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2008年12月29日 (月)

「詩的私的ジャック」 森博嗣

詩的私的ジャック (講談社文庫) 詩的私的ジャック (講談社文庫)

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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2008年、最後に読んだ本。何だか色々読みかけのものはあったけど、
とりあえず読み終わったのはこれが最後でした。森さん終わり。
何とも私の読書生活を象徴したような風で、嫌ですが。
2009年は、もう少し視野を広げたいと思うこの頃。S&M第4巻。

学校の脇に建てられた、教材用の実験室。
ある朝そこで女性の死体が発見された。
女性は裸にされ、腹の部分には記号らしきものが刻まれていた。
その上、実験室は内側からしか施錠することが出来ない作りと
なっているのにもかかわらず、鍵が閉められていたのだった。
作られた密室……。萌絵は謎を解明しようと学校内を調べるが、
そのうちにまた新たな密室殺人が起こった。
容疑者として上げられたのは、人気歌手・結城稔。
果たして萌絵はこの事件を解き明かすことが出来るのか。

読み終わって、何だかちょっと納得がいかないのは何故だろう。
この本で森さんは人間の心理を描こうと頑張っている。
一つは萌絵が犀川に抱く恋愛感情。もう一つは、人を殺すと言う動機。
けれども、それを描くために、物語があまり良く見えないし、
こじつけたような部分が目立つのように思う。
まず萌絵の恋愛感情を描くために、犀川は出張に出るという設定に
なっており、その遠距離に想いを馳せて、萌絵が犀川に恋をしている
と気づく物語を作っている。けれども、そうする事によって、
現場に犀川がいないので、実は事件がおろそかになっている。
いつもは犀川の的確なアドバイスで、事件が解決に向かうはずなのに、
いないことによって、推理が曖昧になり、
殺人が増長されているような気分で読む事になる。
犀川がいたら、こんなに人が死ななかったんじゃないだろうかって。
もっとスリムに解決したんじゃないだろうかって。
もう一つの、動機について。今回は人気歌手が犯人ではないか、
と疑いを掛けられる物語である。いかにもありそう。
死んでいく女性が、人気歌手のファンだったり関係者だったりする。
そこにはきっとスキャンダラスなことがあって、
それが原因で口論になったりして、殺人にまでなってしまったんだろう。
途中まではそんな感じで大変納得して読めるのだが、
突如実は犯人はただ妻を殺したかっただけの無差別犯でした、
とカミングアウトされ、今まで折角作り上げてきた物語が台無しである。
それに、同性愛が何故か組み込まれているという謎も。
せっかくのいい案に、スパイスを入れすぎてしまった感の漂う、
そんな感じが私はしてしまった。面白いけど、うーん。
もう少し他にあるような、とも思ってしまう。
とりあえず犀川&萌絵の今後が気になるところです。

★★★☆☆*77

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