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2008年9月15日 (月)

「転々」 藤田宜永

転々 (新潮文庫) 転々 (新潮文庫)

著者:藤田 宜永
販売元:新潮社
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この本も映画→原作でした。つーか映画、原作と全然違うんですけど。
いいのか?これで。まぁ映画は映画で「時効警察」ファンには、
かなりたまらない感じになってましたが、原作はその雰囲気は皆無。
おまけにストリップショーって…むしろオダギリさんやって欲しかった。笑

大学生活をあと一年残し、僕は借金取りに追われていた。
と、言うのもアルバイト先であるパチンコ屋で出会った美鈴―
ストリップショーの女優に一目惚れしてしまったからだった。
彼女のお店に入り浸るうち、ついにはその店でチケット切りの
バイトを始めた。少しずつ彼女との時間が増え、ホテルを利用する度、
僕の借金は増えに増えていったのだった。そんな時借金取りはやって来た。
「俺の散歩に付き合ったら、100万やる。借金は帳消しだ」
怪しげな取引を持ちかけられ、しかし金のない僕は、
散歩に付き合うしかなかった。東京をぶらぶら、
何の当てもなく歩く東京散歩。果たしてそこの目的は……

ストリップショーって…と、内容に絶句する本です。
いや、楽しいのです。でも最初映画を観てしまっているので、
私の頭の中では「僕」がオダギリジョーだったわけですが、
その主人公は、ストリップショーの女に惚れ込んでしまい、
毎日彼女の裸を見に、店に入り浸るという設定なのです。
うわぁ、オダギリジョーが?みたいな。笑 いや、違うんですが。
そんな感じで読んでいたので、何だか違った面白みもありました。
映画では「時効警察」の監督さんによって、見事に、
「時効警察風転々」になっていたので、それはそれで、
まったりのんびりしてて良かったんですが、転々する理由が、
イマイチよく分からなかったので、それに比べたら、
原作の方がまぁ、良かったのではないかと思います。
一番良かったのが、両親に捨てられ、養夫婦もあまりよろしくない
環境で育ちつつも、それほどすれずに育った青年。
平気な顔をして、恋をして、しかしどこかで寂しさを匂わせるような、
そんな男を描けていたような気がする。ラストは、
実母がべらべらとしゃべり、かなり興ざめな感じなのだが、
どうにか息子を引きとめようとする母を、やんわりとかわして、
去ってゆく姿は、でもきっとまた会いに行くのではないか、
と思わせてくれ、いい雰囲気が出ていた。
願わくば「時効警察」でありつつも、ストリップショーも兼ねて、
くれたら、かなり良かったと思うのですがね。

★★★☆☆*84

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コメント

私もたまたまケーブルで放映されるCMを見ててオダジョー三浦友和、っていうのが頭にあったまま、家族に勧められて本を読み、映像を見る前に読了しちゃったんですが、なんか、申し訳ないけど映画はがっかりでした。話の深みが全然、生かされてなかったし、悪ふざけばかりで… なんだかちょっと悲しかったです。映画のほうがよかった、って人も多いので、私がずれてるのかもしれないんですけれども。

投稿: べりる | 2010年4月19日 (月) 00:13

べりるさん

コメントが遅れて申し訳ないです。

わたしもこの映画は原作ファンにとっては激昂ものの作品だと思います。
映画は三木監督の味、という感じになっていて、
原作のよさはすべてかき消されていたように感じました。
映画→原作と読んだので、そのギャップは結構なものでしたが、
それでも原作→映画としなくてよかったと心底思いました。
映画の方がよかった、というかたは、たぶん、
三木監督(時効警察など)の作品が好きな方なんじゃないか、と。
三木監督は三木監督で好きですが、この作品にはそう言う点で首を傾げます。

映画化はいろいろ難しいものですよね。

投稿: るい | 2010年5月10日 (月) 01:07

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