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2008年7月 6日 (日)

「あやし」 宮部みゆき

あやし (角川文庫) あやし (角川文庫)

著者:宮部 みゆき
販売元:角川書店
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はい、この本も図書館整理で貰って来た本です。
けれども貰ったのはいいけど、処分本なわけで汚いんですよね。
と言うわけで、どうせ捨てられる本なのだから、一度読んでやれば、
本も本望だろう……と言うわけで捨てます。いや、本当に汚いんですって。

『布団部屋』
酒屋の兼子屋では、代々の主人が短命であることが有名だった。
百五年経つ間に普通なら四、五代目というところで、
なんと七代も代替わりが行われていたのである。
商売屋でありながら、不幸話で噂になることは避けたいことだろう。
けれども兼子屋の女中や奉公人はとても優秀だと知られていて、
周りの商人から羨まれていた。なぜ聞き分けの悪いはずの子どもを、
こんなにも素直に言い聞かせることが出来るのか?
そんな時、一人の奉公娘・おさとが奇怪な死をとげた。
その代わりに奉公に入った妹のおゆうであったが、
そこで兼子屋に伝わる「布団部屋」の秘密に触れる。

読み終わった後に知ったのだが、この本は怪談物らしい。
ふむ、そうか、言われてみれば、そう思わないこともない。
けれども、宮部さんの時代小説は、結構どれも奇怪話が多いから、
『あかんべぇ』『本所深川~』然り。
けれどもよくよく考えてみると、今回は目に見えない、
怨霊とか、呪いとかをテーマに描かれていたように思える。
この『布団部屋』に至っては、代々の主人が短命で、
その店子は呪われているのだ…という話である。簡単に言えば。
それを語ってゆくうち、呪いは代替わり同様、
人に移っていき、その店を苦しめ続けているのだと知れる。
けれども、一つ残念なのは、こういう「呪い」と言うのは、
何かの因縁があることが多い。例えば、夫が不倫していたことに
対する妻の恨みであったりとか、屈辱を受け続けた部下の怒りとか。
そう言った、美味しいドラマになる部分が、今回書かれておらず、
ただ「怪談」「奇怪話」と纏まれている気がして、
何となくもったいなく思った。まぁ宮部みゆきに、時代物。
そんな贅沢な組み合わせで、面白くないわけがない。

★★★★☆*86

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コメント

読みました。時雨鬼が面白かったです。最近鬼や妖怪が漫画でコミカルに描かれているせいか怖さがなくなってきたイメージだったのですが原点は怖いんだなと思いました。独白体の短編も良かったですね。書き手が小説の鬼になるほどぼっけえきょうていになるのですね

投稿: 福田浩司賞味大臣 | 2008年10月26日 (日) 21:15

>福田浩司賞味大臣さん

宮部さんの本をたくさん読まれていますね。
大抵はずれがないので、私も安心して読みたいときに選びます。
確かにそうですね、妖怪がコミカルに描かれているかも。
畠中さんの「しゃばけ」なんかもそうですね。
そう言えば、宮部さんの「あかんべぇ」はコミカルだったかも。
妖怪ではなく、幽霊でしたけれども。
原点は怖いと言うことを念頭に置いて書かれている本は、
何か教訓めいたことを読後に感じるような気がします。
宮部さんの独白体はいいですね。ぶれず読みやすいです。

投稿: るい | 2008年10月27日 (月) 10:34

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