「予定日はジミー・ペイジ」 角田光代
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予定日はジミー・ペイジ 著者:角田 光代 |
号泣した。何でもっと早くに読んでおかなかったんだろうと思った。
これを読んでいたら、もう少し早く、大切なことに気づけていた
そんな気がするのだ。やっぱり角田光代と言う人は、恐ろしい人だ。
優しくて残酷で冷静で厚い人だ。この本に出会ってよかった。
流れ星を見つけるのと、赤ちゃんが出来たかもしれない
と思ったのは同時だった。私は嬉しいのだろうか。
……いや、嬉しくない。目の前で大喜びする夫を見ていると、
自分はそうは思えていないのだと知らされたのだった。
母性愛欠如の、ダメ妊婦。
友人の子どもを見、そもそも自分は子どもが嫌いだったと思い出した。
生まれてくる自分の赤ちゃんを見たら、私はどう思うのだろう。
時が経つにつれ、腹は段々とせり出てきて、
自分はもう一人ではないことを理解する。
今年一番いいかもしれない本に、二冊目で出会ってしまった。笑
泣いた。泣いた。目が腫れて、顔が浮腫んでしまうほどに。
きっと私は今この主人公のような女なのだと思う。
子どもがそんなに欲しいとは思えない。
母性愛と呼ばれるものが欠如しているようで、
その上、母親にもそのような愛情を感じたことがなかったから、
子どもを作るという認識について、避けているふしがあった。
私は昔から母親と折り合いが悪かった。
愛情をもらえない、生まれてはいけない子どもではなかったかと、
酷く悩んだことがあった。でも、この本を読むと、
それは違うのではないかと思えてくる。
母親からまったく愛情を与えられない子どもなど、
いないのだということ、感じることが出来る。
腹が膨らみ、もう一人の命が宿る。「もう私は一人ではない」
そう気づいたときの「私」の安心感がとても救いだった。
そうだった、私もまた昔は母の一部であったことがあるのだ。
たったそれだけの、たったこれっぽっちの、とても簡単なことを、
もう一度考えるだけで、私はとても救われた気がした。
この本の凄い点は、角田さんは妊娠経験がない、という事実。
やはりこの人は、恐ろしいと、心の底から思った本だった。
私もいつか子どもを作る日が来るといいと思う。
いつでも欲しいと思っている方も、そうでない方も、
男性も、是非一度読んでみてほしいと思う。
★★★★★*98
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コメント
失礼します。
TBさせていただきました。
同じ本を読んだのか…とさえ思ってしまい、
あらたまった気持ちで読み直したくなりました。
投稿: 時折 | 2009年1月30日 (金) 08:02
>時折さん
こんにちわ!TBありがとうございます^^*
確かにはハッピーエンドですよね。
角田さんには珍しいものです。笑
私も冷静に読み直したら、違った感想を持つような気がしました。
経験の差は大きいですね。
でも何だか読んでいる時の幸福感は、何物にも変えられない感じでした。
投稿: るい | 2009年1月30日 (金) 09:58
男が読んでも面白かったです。
もちろん男は赤ちゃんは産めないから
妊婦に気持ちはわからないけど、
ここに出てくる旦那さんの気持ちはわかっちゃう。
うちの奥さん、突然、家出しちゃって
びびりまくったことがあります。
そのとき、僕は、奥さんのことを思ってたのか
赤ちゃんのことを思ってたのか
今となっては、思い出せない。
でも、経験のない人間関係で、おろおろしてたと思う。
この作品って
父と娘の話って感じもする。
死んだ親に新たな感じ方ができるって不思議だ。
投稿: しぐ | 2009年4月20日 (月) 20:19
>しぐさん
>男が読んでも面白かったです。
そうでしたか~よかったです^^*!
角田さんの本は結構女性色が濃いものが多いので、
この感情は男性に理解できるんだろうか、(妊娠した女性の気持ちとか)
とか思っていたので、面白かった、と言われると嬉しいですね。
確かに、そうですよね旦那さんの気持ちは分かるって。
逆に言えば私はそれは分からないですから、当たり前か、と今思いました。笑
角田さんは女性ですが、両性が納得してしまう気持ちを
書けるってことですから、やっぱり凄いなと思いますね。
奥さんの家出!びっくりです。
やっぱり女性は男性の気持ちが分からないし、
男性は女性の気持ちがわからないものなんですね。
でもきっと何か理由があったんでしょうね。
原因は子育てに疲れてしまったとか、
言いたいのに言えなかった些細な事かもしれませんけどね。
奥さんが出て行った、という物語の裏には、
旦那さんがおろおろしている物語もある。日常は面白いです。
そうそう、私は男性が子どもを好きになるメカニズムが謎です。笑
私は子どもはあまり好きではないな、と思って成長してきたのですが、
でもきっとこの主人公みたいに、妊娠して生んだとしたら、
腹を痛めたし、母性本能とかが湧いて、やっぱり愛着も湧いて、
結局可愛がるんだろうな、と思うのですが、男の人はそれがないわけで、
でもやっぱり自分の子は可愛いって思うのかぁ、とか、そんな事を思います。笑
自分の事でありながら、親にも感謝できるいい本だと私も思いました。
『八日目の蝉』もよいです、是非。
投稿: るい | 2009年4月23日 (木) 01:59