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2008年12月18日 (木)

「やさしいため息」 青山七恵

やさしいため息 やさしいため息

著者:青山七恵
販売元:河出書房新社
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『窓の灯』でさほどいいと感じなかったので、あまり期待せずに
読んだ作家さんでしたが、これは素直に良かったと思いました。
なんか単純だけど、いいとこ突いてる、みたいな。
他の本も読みたいけどあと『ひとり日和』位しかなかったような。

朝の通勤電車で、四年ぶりに弟と再会した。
足元の汚いスニーカーが目に入り、顔を上げたらそれが弟だったのだ。
彼はこの四年間行方知れずというやつで、
今までどこにいたのかさえ知らなかったのだけど、私がかけた言葉は
「何それ」だった。弟の胸元にぶら下がっているネックレス。
言いたい事山のようにあるはずなのに、声にならないまま、
彼を家に連れて帰ることになった。過ごすうちに四年前を
段々思い出してゆく。話もつき眠りにつこうとしたその時、
弟は私に今日一日がどんな日だったか、と聞いた。
自分が語り、弟が書きとめた私の一日は、酷く単調で平坦だった。

書き留められてゆく毎日が、あまりにも平坦で、
嘘をついて少しでも盛り上げようとする「わたし」の行動が、
何だか納得してしまうようで、頷くように読んでいた。
そんな事をしても虚しくなるだけなのに、少しの意地で。
私は日記を書くのが嫌いだ。最初は張り切っていても、すぐに飽きる。
それは毎日が同じようであるから、何か毎日に「違い」を
見つけられなかった時の落ち込みようが、虚しいからだ。
そんなことをしているうちに、私はすっかり自分のことを書くのが
下手な人間になってしまった。読書感想なら、感想を書く本さえあれば、
どうにかなるけれど、毎日「雑談」で埋めろと言われたら、
次第に三行分しかかけなくなって酷くつまらないものになるだろう。
こんな私に少しでも共感したあなたは、この本を読んでみるといいと思う。
弟が持っていた何人分かのそのノートを読んでみたい気がした。
きっと、何の変哲もなくて、何の変化もない毎日なんだろう。
けれども、皆生きている、その現実をどう受け止めたらいいんだろうか、
って簡単に、でも真剣に考える事が出来た本だった。
残念だったのは、緑くんという男のイメージが想像できなかったことかな。
リーゼント?まず一体どんな風貌なのかわからん。
せっかく亀とかいい感じなのにな。私もどちらかと言えば、
緑君タイプの人間だな、と。だから男ならよかったのにな、
ってよく思うんですけど私。話が逸れました。
休日にまったり読むのにお薦めな本です。

★★★★☆*88

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