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2008年10月10日 (金)

「あの空の下で」 吉田修一

あの空の下で あの空の下で

著者:吉田 修一
販売元:木楽舎
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待ってました、吉田さん!と勢い込んで発売日に買いましたが、
残念なことに約半分エッセイ本です。吉田さんご本人と小説は好きですが、
私はエッセイがあまり好きではありません。L25で凝りましたが、
吉田さんはエッセイを書くのは不向きだと、僭越ながら勝手に思います。

「東京画」
もう二十年も会っていない親友は今、少し有名な小説家らしい。
この二十年の間に雅夫は結婚をし、子どもも儲けた。
「今幸せか?」と聞かれたら、「いや、そんなことないですよ」
と謙遜するくらいの幸福感は持っているつもりだ。
ところで雅夫はその親友・島本を自分の結婚式に呼ばなかった。
自分も呼ばれなかったし、元来付き合いの悪いあいつは、
くるはずがないとも思った。こうして二十年目にして企画された
同窓会に、島本から「間に合ったらいく」と連絡があった。
彼に会いたいような、会いたくないような、雅夫はそっと彼を思う。

この本、あんまり面白くないと思う。ANAで配られていた雑誌?
に掲載されていたと言うこの小説は、ほとんど旅行や、アジア旅行もの。
おまけに間に挟まれているエッセイもそんな感じなので、
似たり寄ったり、寄せ集めた話ばかりで、若干のマンネリを感じた。
はっきり言わせていただくと、吉田さんはSS~短い短編に
非常に向いていないと思う。その原因として、吉田さんは多分、
とてもきちんとした性格の方だからか、どんなに短くても、
起承転結を作ろうとしているところにあると思う。
その文章具合は、長編であればとても心地のよい終息になり、
この部分が好きである読者も多いのではないだろうか。
しかし、「女たちは二度遊ぶ」でも周知のように、
何かしらオチを作らねばならない、と固執してしまうために、
いつも同じような展開で、同じように減速して、終わる……
というパターンが出来てしまっていて、この本もまさにそれであった。
久しぶりの吉田さんだから~と思って、かなり力を入れて読んだ
はずなのに、読み終わった後に印象に残っている物語がない。
非常に残念だし、こんな短いストーリーにしてしまわないで、
是非長編で生かして使ってくださいよ、もったいない、
と「女たちは二度遊ぶ」と同じ感想を持ちました。
と、ずたボロに書いてますが、私の一番好きな作家は吉田さんです。
こんなにたくさん作家読んでますが、好きであり続けるのは、
私にとってとても凄いことです。新刊楽しみにしてます。

★★☆☆☆*68

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