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2008年11月30日 (日)

「君の望む死に方」 石持浅海

君の望む死に方 (ノン・ノベル) 君の望む死に方 (ノン・ノベル)

著者:石持 浅海
販売元:祥伝社
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うーん、微妙。せっかく「温かな手」で凄く良かったのに、
あれ、ちょっと相性合わないかしら、とか思いました。
人の心の動きって難しいですね。まぁミステリなんて、
死体ありきだから、動機の重要性なんて小さいのだろうけれども。

ソル電機の創業社長である日向は、ある決意を抱いていた。
ガンを宣告され、直る見込みもない。余命は六ヶ月だと言われた。
私は会社のために全てを尽くしてきた。そのことに悔いはない。
それどころか、どこか晴れ晴れした心持で、
死期を迎えられそうな気がした。
六ヶ月経ったら、私はもうこの世にはいないのだ。
それならば、私を殺したがっている人物に殺されてやるのもいい。
私は君に殺されるとしよう……。

微妙な原因は、まず動機。母親の死をきっかけに、
昔の過ち、母親と日向の不倫を知ってしまったと言う設定だが、
そもそも本当に日向のことを母親が心配・応援しているのだとしたら、
その事実は絶対に語られないはずである。
その災い墓場まで…という感じで、口を割らずに母親は死んでゆく
のではないだろうか。それに例えば不倫の口を割ったとしても、
父親を殺したのかもしれない、なんていう危ない憶測を、
そんな簡単に語ったりしないだろう。
そのお陰で母親がとても底意地悪く見えるのは私だけだろうか。
それに、例えばその事実を知ったところで、社長を殺し、
ばれずにその後を過ごそうと考える梶間もまた、相当の悪党である。
むしろ日向よりタチが悪いと思うのは私だけだろうか。
という諸々の点から、あまり納得して読むことが出来なかった。
おまけに解決の予想がつく。きっと優佳が何かをやらかすだろう、
といういやな予感。主人公が細心の注意を払っても、
書いているのは作者なのだから、間違いなく優佳は気づき、
犯行はトレースになる。大変微妙。ばればれを読み直してる感じ。
何とも面倒な感じになっていて、とても読みにくかった。
それと例え無礼講だとしても、社長のまであんな失態は見せないだろう。
なにせ当の本人たちは、出世研修だと思っているのだから、
絶対にあのような状態にはならないだろう。強引、微妙。
せっかく石持さんはすっきりした推理劇が面白いのに、
他の部分で全て潰したような感じが私はしてしまった。残念。

★★☆☆☆*75

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コメント

こんばんは。
☆二つですか…
タイトルも興味深いし、ドラマ化されてるとのことで、るいさも読んでるし面白いと思い、今週末に借りる予定になっているんですけど。
「笑わない数学者」は今読んでいる最中です。
私も理系の頭があれば、世の中の見え方が変わるような気がします。

投稿: fumika | 2008年12月 4日 (木) 20:43

>fumikaさん

すみません、見つけるのが遅くなってしまいました;
そうなんですようーん「扉は閉ざされたまま」の方が、
数倍面白いことは確かです。
そうそう、私もドラマ気になってたんです。
見れないんですけどね(涙)多分実写の方が面白いと思いますよ。
小説だと、同じストーリーを三回読んでいるような面倒くささです。

「笑わない数学者」、そうですねぇ。
私もめっきり文型の頭してるんで、分かったら面白いのに、
とつくづく思います。その点では「すべてがFになる」は、
専門分野だったので、凄く楽しかったんですけどねぇ。

投稿: るい | 2008年12月 9日 (火) 16:44

こんばんは、るいさん。
う~ん、やっぱりラストは腑に落ちなかったです。
研修中の出来事は特に私的には問題なかったですね。
それより優佳が当事者に委ねた事も驚いたけど、
日向が殺人を犯す正当性を語ったときは唖然としちゃいました。
陽一は日向の自己満足のために利用されたとしか思えないです。

投稿: fumika | 2008年12月18日 (木) 01:45

>fumikaさん

何が悪いのかはっきり特定できませんけど、
読み終わった後「なんだかなー」って思う本の一つでしたね。
確かにこの本は日向の思い通りになりすぎている本ですよね。
いくら死期を目前にしているからって、
人を殺していいことなんか、微塵もないはずなのに。

この本は陽一も殺意があるっていう風に描かれていますが、
もしも陽一サイドの視点がなくて、日向だけが
「殺されるのかもしれない」「だから、殺されてやろう」
って一人思っている傲慢な男、という設定だったら、
ある意味凄く面白い感じになっていたのにな、って思いました。
最後、殺されるのだと思って挑んだら、自分の勘違いだった
と言う感じに。その勘違いすらも見破ってしまう優佳と言う感じに、
違った恐ろしさを描けたかもしれません。笑

とか、意見してみましたが…
石持さんの本は面白いので、他の本も後ほど読んでみようと思います。

投稿: るい | 2008年12月22日 (月) 16:10

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