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2008年12月27日 (土)

【映画】GOTH

20080105
原作作品のある物語を映画化する監督は、
一体どれくらいその作品を読んでいるんだろうと思う。
「読む」と言うのは、物語をというだけではなく、その原作者のもつ
世界観も含めた読むである。この映画はそれがまったく出来ていない。

白昼の公園で、手首を切断された女性死体が発見された。
左の手首がない他は、外傷もなく綺麗な洋服まで着せられている。
愉快犯と噂されるこのような死体発見は、都内で二件目だった。
神山樹は野次馬の隙間からその現場を眺め、
同時にクラスメイトである森野夜の姿を見つけた。
森野夜もまた、このような死体に纏わる事を好んでいる。
警察の捜査とは別に、二人は事件の真相を探り始めた。

乙一の世界観ゼロ。というより、むしろぶち壊している。
この監督は本当に原作を読んだのだろうか。
それと、勿論のことだと思うが、原作以外の乙一作品もである。
当たり前だろう。その作家の考えていることが分からなかったら、
この乙一「GOTH」など、映像化することは出来ないのだ。
軽い気持ちで作ったそれは、乙一ではなく、その監督の物語である。
この映画は言いようのないくらい失敗している。
むしろ乙一の「GOTH」なんて言ってほしくない。
乙一の「GOTH」というあらすじを引用した他の作品である。
そもそもこれは、キャラクターと世界観がまったく乙一ではない。
面白いか、は別としても乙一がどのような雰囲気を常に持っているか、
を知りたければ「立体東京 3D-TOKYO」でも観たらいいだろう。
このような感覚を持った人間の描く原作が、
どう頑張ったらこのような映画になるのか、甚だ不明である。
何なんだ、あの森野夜の部屋……可笑しいだろう。
何なんだ、あの神山樹の喋り方……可笑しいだろう。
せっかく若く才能のある役者を使っていながら、
本当にもったいないと思う。そういうことまで、考えて作ってほしい。
物語には、映像になる前に、たくさんのファンがいる。
例えば新たな形でそれらを創り直すとしても、
ファンをがっかりさせない努力と、研究が必要だと思った。

★★☆☆☆*65

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