲間である野々口修、
それから出版内容で揉めていた藤尾美弥子である。
加賀が捜査を進めるうち、野々口修は日高の前妻・初美と不倫関係に
あったことが分かった。次第に容疑がかかり、犯行を認め始める
野々口だったが、加賀は何か違和感を感じていた。
解き明かされる犯行の動機……しかし、その裏側に隠された悪意とは。

一つ気になったのが、知り合いが犯行を行った場合、
刑事はその人の担当になるんだろうか?なれるんだろうか。
この話では加賀と野々口はかなり遠い関係なので、
きっと問題ないのだろうけれども、一緒に働いていた時期が
あったりする場合、任意で担当から外れるものなんじゃないだろうか、
とちょっと思ったりした。それは兎も角として、とても読みやすかった。
半分が、作家・野々口の告白文形式で書かれたこの物語は、
とても現実味があって読んでいくうち捏造された動機を、
まんまと信じそうになる。その後待ち受けている野々口の「悪意」に
呆気に取られ、見事な動機作りに感嘆したのだった。
しかし、少し残念だったのが、その「悪意」についてである。
この「悪意」があったから、人を殺してしまったのに、
なぜ悪意が生まれたのか、の説明がきちんと描かれていないのだ。
いじめが小学校や中学校が流行るように、そして、
意味なくいじめの対象になる生徒が憎らしいように、
自然に「悪意」は生まれてしまうものだと、少し突き放されている。
例えば過去の同級生たちのインタビューの章で、
もう少し具体的な日高と野々口との過去が描かれていたとしたら、
その眠り続けていた不穏な「悪意」を、もっと感じることが出来ただろう。
それと、告白文は、どこか作られた「自分」を思わせる。
現にこの物語でも、嘘が描かれているわけで、
加賀からみた野々口と言う人間の描写もまた、詳しく描かれてたら、
もっと人間の隠された「悪意」を表現できたんじゃないだろうか。
と、年明け早々、偉そうな事書いてしまいました。面白かったです。

★★★★☆*87

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