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2008年10月 5日 (日)

「99%の誘拐」 岡嶋二人

99%の誘拐 (講談社文庫) 99%の誘拐 (講談社文庫)

著者:岡嶋 二人
販売元:講談社
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共著と言うことで、気になっていた作家さんでした。
さすが二人の知恵を出し合うと、面白いものが出来るものだな、と。
絶賛、と言うわけではないけれど、最後まで安心して読むことが出来る、
ミステリ小説でした。最近森さんといい、ミステリばかりだなぁ。

12年前、5千万円を要求する誘拐事件が発生した。
生駒は会社の復興資金として用意していた全財産を、
金の延べ棒に換金し、犯人と息子を取り戻す取引をした。
無事息子を取り戻すことは出来たが、会社は大手製造メーカーに
吸収合併されることになり、生駒の夢は尽きたのだった。
その記憶は死に際の生駒の頭に鮮明に蘇っていた。これから
大きくなり、誘拐の事実を知るであろう息子に向け無念の手記を書く。
それを読んだ息子・慎吾は、あることを思いついたのだった。
12年前の犯人に復讐するための、完璧な誘拐を。

とても安心して読めるミステリ小説。中盤12年前の誘拐事件に対して
容疑者が少なすぎるので、大体犯人の目星が付いてしまうのだが、
たぶんこの小説はそのことも計算され書かれているため、
第二の誘拐事件によい具合に興味を惹かれてゆき、楽しむことが出来る。
周波数で音声を切り替えるなど、かなり高度なテクニックについて、
さらっと書いてあるので、本当にできるかどうかは不明だが、
そのことを差し引いても、大変魅力的なトリックのように思った。
犯人が語ってゆくので、結末は大いに予想できるので、
そう言った意味での面白みはほとんどないが、
逆に主人公の心理が上手いことがを感じ取れる。
途中、間宮に感づかれた後からは、一瞬慎吾の一人芝居は
大変滑稽なものに見える。真実を知るものと、知らぬものでは、
これだけ感じるものが違うのかと、楽しめるだろう。
唯一つ残念だったのは、会社についての無念、と言うだけで、
息子は父親の復讐を行うものなのだろうか?と思わなくもない。
まぁそこには、自分も人質にされ、事件に巻き込まれた、
という重要なポイントがあるため、理解できなくもないのだが。
もしも人が死んでいたりとか、会社が潰れて路頭に迷ったとか、
そういう劣悪な環境だったらまだしも、吸収合併されて、
今の現状の方がいいような感じがするというのに、
わざわざ気持ちを掘り返せるだろうか、と少し疑問に思ったのだった。

★★★★☆*88

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