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2008年8月25日 (月)

「ほんたにちゃん」 本谷有希子

ほんたにちゃん (本人本 3) (本人本 3) ほんたにちゃん (本人本 3) (本人本 3)

著者:本谷有希子
販売元:太田出版
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今年読んだ「どうしようもねぇ本」、堂々の第2位。
まぁ1位は間違いなく「NHKにようこそ!」滝本竜彦著であることは
確かなのだが、それに劣らない強烈などうしようもなさ。
最高だ、本谷さん。大丈夫、あなたは誰にも負けていない。

カメラマンになると言って上京した私は、
結局のところ何にもなっておらず、むしろなろうとしていた
カメラマンと言う職さえも、本当は望んでいなかった気がした。
そんな時到来したのは、版画の巨匠との飲み会だった。
酒を飲み終わった後、運良く二軒目を誘われた私は、
必死に自分をその男に売り込もうとした。しかし、
私はそんなキャラではない。例えるならばエヴァンゲリオンの
綾波レイのようにクールでミステリアスな女なのだ。
そんな思い込みから、私は男の誘いを断ってしまい……。

私が書いたあらすじよりも、この本はもっと凄い。
と言うか形容できないので、仕方なく少し堅い感じになっています。
本当にどうしようもねぇ本。しかし、この本をどうしようもねぇ、
と思ってしまったらもう、本谷さんの作中に嵌っていると言っていい。
そう、この本はどうしようもねぇ本なのだ、最初から。
だからどうしようもなくて結構、それが勲章なのである。
しかし、凄い。この格好つけ女。噂ではこれは自伝小説、
とあるのだが、本谷さんは、こんなことを考えて毎日いる(いた)
のだろうか。確かに、わからなくもないところもある。
自分はキャピキャピした今時の若い女とは違うのだ、
と言って、クールぶってみたり(というか私そのまんま)、
ここぞー、という男にアピールする部分になって、
あれーどうしたらいいかわかんねぇ、みたいな(というか私そのまんま)
けれども、さすがに下着姿になってどうぞ、タッて下さい、
なんて懇願する女は、ここまで来るともう滑稽を通り越し変態である。
もしこの本のいくらかが実話だとするのならば、
それは本谷さんが今になったから加筆できるということである。
もしも現在その変態女真っ只中、だったとしたら、
この本を書けないだろう。その要素を持ち合わせつつも、
どこか達観したところで、書いているからこそ、
ボキャブラリ溢れるこのどうしようもなさが書けたに違いない。
人はみな経験だね。最後の十年後の自分が、今頑張っていることに
悔いないように、という文が、当たり前だけど、
急に切に戻るその感じが、とてもよかったと思う。どうしようもないけど。
あとは、これは狂っているのが主人公だというところがいいですね。
新境地。狂っている人を観察する本はこれまでたくさんあったんで。
まぁ観察したように書けるっていうのも才能だと思いますが。

★★★☆☆*85

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