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2008年9月26日 (金)

「風味絶佳」 山田詠美

風味絶佳 風味絶佳

著者:山田 詠美
販売元:文藝春秋
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たぶん山田さん初。どうも読んでいて気分が悪くなってしまった。
と言うのも、全部恋愛ものだったので…。決して山田さんが
悪いわけではありません。全てはこの私の体質が…。
しかし、映画にするほどのものなのか?と言うところには疑問が。

「風味絶佳」
志郎はポケットからミルクキャラメルを取り出し、それを舐める。
それを見ている者は、今時珍しいねぇとか、懐かしいと言って、
彼のことを改まって見てくるのだった。
そもそもミルクキャラメルは、志郎の祖母がよく舐める菓子だった。
アメリカかぶれで、自分のことを「グランマ」と呼べ、
と言う祖母は、皆から犬猿されている。けれど幼い頃から傍にいた
志郎は、彼女をどこか嫌いになれないのだった。
失恋した。そんなときに舐めるキャラメルはなぜか祖母を思い出させる。

失恋のミルクキャラメルが、なぜか避けたがっていた祖母の味に思え、
心にしみてくる。その様子は祖母と孫、という関係も味を出して、
とてもいいコンビネーションではないか、と思う。
女の子にふられた志郎は、なぜ自分がふられたのか分からず、
でも祖母はその理由をしっかりと知っている。
けれど、長年生きてきた経験から、失恋したときの切なさや、
虚しさや心細さを知っているから、そんな時志郎に強く当たったりは
しないのだ。まるでミルクキャラメルのようにしっとりと、
優しく包んでくれている。そんな様子がよかった。
しかし、これは確か柳楽くんと沢尻とで、
映画になっていたではありませんか。この本は短編集なのだが、
なんだか、そこまで魅力的に思わなかったかも、と言うのが一つ。
その理由は、祖母と孫の関係を重視するあまり、
その恋についての描写が少なすぎるからだった。
なぜ志郎がその子を好きになったのか分からないし、
好きから恋に発展する微妙なところが描かれていない。
どこか祖母と似てるから、のように進んでいき、
祖母を好きになってくれたから、好き、とかよく分からない理由が
見え隠れしているようで、私は好きになれなかった。
まぁ若者の、好きか嫌いかよく分からない状態で始まる恋、
という表現だと言われれば、そうかもしれないとも思う。
その他全編恋愛もの。コメントは差し控えます。

★★★☆☆*84

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